2004/03/04 妖しい魅力の「球体関節人形展」

昨日、ちょっと刺激的で魅力的な展覧会を見てきました。

現在、東京・江東区東京都現代美術館で開催中の「球体関節人形展」(2004年2月7日~3月21日)です。

「球体関節人形」というのはあまり馴染みのない言葉ですが、意味はそのままで、「関節の部分に球体を入れることで自由なポーズを取れる人形」を総称するようです。

同展のチラシ(表)

死刑台のエレベーター:テーマ(マイルス・デイヴィス)

リクエストカード(230)

「音楽で巡る世界旅行」シリーズの「ヨーロッパ編」宛てということでお願いします。▼音楽で1957年パリへお連れしましょう。監督は、当時、ヌーヴェルヴァーグ(=新しい波)と呼ばれた若手監督のひとりルイ・マルです。ちなみに“ヌーヴェルヴァーグ”とは、撮影所での下積み経験のない若手の監督たちに共通する表現スタイルのことのようで(?)、ドキュメンタリーのような手法で劇映画も撮影したりしたようです。なるほど、本作もモノクロの映像で、古い型を脱した印象です。カメラの映像が、スリリングな展開を一層盛り上げています。▼あらすじはご存じの方が多いでしょう。主人公の男(=モーリス・ロネ)が完全犯罪を目論むも、あるモノを見落としたことが徒となり、誰もいなくなったビルのエレベーターに閉じこめられてしまいます。その彼を待ち続ける女(=ジャンヌ・モロー)がいます。そしてまた、このカップルの名をかたり、事件を起こす若者が登場します。当時の街並みと車。▼音楽もヌーヴェルヴァーグそのままでマイルス・デイヴィスがアドリブで挑みます。録音は1957年12月4日の夜。監督が持参したフィルムをエンドレスで回し、わずか4時間で全てを録り終えたそうです。


【番組のサイトのメールフォームから書き込んだ追加メッセージ】:同じリクエストはすでにFAXにて送信していますが、マイルスに音楽を頼んだいきさつなどについて補足的に書いておきます。▼これは、『死刑台のエレベーター』の“完全版”と銘打たれたオリジナル・サウンドトラック盤に載っている文章ですが、マルセル・ロマノという人(※どういう立場の人なのか私はよく知らなかったりしますf(^_^))が、1988年8月に記した述懐らしいです。▼それによりますと、本作が撮影される少し前の時期、マルセル・ロマノはマイルスを主役にするジャズ映画を構想していたようです。おそらくはドキュメンタリー形式の作品で、レコーディング風景をメインに、ジャズ・ミュージシャンを人間的に描く企画ではないかと思います。 結果的にはこのプランは実現しないままに終わっていますが、プランを断念した頃、若手の映画監督がスリラー物の作品(※『死刑台のエレベーター』のことです)を撮っているという話を聞き、その監督(※ルイ・マル監督)がジャズ好きらいしということで、映画の音楽にマイルスを使ってはどうかと持ちかけたそうです。この話はまとまり、実現します。▼録音はマイルスのヨーロッパ・ツアーのあとに行われたようですが、当時、ヨーロッパでのマイルスはまだ人気がそれほどなかったのか(?)、ツアーは期待されたほどの成功は収められなかったようです。▼実際の録音は、ルイ・マル監督が音楽をつけて欲しい場面のフィルムをつないで持ってきて、それを繰り返し映写しながら行われたようです。ま、即興演奏ということになるのでしょうが、マルセル・ロマノがマイルス側に映画の音楽の話を打診して、実際に録音が行われるまでは時間がたっぷりあったということで、即興とはいいながら、実は、いくつかのフレーズを書き留めるなど、主要テーマのメロディは既に“用意”されていたことになりそうです。▼演奏の録音に要した時間は4時間ほどだったようですが、録音された音楽がすべて作品で使われたわけではありません。音楽の選択もルイ・マル監督が一手に引き受けたようですが、当のマイルスは、演奏と録音が済んだあとに満足そうな表情を浮かべたものの、「2度とこの種の録音をやるつもりはない」という言葉をマルセル・ロマノに残した、とあります。真意がどの辺にあるのかは、私にはわかりませんけれど。▼以上、この作品にマイルス・デイヴィスの音楽が使われるまでの裏話的なことを書き添えてみました。もしもお気に召しましたなら、放送でこの作品を取り上げてください。

