『エイジ・オブ・イノセンス』は星三つ

『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』1993)という米国映画があります。ご存知ですか? 

私は米国の映画をよく見るほうだと思いますが、旧い作品が好きということもあり、本作を知りませんでした。

監督はマーティン・スコセッシ1942~)ですね。スコセッシといえば、私が好きな『タクシードライバー』1976)の監督です。名前からわかるように、イタリア移民の家に生まれています。

『タクシードライバー』は水曜日(13日)にNHK BSで放送されたばかりです。私は録画しながら、オンタイム(「放送されている時間」ぐらいの意味で使っています)でも見ました。

Taxi Driver (2/8) Movie CLIP – I Gotta Get Organized (1976) HD

『エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事』はNHK BSで今月7日に放送されました。スコセッシの作品と知り、録画しておきました。

また、主演がダニエル・デイ=ルイス1957~)と知り、そうなのかと思って見始めました。

急性硬膜下血種は「結果」ではないのか?

昨日、漫画家の鳥山明1955~ 2024)が亡くなっていたことを伝える報道がありました。

私は漫画を読む習慣を持たないため、鳥山を知ってはいますが、鳥山の漫画を読んだことはありません。

報道で鳥山の死を知り、気になったことがふたつあります。

ひとつは、現存する漫画家の中では最も重要な漫画家であろうにも拘わらず、その死から一週間のちに公表されたことです。

人気の漫画家であれば、連載をかかえているでしょう。ということは、漫画を掲載する出版社とは、密に連絡を取り合っているはずです。

鳥山が現在、いくつの連載を持っているか知りませんが、それがあるのであれば、「異常」なことが起これば出版社からすぐに漏れ、報道されそうなものです。

それが一週間なかったことはどのように考えたらいいでしょう。

2013/01/11 サムライのイメージ論・芸術家の場合

質問をひとつさせてもらいます。「侍」と聞いてあなたはどんなイメージを持つでしょうか?

正直な話、私は、昔に侍といわれた人たちが日々をどんな風に過ごしていたか、すぐにイメージすることができません。

ネットの辞典ウィキペディアにある記述にさらっと目を通してみますと、世の中が安定してからは、彼らは支配階級に仕える下級役人で、今の多くのサラリーマンと同じように、上昇志向を強く持っていたようですね。

だとすれば、小説や映画、ドラマなどに登場する侍像というのは、ごく一部に一定数いた、あるいはいたかもしれない「はねかえり」を誇張して描いていることになりましょうか。

私自身、軽はずみなことはよくしでかし、ほかの人から、はねかえりに近いと思われる部分も多分に持っているであろうと自覚していますので、その意味の侍であれば嫌いではありません。

もっとも、はねかえりの性格を持つ者は、同じようなはねかえりの性格の人間とうまくいくはずもなく、似ているが故に、どちらかが折れてはねかえり度を弱めない限り、うまく付き合うのは難しいでしょうが。

伊丹十三を取り上げた番組を見たけれど

今月10日午後から14日の昼頃にかけ、私が使うインターネット回線が途切れ、使えなくなったことは本コーナーで書きました。

原因は、光ファイバー回線が物理的に断線したことです。それが起きたのが三連休の初日であったことが結果的には災いし、復旧までに時間を要すことになりました。

空き時間ができれば、ネットの動画共有サイトYouTubeの動画をテレビ受像機に映して見たりするところ、それが叶わないため、同じ受像機で、レコーダーに録画してあったテレビ番組を見たりして過ごしました。

その中に、NHK Eテレで放送された「先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)」があります。これまで、この番組を見たことがあったかどうかわかりません。毎週火曜日の午後10時から10時45分まで放送する番組です。

スタジオに組まれた居酒屋風のセットで、店主に扮したNHKの男性アナウンサーが番組の進行役となり、店に居合わせた三人の客に扮した識者と、ひとつのテーマを「酒の」にして語り合うといった作りになっています。

