巨大地震予知の狂気

ちょうど1カ月前、南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まったとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。

その後の1カ月間に巨大地震は発生していません。このすぐあとに発生するかもしれませんし、このまま、何年も発生することがないかもしれません。

結局のところ、あの臨時情報はなんだったのかと思わずにはいられません。

1カ月前といえば、お盆休暇の直前でした。その休暇を利用し、帰京や行楽の計画を立てていた人もいたでしょう。

巨大な地震が8日から1週間程度の間に発生する可能性が高まったと聞き、帰京や行楽を取りやめた人もいたでしょう。特に、南海トラフの大きな影響を受ける地域へ行くことは控えられたと思います。

偉ぶらなかった笠智衆

本コーナーで昨年12月、小津安二郎監督(19031963)の作品を続けて取り上げました。

昨年は小津の生誕120年にあたったことで、小津が後期に撮った作品が続けて放送され、それを見ては本コーナーで取り上げた結果です。

小津作品で欠かせない俳優といえば、なんといっても笠智衆19041993)です。

笠はもとは大部屋俳優だったのだそうです。どのようないきさつか知りませんが、その笠を引き立てたのが小津です。笠が小津の期待に応え、原節子19202015)ともども、小津世界を作り上げることに力を尽くしました。

小津が後期作品のメガホンを採る頃は、松竹大船撮影所19362000)で撮影されました。小津に抜擢された笠は、小津作品に専念するためか、大船に住んで、撮影所へ通ったようです。

笠にとってはおそらくは人生の恩人の小津が亡くなったのは1963年です。そのとき、笠は59歳でした。笠としても、小津がいなくなり、心細い気持ちもあったかもしれません。

一死満塁でスクイズバントがフライ これでも得点できる?

野球というゲームは、基本的にはシンプルです。

達人同士が真剣に対談するとこうなる

打者がフライを打ち上げ、相手の守備についている選手がそれを捕球したらアウトがカウントされます。

それでは、1アウト満塁の場面で、攻撃側がスクイズをしかけ、その打球がフライとなり、一塁手がそれを捕球したとします。そのあと、守備側がどんな動きをするか予想できますか?

そのフライが、スクイズに失敗したフライでなく、強振した打球が外野に打ち上がった飛球であれば、それを捕球したあと、三塁ランナーがタッチアップし、ホームを狙います。

ですから、守りの側の外野手は、捕球したあと、相手の三塁走者がホームに戻ってくる前に、遠投で捕手に球を送球します。

今回のケースは、満塁で相手の攻撃側がスクイズを仕掛け、その打球が小フライになりました。

攻める側としては、相手の守備が内野のゴロを処理する間に三塁ランナーがホームを駆け抜けるか、滑り込むことを考えるため、味方の打者がバントした瞬間に三塁を離れ、ホームベースに接近します。

ところが、あいにくなことに、バントした打球が小フライとなり、前進守備していた一塁手のグラブに収まってしまいます。冒頭で書いたように、相手の守備がフライを捕球したら、その時点で攻撃側は1アウトです。

「問題」はそのあとです。

万感の笑顔

昨日(11日)でパリ五輪が終了したようですね。

以前の本コーナーで書いたように、私はテレビの五輪中継はまったくといっていいほど見ませんでした。まったく見なかったと書かないのは、マラソンの中継は見たからです。

男子マラソンが大会の最終日に行われるのかと思っていたら、男子は最終日の前日で、女子マラソンが最終日に行われました。

どちらも上位入賞は厳しいのではと思っていました。ところが、男女とも6位に入賞したのには驚きました。

そんな五輪ですが、女子やり投げで北口榛花さん(1998~)が金メダルに輝いていますね。テレビの中継もニュースも見ないので、今朝の新聞でそれを知りました。

【北口榛花!感無量のウイニングスロー】女子やり投 決勝【パリオリンピック】8月11日(日) 午後5時30分 自転車競技 トラック

カマラ・ハリスに本気で知性を求めますか?

米国大統領選挙を報じる国内の報道機関には、どこからか、このように報道しろと「指令」のようなものがあるのですか?

