私はフィルムの一眼レフカメラの時代から写真を趣味にしています。被写体は身の周りのものがほとんどなので、表現の幅は、昔から一貫して狭いです。
本コーナーで何度も書くように、フィルムの一眼レフカメラを使った時代、私が好んで使ったのは焦点距離が50ミリのレンズです。
その時代、ズームレンズは一般的でなく、焦点距離が単一の単焦点レンズが使われました。
その中で私が50ミリのレンズを好んだのは、自分の眼の延長のように使える感覚が気持ちよかったからです。このレンズをつけたカメラのファインダーを覗くと、自分が撮りたい被写体の大きさが、肉眼で見たのとほとんど同じ大きさに見えます。
フィルムの時代に使ったカメラは、断るまでもなく、デジタル時代の今でいう35ミリフルサイズです。このカメラに焦点距離50ミリのレンズをつけると、ファインダーに結ばれる像の大きさが肉眼で見たのと同じになると書きました。