2006/02/20 ホリエモン・メール

本日は、人々の話題の中心であろう「トリノ・オリンピック」ではなく、個人的に興味を持った話題について書きます。

それにしても、ホリエモンこと堀江貴文被告(1972~)は、実に多くの話題を提供してくれる人です。今回は、民主党所属議員の永田寿康氏(19692009)がネタ元の、いわゆる「ホリエモン・メール」について取り上げます。

発端は16日の衆議院予算委員会でした。その場で永田議員が、「ホリエモン・メール」らしきものの存在を明らかにしました。永田氏によれば、そのメールは「信頼の置けるフリー・ジャーナリスト」を介して入手したそうです。

文面は、選挙コンサルティング費として、自民党幹事長、武部勤氏(1941~)の次男の銀行口座に3000万円振り込むよう指示する内容です。

油絵具が持つ物質的な魅力

デジタル全盛の今は、物としての物質を所有しない時代といえるでしょう。

写真の場合も、昔は、プリントされた写真を自分の手に取り、物としての実感を味わいながら、それが撮影された時のことを思い出すことができました。私はネガフィルムよりもポジフィルム(リバーサルフィルム)を好みました。それでも、現像されたフィルムは一枚ごとにマウントされ、それを手に持って鑑賞する喜びがありました。

音楽を楽しむにしても、今はネット配信ができたことで、パッケージされた商品としての物がありません。昔はレコード盤やコンパクトディスク(CD)を手に入れ、レコードプレーヤーやCDプレーヤーに自分の手でセットし、音楽を愉しみました。

絵の世界も、漫画チックなものやイラストであれば、PCの画面を見ながら描くことが可能となりました。自分で描かず、人工知能(AI)に作成させることもできます。

私は昨日、絵具と接する時間を持ちました。パレットに油絵具を載せ、自分の手で絵筆を持ち、カンヴァスに絵具を載せていきます。デジタル時代にあっても、やっていることはアナログです。手で触れることができないデジタルでは味わえない実感がアナログにはあります。

今の子供たちが泥んこ遊びをするかどうか知りません。自分の手で泥を掴み、思い思いの形を作る楽しさは何物にも代えられません。油絵具を使って絵を描く行為は、子供の泥んこ遊びに似た楽しさがあります。

向田邦子が婦女暴行常習犯を捕まえた話

向田邦子19291981)という脚本家がいました。彼女が、旅先の外国で飛行機事故によって亡くなって今年で44年です。この分野に興味を持つ人でなければ、50代より下の世代はこの脚本家を知らないかもしれません。

向田邦子

彼女が書いた脚本はテレビドラマです。映画と違って、あとで見直すことが難しいです。そういう意味では、テレビドラマを中心に脚本を書く人は、あとで振り返ってもらう機会が少ないかもしれません。

私も向田が手掛けたテレビドラマはほとんど見ていませんね。

向田を取り上げてみようと思ったのは、朝日新聞土曜版で、原武史氏(1962~)が鉄道にまつわるエピソードを書く「歴史のダイヤグラム」の本日分で向田のエピソードを書いているからです。

答えを先延ばしする生き方は好きになれない

今、村上春樹1949~)のエッセイ集『職業としての小説家』2015)を読んでいるのではなく、耳で聴いています。

私は本エッセイをAmazonの電子書籍版で読み、本コーナーで取り上げたことがあったと思います。

それを今、Amazonが提供するオーディオブックのAudibleで聴いているというわけです。本サービスは月額1500円です。それを、月額99円で利用できる権利を得て利用しているのです。

小説は文字で読むほうが頭に入るように感じ、村上のエッセイを愉しんでいます。

村上が書くエッセイは、小説と違い、彼の素直な気持ちがそのまま表現されているように感じ、読みやすく、聴きやすいです。

ただ、今回は、それを朗読する人の癖が加わっているからか、自慢話が多いように感じることが少なくありません。

なお、本作品を朗読しているのは小澤征悦1974~)です。私は小沢が出演する映画やドラマを見たことがありません。それだから、声を聴いていても、彼の姿とは結び付きません。

村上は、小説という世界は、ほかの表現分野の人に比べ、寛容であるとしています。すでに小説家になっている人も、新しい人が小説を書くといえば、拒むようなことはせず、どうぞどうぞと喜んで招き入れると書きます。

つげ義春 独りの世界

つげ義春1937~)という存命中の漫画家がいます。ご存知ですか?

私はその人の存在は知ってはいましたが、漫画に接する機会が極めて少ないこともあり、つげの漫画は読んだことがありません。

つげについて書かれたネットの事典ウィキペディアで確認すると、次のような記述があります。

ガロ』を通じて全共闘世代大学生を始めとする若い読者を獲得。1970年代前半には『ねじ式』『ゲンセンカン主人』などのシュールな作風の作品が高い評価を得て、熱狂的なファンを獲得した。

つげ義春『発表50周年記念 ねじ式 原寸大複製原画集』
つげ義春’s ゲンセンカン主人 summarized in English

漫画家の蛭子能収1947~)も、つげが書いた『ねじ式』を読んで衝撃を受け、まったく興味がなかった大阪万博(日本万国博覧会)へ行くからと嘘をついて、勤めていた看板店を辞め、東京へ出たことが知られています。