SENTINEL(マイク・オールドフィールド)

リクエストカード(229)

梅雨時のジメジメや蒸し暑さを電子音が奏でる音楽で吹き飛ばす「電子音楽」で募集するパート宛てです。お気に召しましたら番組で紹介してください。▼さて、マイク・オールドフィールドですけれども、名前を聞いても、「誰? それ
(‘・c_・`)?」という人がいるかもしれません。そんな人には、「悪魔払いを描いたオカルト映画の『エクソシスト』の音楽を作った人だよ」といえば、「ああ! あの音楽の人かあぁ!」と合点してもらえるでしょう。そうです。マイク・オールドフィールドは、あの映画に音楽を使われたことで一躍世界的に有名になりました。▼しかし、彼は特別な感性を持つ人物らしく、自分が有名になったことよりも、自分の音楽の不本意な使われ方(?)に不満を抱いたようです。これは芸術家特有の態度といえましょうか。『エクソシスト』に使われることになった音楽は彼が20歳になった直後にリリースされたものです。彼は様々な楽器の演奏に長(た)け、ひとりで楽器を演奏してはテープレコーダーに録音し、そうした録音トラックを幾層にも重ね合わせることで、自分が望む音楽世界を構築していったのでした。その創作過程に魅了された彼は、没我の境地で、子供のように目を輝かせていたことでしょう。

矢切の渡し(ちあきなおみ)

リクエストカード(228)

7月7日の「七夕」にちなみ「夏のラブソング!」で募集するパート宛てでお願いします(-人- )▼22日にある、日本の陸地から観測できるものとしては1963年以来46年ぶりの皆既日食が話題を集めています。ということで、人々の関心が天体に向く今年の「七夕」は、いつも以上に話題となるでしょうか。ちなみに次回の皆既日食は、関東などからも見られるもので、26年後となる2035年だそうです。▼さて、織り姫と彦星の年に一度の逢瀬の場となる夜空の天の川とはスケールが随分違いますが、こちらの川は、東京と千葉の間を流れる江戸川です。その川を、手こぎの渡し舟でいく男と女が歌われています。細川たかしさんの持ち歌として広く知られていますが、もともとは、ちあきなおみさんのために作られたのだそうです。どんな事情があってか、親に許してもらえない恋に落ちた男と女が、ひと目を忍び、新天地目指して渡し舟に揺られる情景が、情感溢れるちあきさんの名調子で楽しめます。夜の逃避行であれば、川面には満天の星空が映っているでしょうか。であれば、その道行きは、男女があたかも星々を巡る旅を続けるように見えるかもしれません。純和風の恋歌也。

I’LL BE THERE(ジャクソン5)

リクエストカード(227)

世を去ったマイケル・ジャクソンを追悼する特集宛てということでお願いします。▼私が持っている彼のアルバムといいますと、御多分に洩れず、全世界で1億4000万枚以上のセールスを記録した『スリラー』です。当時はまだCDはなく、私が持っているのも今は懐かしいLPレコードです(^m^) このアルバムからは次々にシングルカットされ、ことごとくヒットしていますので、今回の特集でもこのアルバムの曲が多く寄せられるでしょう。▼そこで、私は彼がソロになる以前の曲をリクエストしておきましょう。お兄さんたちと一緒に活動したジャクソン5の曲です。この曲が全米チャートの第1位になった当時、リード・ヴォーカルを担当していた(?)マイケルは弱冠11歳だったそうです。その後のスーパースターぶりはご承知の通りですが、頂点を極めてしまったことが、彼のその後の人生を“不幸”なものにしてしまった(?)のは皮肉なことといえましょう。彼が生まれ育った街からは最初の黒人市長が誕生しているそうですが、スーパースターの地位を獲得した彼は美容整形をし、黒人から白人へ近づいていきました。彼を応援した黒人のファンは、そのことをどう思っていたのでしょうね(´・ω・`)

ALL YOU COULD EVER WANT(セシリア・ノービー)

リクエストカード(226)