このように問うたら、間違いなく「そんなものはあるはずがない」と答えるでしょう。しかし、実際の報道に接すると、そう疑うよりほかないような報道姿勢を、国内の主要メディアがすべて採っています。

米国民主党は、現役のジョー・バイデン大統領(1942~)が一期で降り、現在副大統領をするカマラ・ハリス氏(1964~)が、民主党の大統領候補として、共和党のドナルド・トランプ氏(1946~)と米大統領選挙を戦うことが正式に決まりました。

これを受け、本日の朝日新聞の「社説」が次期米大統領を争うふたりに要望のようなものを書いています。

馬鹿笑いでは隠せないカマラ・ハリスの急所

11月に行われる米国の大統領選挙に向け、ある筋が不人気のジョー・バイデン大統領(1942~)に再選を目指さないよう迫りました。バイデン氏は途中まで鈍感に粘りましたが、最後は圧力に簡単に屈し、退陣を受け入れました。

それはそうでしょう。バイデン氏は、最後まで申し入れを拒否したら自分がどうなるか、彼がどんなに鈍感であっても、気がついたでしょうから。

何らかの方法で、自分の命が絶たれるであろうことを。

バイデン政権で副大統領を務めるカマラ・ハリス氏(1964~)が、民主党の大統領候補に担がれ、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏(1946~)と争う図式となります。

先の大戦で日本は米国に、世界で唯一となる原子爆弾を投下され、敗戦に追い込まれました。大戦中、日本国民は軍部によって、鬼畜米英と教え込まれていましたが、敗戦後は、原爆を投下した米国に、みっともないほど従う国に成り果てました。

Hiroshima: Dropping the Bomb

以来、日本は、政治家も国民も、そしてマスメディアも、米国の掌で踊らされる国に成り下がりました。

横尾忠則と怪異現象

本日最初に更新した中にも横尾忠則1936~)が登場しました。そして、本日ふたつ目の更新にも横尾が登場します。

横尾は何かとエピソードの多い人です。

横尾の『老いと創造 朦朧人生相談』を、Amazonが提供するオーディオブックのAudible版で聴きました。横尾に寄せられた数々の人生相談に横尾が答えたものです。

そのひとつに、これまでの人生で心揺さぶられた本は何かという質問がありました。

横尾は自分を飾ることをしません。世間体は考えず、ありのままを正直に語っています。

横尾によれば、子供の頃から読書にほとんど関心がなかったそうです。そのため、中学に上がるまでは、絵を描いたり、近くの川で魚捕りをするか、何もしないでボヤッと過ごすことが多かったそうです。

舟越桂の作品について

舟越桂19512024)という彫刻家を知っていますか?

舟越は、彫刻家・舟越保武19122002)の次男として生まれ、父と同じ彫刻家の道を歩みました。

舟越は、今年の3月29日、肺がんで亡くなりました。享年は72です。

私がはじめて舟越を知ったのは1989年4月2日です。日付まで正確にわかるのには理由があります。

その年、NHK総合は毎週日曜日の午後11時25分から45分までの20分間で、「一点中継 つくる」という美術番組を放送していました。毎回、ひとりの作家の創作の様子を伝える番組です。

私は当時から、興味を持った番組は録画する習慣がありました。しかも、深夜の放送ですから、早寝する私は録画してしか見ることができません。

当時のことですから、私はVHS方式のビデオデッキでビデオテープに録画し、あとで見ました。

ですから、舟越を初めて知った日は、4月2日に録画した番組を見た3日以降となります。

画家の終活問題

大学生の就職活動を「就活」というようになったのはずいぶん前です。その後マスメディアは、どんなことにも「〇活」としたがるようになりました。

その一環で、いつの頃からか「就活」の変形で「終活」が使われるようになりました。私はこの手のいい方が嫌いです。ですから、自分でそのようなことを考えることはなく、そのような「活動」をすることもありません。

本コーナーで、横尾忠則1936~)が、相談者の人生質問に答える『老いと創造 朦朧人生相談』を、Amazonが提供するオーディオブックのAudible版で聴いたことを書きました。

横尾への数ある質問のひとつに、87歳になられた横尾へ「終活」を尋ねたものがあります。それに横尾がどのように答えるか、興味を持って聴きました。

横尾は、自分に限らず、画家が等しく抱える「悲劇」について語っています。

女の素性をいい当てる”すけこまし”

昨日(21日)の本コーナーで、1983年に出版され、その後、絶版状態になっていた村上春樹1949~)の初めての短編小説集『中国行きのスロウ・ボート』が今年復刻され、それをAmazonの電子書籍版で読んだことを書きました。

短編集には短編作品が七作品収録されています。その中で今回私が取り上げたいのは、6作目の『土の中の彼女の小さな犬』です。本作は、1982年文芸雑誌『すばる』1970~)11月号に掲載されました。

村上は1979年に作家デビューしていますので、3年後の作品になります。この年には3作目の長編小説となる『羊をめぐる冒険』を発表しています。

村上は専業作家として生きていくと覚悟し、ジャズ喫茶を人に手渡し、住まいも千葉の習志野に移っています。

「僕」が主人公の一人称で書かれています。