今月6日と13日の2回は、「伊丹十三 人を魅了するには」を前編・後篇に分けて放送しています。新聞のテレビ欄で本番組を知り、2回を録画し、再生させて見ました。

今のテレビ界を象徴する漫画家の死

漫画の神様といわれた手塚治虫19281989)が、テレビアニメを嫌っていたことはご存知でしょうか? たしか、そういう態度であったと記憶しています。

日本のテレビアニメが手塚の「鉄腕アトム」で始まったことを思うと、逆のような気もするかもしれません。しかし、手塚はテレビアニメを嫌っていたのです。

理由は何となく理解できます。

日本のアニメの長寿番組に「サザエさん」があります。これも、作者の長谷川町子19201992)はどんな風な思いを持っていたでしょう。

原作とテレビアニメは似て非なるものです。

長谷川町子が残した「サザエさん」の原作が4コマ漫画であることを知る若い「サザエさん」ファンはどのくらいいるでしょうか? 私は「サザエさん」のテレビアニメは見ないのでわかりませんが、ほとんどは、原作にはないことが描かれているのではありませんか?

人には「助け」が必要

初めて会った人に、私は「こけし70体と一緒に暮らしています」と自己紹介したら、相手はどんな反応をするでしょうか?

理由を説明したら、はじめは驚いた相手も納得するでしょう。

朝日新聞・土曜版に「私の The Best!」というコーナーがあります。有名人が大切に思っている物や、大好きな物などを毎週一人ずつ紹介しています。

昨日(20日)は、お笑い芸人の川村エミコさん(1979~)の「The Best!」の紹介でした。その書き出しが、「こけし70体と一緒に暮らしています」です。

私が考える天才の条件は二つ

あなたは、「天才」と聞いてどんなことや人をイメージしますか?

朝日新聞は、新年幕開けの紙面に、「天才」を巡る考え方をたしか六回にわたって取り上げました。

その最終回に、同時代を生きる天才として、大谷翔平選手(1994~)と藤井聡太八冠(2002~)を挙げ、書評家の渡辺祐真氏(1992~)が次のような考えを示しています。

大谷翔平選手や藤井聡太八冠がこれだけ人気を集めているのは、能力だけでなく人格も優れているから。いまは両方がそろって初めて天才だと認められる。

渡辺氏のこの指摘に、私は首を傾げました。私が定義する天才像からかけ離れているからです。

私は昔から、奇人や変人、天才に惹かれてきました。本サイトは、1999年10月17日に始め、今に続いていますが、本コーナーでは、そのときどきに私が着目したそんな人たちについて書いています。

岩下志麻が娘を演じた『秋刀魚の味』

今年が小津安二郎19031963)の生誕120年ということで、小津の誕生月である12月に、NHK BSBS松竹東急で、小津の後期作品が立て続けに放送され、それをすべて見て、本コーナーで取り上げることをしてきました。

その最後となる八作目が昨日、NHK BSで放送されました。放送されたのは、小津の遺作となる『秋刀魚の味』1962)です。本作が公開された1962年は、二年後に東京五輪を控え、東京の街並みが急速に変貌し始める頃にあたりましょう。

舞台は東京です。何本も煙突が立ち並ぶ映像があります。それがどこかは描かれていません。

作品の中頃に電車の駅のシーンがあります。その場面を注意深く見ると、その駅の駅名と隣りの駅名が書かれた駅名標が映ります。そこから、その駅が東急電鉄池上線石川台駅だとわかります。

人間の度量を量る映画

数日前、録画しておきながらなかなか見ることができなかった映画を見ました。

このところは、生誕120年を記念して放送された映画監督・小津安二郎19031963)の後期作品七作品を放送された順に見て、本コーナーで取り上げることをしました。

それが、なかなか見られなかった理由となります。

見たのは、『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』2015)です。一週間前の月曜日(18日)にNHK BSで放送され、録画しておきました。

現代は”Trumbo”だけです。日本でも彼を知る人には説明がいりません。しかし、米国よりはそういう人が少ないと考えたのか、トランボを説明するようなタイトルをつけています。

グレゴリー・ペック19162003)とオードリー・ヘプバーン19291993)が共演した『ローマの休日』1953)は、見たことがある人や、そんな映画があるのを知っている人が多いでしょう。