「ヨーロッパのJAZZ」で募集のパート宛てということでお願いしますm(_ _)m 今は梅雨で雨の季節ですが、関東地方はここまで、それほど雨は降っていない印象です(?)。梅雨明け前の末期にはまとまった降り方をするのでしょうが、損な雨の日、、、? そんな雨の日(^m^)、ジャズの演奏に耳を傾けて過ごすのも悪くないでしょう。▼さて、デンマークの“歌姫”(?)、セシリア・ノービーですけれども、彼女の曲は山本さんが担当をされた5月22日にもリクエストし、番組で採用されていますので、ちょっと近すぎるかな(´・ω・`)? という気もしないではありませんが、もしも許容範囲内(?)でしたら、また番組でかけてもらえたらと思ってのリクエストです。ま、私は特別ジャズというのは詳しくありませんで、彼女の曲も女性ヴォーカルの曲として聴いてきました。で、ほかに欧州のジャズ・アーティストはそれほど知らないということでセシリアさんにまたご足労(?)願ってしまったわけです。アルバムの解説によりますと、この曲はチック・コリアが書いたナンバーだそうで、それにセシリアが歌詞をつけて歌ったもののようです。変化に富む曲です。

未知との遭遇(音楽:ジョン・ウィリアムズ)

リクエストカード(225-1)
リクエストカード(225-2)

「映画音楽で巡る世界旅行・アメリカ編」で募集するパート宛てということでどうぞよろしく(^ー^)ノ▼この募集テーマを聞いて、なぜか、私はアメリカにそびえる、あるものを思い浮かべました。映画の主人公の電気技師をする男(=リチャード・ドレイファス)も、ある出来事に遭遇してから、その奇妙なものに取り憑かれます。それがいつも頭から離れなくなり、その正体が知りたいと紙に描き、ついには大量の粘土を使い、部屋を埋め尽くすほど大きい造形物を造るまでになります。その頃には、男は職も家族も失ってしまいます。ヒゲは伸び放題。目も虚ろです。彼と同じように、それに取り憑かれた人々が全米中にいるようです。その正体が明らかになります。テレビ・ニュースを観ていると、それが映し出されました。アメリカのワイオミング州にある「デビルズ・タワー」です。男は山に引き寄せられるように車を飛ばします。アメリカ政府はその山の周囲を立ち入り禁止にしますが、男はそれを振り払って山の頂上を目指します。そして、そこで目にする光景は、想像を絶するものでした。映画の公開当時「巨大なシャンデリア」のようと形容されたUFO(=未確認飛行物体)の母船(マザーシップ)が着陸してくるのでありました。(つづく)


【メッセージ2】:(つづき)通常、リクエストは1枚のカードですが、今回は書ききれないので2枚目に突入です(^_^;▼監督・脚本はスティーヴン・スピルバーグ。音楽はジョン・ウィリアムズ。そして、フランスの有名な監督フランソワ・トリュフォーが出演したことでも話題になった作品です。私はこの作品を観ることで「デビルズ・タワー」の存在を知ったのだと思いますが、もの凄い存在感がある山です。UFOに遭遇したあとその山の異形が頭にこびりついた男はそれを絵に描き、巨大な粘土の造形までするようになるのですが、それを自分の眼で見たときは神聖なものでも見るかのようでした。そして、その山の頂上に目も眩むばかりの巨大なUFOが着陸してくるのです。私はこの作品をLD(=レーザー・ディスク)で持っており、繰り返し観たものです。その母船には無数の異星人が“住んで”おり、それがひとつの都市であるかのようです。高い知能を持つ(?)異星人に導かれるように男も母船の内部に足を踏み入れますが、見上げた母船の内部は、天井が無限に高く、光に溢れていました。いつの日にかデビルズ・タワーを私も見たいですね。UFOは見たいと思ってもなかなか見られませんがf(^_^)


【番組メールフォームから送信した追加メッセージ】:以上ですが、私はオリジナル・サウンドトラック盤を持っていませんので具体的な曲名はわかりません。ですので、一番特徴的な音楽を山本さんが選んでかけてください。異星人と“音楽で交信”するときに使われた曲がいいかな? ということで余計なお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