ガロの時代

朝日新聞の土曜版には「歴史のダイヤグラム」というコーナーがあります。

このコーナーのことは本コーナーで取り上げたことがあるかもしれませんが、原武史氏(1962~)が毎回、鉄道にまつわるさまざまなエピソードを書いています。

本日のそのコーナーは、つげが、もしかしたら彼の人生で、最も精力的に作品を発表した1968年9月のある日に起きた出来事が書かれています。題して「つげ義春、九州への逃避行」です。

映像の魔術師

数日前、AmazonのPrime Videoであるドキュメンタリー作品を見ました。はじめからそれを見るつもりはなく、何かおもしろそうな作品がないかと思っていたら、それがお勧めにあったのです。

私はAmazonの有料会員です。その会員は、Prime Videoで該当の動画を追加料金なしで楽しめます。

私がそれを利用するときはPCのモニタではなく、テレビ受像機(テレビ)で見るようにしています。ネットの動画共有サイトYouTubeの動画も、できるだけテレビで見ます。

AmazonのFire TVを使うと、ネット動画がテレビで見られるようになるからです。

私が見たドキュメンタリーは、日本では昨年9月29日に公開された映画監督アルフレッド・ヒッチコック18991980)の撮影術を紹介する内容のものです。

公開されたとき、邦題は『ヒッチコックの映画術』だったのでしょうか。

藤井さんが「怖い」?

私は昔から、なぜか、テレビで将棋対局を見るのが好きです。今も、毎週日曜日の午前中に放送される「NHK杯テレビ将棋トーナメント」はほぼ欠かさずに見ています。

それでいながら、将棋のルールを覚えたのは十年ほど前です。

ということは、それまではルールもわからずに将棋の対局を見ていたことになります。

それでも私は、将棋の対局を見るのが好きです。

プロとして将棋を指す棋士は、一局一局を、素人には決してわからない、極限の状態で臨んでいるのでしょう。

将棋界に彗星のように現れ、瞬く間にタイトルを独り占めしたのが藤井聡太さん(2002~)です。先頃あった竜王戦で藤井さんは挑戦者の佐々木勇気さん(1994~)を4勝2敗で下し、タイトルを4期連続で保持しました。

「一撃、なのかな」藤井聡太竜王 佐々木勇気八段 竜王戦第6局【感想戦】

テレビなどで藤井さんを見る限り、まだ若いにも拘わらず、どんなときも自分を失わず、周囲への配慮ができているようにお見受けします。

そんな藤井さんを「怖い」と感じたことのある人の話です。

ポートレイト撮影の心得

本日の日経新聞「このヒト」のコーナーに次の記事があります。

記事では、実業団の相撲部として名門の日本通運相撲部で初の女性部員となった奥富夕夏氏(1998~)を紹介しています。

女子相撲に関心を持つ人であれば、奥富氏を知らない人はいないのでしょう。

奥富氏は小学生のときに相撲を始め、千葉県柏市の少年団で相撲を始めたと書かれています。それを読んで、もしかしたら、先月あった九州場所で初優勝を飾った琴櫻将傑関(1997~)とは、子供の頃から相撲を通じた仲間意識を持つのではと思いました。

琴櫻 初優勝!<令和6年九州場所>SUMO

琴桜関も5歳の時に相撲を始めていますが、通ったのが柏の相撲道場だからです。年齢も1歳違いです。

奥富氏は「女子の部では敵なし」の状態で、中学時代には全国大会で優勝を重ねたそうです。日本大学時代も頂点を極め続けたとのことです。

スプリングスティーンはお馬鹿YouTuberレベル

ブルース・スプリングスティーン1949~)と聞いて私が思い浮かぶのは村上春樹1949~)です。

村上の作品は、これまで、長編と短編集、エッセイ集に紀行文、対談まで、Amazonの電子書籍版で40冊読みました。

村上の作品に接していて独特だと感じるのは、どの作品を読んでも、主人公が村上自身の分身のように感じられることです。

それだからか、主人公を間違っていると書くことができません。いつも、主人公は正しいことをしていると肯定的に書きます。

村上作品で弱いところがあるとすれば、自分というものを完全に離れた主人公による世界を描けないということです。

ともあれ、そのような傾向が強いため、村上は主人公に、村上j自身の趣味嗜好を反映させます。

どんな話の展開であっても、主人公の、それはすなわち村上自身の、自慢話が登場します。

そんな自慢話のひとつに音楽の趣味嗜好があります。

西田敏行の死

ここ数年、有名人が亡くなったとの報道が増えています。

今月17日には、多くの人に知られ、愛された俳優の西田敏行19472024)が亡くなりました。西田の訃報に際し、朝日新聞は、18日に、西田の死を評伝と共に伝えています。

その中で、それを書いた朝日の編集委員は、数ある西田出演作で印象に残った作品を、次のように書いています。

個人的には82年のドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」が印象に残っている。

私もこれには納得です。西田で最も印象深いのがTBSで放送された連続テレビドラマの「淋しいのはお前だけじゃない」です。本ドラマの脚本は市川森一19412011)です。

本ドラマの脚本で、市川は第1回向田邦子賞を受賞しています。