『雨やどり』あるいは『もうひとつの雨やどり』(さだまさし)

リクエストカード(224)

ジューンブライドに寄せて「Wedding☆Song」で募集するパート宛てでお願いしますm(_ _)m▼いつもはリクエスト・カード1枚にリクエスト1曲としていますが、今回は例外的に2曲のリクエストとなりました。いずれも、さだまさしさんの曲です。『雨やどり』はちょっとコミカルに、そして、同じメロディに別の詞をのせた『もうひとつの雨やどり』は揺れ動く女心が微妙に描かれている感じでしょうか。「6月の花嫁」ですから雨に縁がありそうで(?)、こんな曲を選んでみました。あとは山本さんにお任せしますので、どちらでもお好きな方、あるいは心情に近い方(?)を選んでください。欲張って両方かけてしまう、という選択もあり。かな(^m^)?▼いずれの曲も男と女の縁を描いています。しかも偶然に訪れた縁。こればかりは、神の思し召しといいますか、自分ひとりで何とかしようとしてみてもどうにもなりません。あとは、そうした縁が自分に訪れた時、それをどう意識し、結果へと導けるかなのでしょうね。“心のアンテナ”はいつも感度良好であれ。

La Vie en rose(グレイス・ジョーンズ)

リクエストカード(223)

北半球で昼の時間が最も長くなる頃とされる「夏至」の翌日に募集する「演奏時間の長い曲特集」宛てということで今週もよろしくお願いします。▼放送がある22日がどうなっているかはわかりませんが、日の出の時刻は今月5日から“限界”の状態がずっと続いています。東京でいいますと、5日を境に午前4時25分からまったく動かなくなりました(※この日の放送に合わせたように、5日から続いていた日の入り時刻【4時26分】と短くなる方へ動きました)。日の入りはもう数分“余裕”がある(?)でしょうか。▼月曜日は昨年の6月30日にも同じように「長い曲」で募集しましたね。その回にも私はリクエストをしていますが、その時は残念なことに不採用でした。「今度こそは!」と首を長~くして待っていた、わけではありませんがf(^_^)、もしよかったら私が選びました曲のために時間を割いていただければと思います。ちなみに私が選んだ曲の演奏時間は【7分25秒】です。いろいろなことを考えてこの曲に決めました。曲が長いということは、それだけ聴く人を長く拘束してしまいます。ですので、独りよがりの曲で時間を独占してしまっては申し訳ありません。耳に馴染みがあり、しかも現代風にアレンジされたこんな曲はどうでしょう。今回は“バラ色の時間”となる、かな?

アマデウス:レクイエム ニ短調

リクエストカード(222)

映画に使われた「クラシック音楽」で募集するパート宛てでお願いしますm(_ _)m▼意外な作品で使われたクラシック音楽にしよう! と思ってはみたものの、結果的には一番意外性に欠ける作品となりました。クラシック音楽の天才作曲家・モーツァルトを描いた作品ですので、ここでクラシック音楽が流れないわけがないですものね(^_^;▼実在したモーツァルトが映画で描かれたような人物だったのかはわかりませんが、もしも近いのであれば、かなり破天荒な人物だったことになります。厳格で常識的な父(=レオポルト・モーツァルト)とは相反する性格です。そのことで様々な騒動を引き起こします。このモーツァルトに人生を狂わされた(?)のは宮廷作曲家の先輩・サリエリです。彼の音楽的な才能が実際はどれほどのものだったかわかりませんが、凡庸な人々の代表のように描かれた彼は、モーツァルトの才能に嫉妬し、モーツァルトに才能を授けた神を憎み、そして、モーツァルト作品の一番の理解者として描かれています。個人的には作品終盤(※残り40分ぐらい)が好きです。そこでは精神と身体のバランスを著しく欠いたモーツァルトが描かれています。『レクイエム』は最後に取り組んだ作品で、未完成の作品を残してこの世を去りました。


【リクエスト・フォームからの追加メッセージ】:この作品のオリジナル・サウンドトラック盤を持っていないため一応『レクイエム』にしてみましたが、この作品でもっと相応しい曲がありましたら、そちらに変更してもらっても構いませんのでよろしくお願いします。