横尾忠則と怪異現象

本日最初に更新した中にも横尾忠則1936~)が登場しました。そして、本日ふたつの更新にも横尾が登場します。

横尾は何かとエピソードの多い人です。

横尾の『老いと創造 朦朧人生相談』を、Amazonが提供するオーディオブックのAudible版で聴きました。横尾に寄せられた数々の人生相談に横尾が答えたものです。

そのひとつに、これまでの人生で心揺さぶられた本は何かという質問がありました。

横尾は自分を飾ることをしません。世間体は考えず、ありのままを正直に語っています。

横尾によれば、子供の頃から読書にほとんど関心がなかったそうです。そのため、中学に上がるまでは、絵を描いたり、近くの川で魚捕りをするか、何もしないでボヤッと過ごすことが多かったそうです。

舟越桂の作品について

舟越桂19512024)という彫刻家を知っていますか?

舟越は、彫刻家・舟越保武19122002)の次男として生まれ、父と同じ彫刻家の道を歩みました。

舟越は、今年の3月29日、肺がんで亡くなりました。享年は72です。

私がはじめて舟越を知ったのは1989年4月2日です。日付まで正確にわかるのには理由があります。

その年、NHK総合は毎週日曜日の午後11時25分から45分までの20分間で、「一点中継 つくる」という美術番組を放送していました。毎回、ひとりの作家の創作の様子を伝える番組です。

私は当時から、興味を持った番組は録画する習慣がありました。しかも、深夜の放送ですから、早寝する私は録画してしか見ることができません。

当時のことですから、私はVHS方式のビデオデッキでビデオテープに録画し、あとで見ました。

ですから、舟越を初めて知った日は、4月2日に録画した番組を見た3日以降となります。

画家の終活問題

大学生の就職活動を「就活」というようになったのはずいぶん前です。その後マスメディアは、どんなことにも「〇活」としたがるようになりました。

その一環で、いつの頃からか「就活」の変形で「終活」が使われるようになりました。私はこの手のいい方が嫌いです。ですから、自分でそのようなことを考えることはなく、そのような「活動」をすることもありません。

本コーナーで、横尾忠則1936~)が、相談者の人生質問に答える『老いと創造 朦朧人生相談』を、Amazonが提供するオーディオブックのAudible版で聴いたことを書きました。

横尾への数ある質問のひとつに、87歳になられた横尾へ「終活」を尋ねたものがあります。それに横尾がどのように答えるか、興味を持って聴きました。

横尾は、自分に限らず、画家が等しく抱える「悲劇」について語っています。

女の素性をいい当てる”すけこまし”

昨日(21日)の本コーナーで、1983年に出版され、その後、絶版状態になっていた村上春樹1949~)の初めての短編小説集『中国行きのスロウ・ボート』が今年復刻され、それをAmazonの電子書籍版で読んだことを書きました。

短編集には短編作品が七作品収録されています。その中で今回私が取り上げたいのは、6作目の『土の中の彼女の小さな犬』です。本作は、1982年文芸雑誌『すばる』1970~)11月号に掲載されました。

村上は1979年に作家デビューしていますので、3年後の作品になります。この年には3作目の長編小説となる『羊をめぐる冒険』を発表しています。

村上は専業作家として生きていくと覚悟し、ジャズ喫茶を人に手渡し、住まいも千葉の習志野に移っています。

「僕」が主人公の一人称で書かれています。

新コロ騒動では右翼も左翼も期待できない

本日のYahoo!ニュースに次の話題が上がっていました。どんなことが語られているか確認しました。

私は外山恒一氏(1970~)を知りません。外山氏が2007年にあった東京都知事選挙に出馬したのも知りませんでした。ともあれ、当たり障りのないことをいう人でないことはわかりました。

その外山氏に、あれこれと語ってもらっています。

最初の小見出しは「ポリコレの流れは止まらない」です。

私は「ポリコレ」というのがわかりませんでした。「ポリティカル・コレクトネス」の略なのですね。

これについて書いたネットの事典ウィキペディアを見ると、今に始まったことではないことがわかります。1970年代から1980年代に始まった(幅が広いですね)とあります。ということはもう、50年ぐらいになります。

95歳の美術史家

ここ最近、高齢であるのに、現役で元気に活動されている人を知り、驚かされることが続きます。

横尾忠則1936~)が87歳になられるのに、とてもその年齢に見えないことに驚かされました。続けて、宇野亞喜良1934~)は90歳で今なお、若々しい感覚で仕事をされていることを知り、これまた驚きました。

そして今度は、美術史家の高階秀爾氏(1932~)です。高階氏は95歳になられますが、顔つきは現役時代そのままの鋭さです。

高階秀爾 – 「アートの歴史は未来を語る」

日曜日の午前9時からNHK Eテレで放送される美術番組に「日曜美術館」があります。私はこの番組を半世紀近く見ているはずです。高階氏は、美術全般について語れる専門家として、同番組には欠かせない存在です。

NHKが同番組のほかに美術を取り上げる番組を作ると、高階氏は監修として関わることが多くありました。番組は書籍にもまとめられ、そこにも、高階氏が登場され、それぞれの作品について解説されています。

この日曜日(9日)、「日曜美術館」は高階氏を取りあげた「美を見つめ、美を届ける(2)名画を見る眼 高階秀爾」を放送しました。私は録画して見ました。

宇野亞喜良商店の少女の魅力

2日にNHK Eテレで放送された「日曜美術館」を録画し、昨日見ました。

私は昔から同番組を見る習慣がありました。それがいつからか、疎遠になりました。理由は、昔に比べて内容が浅くなったように感じたことなどです。

昔の同番組は、美術の専門家をゲストに招くようなスタイルでした。それが、2000年代に入ってしばらくした頃からでしたか、タレントが多く出演するようになりました。それだけ、バラエティ色が強まっています。

そんな感じで、最近は同番組を見ないだけでなく、放送内容をチェックするのも疎かな状態でした。

新年度になり、同番組の制作スタイルに少し変化があったようです。新聞のテレビ欄を見て、見てみたいような放送をしているのに気がつきました。

2日は「変容するイラストレーション 宇野亞喜良」。一世を風靡したイラストレーターでグラフィックデザイナーの宇野亞喜良1934~)を特集しています。

横尾忠則に学ぶ何でも受け入れる生き方

昨日(2日)の午前7時から、NHK BSで「横尾忠則 87歳の現在地」が放送されました。これは、今年の3月にNHK BSプレミアム4Kで放送された番組です。

少し前にそれがNHK BSで再放送されることを知り、早くから録画の予約をしていました。

私は横尾忠則1936~)の作品そのものがそれほど好きというわけではありません。

彼は西洋絵画の歴史や技法を学ぶことをせず、本能的に絵具を使い、コラージュを織り交ぜて、自己流の作品を作りあげています。

どんな時代もマスメディアは、珍しい人が登場するとそれを盛り立て、時代の寵児に祭りあげます。若き日の横尾もマスメディアによってその地を得て、それが今に続いています。

彼は途中で、商業美術から画家宣言をしたりしていますが、彼がやっていることは、それ以前と以後で変わったことはありません。彼流の思いつきで筆を動かし、それを「作品」としていることです。

桂文楽のプロフェッショナル魂

ここ最近、私はAmazonが提供するAudible(オーディブル)を使い、オーディオブックを耳で楽しむことを熱心にしています。

今月一日からその利用を始めています。今月いっぱい、通常は月額1500円かかるところ、無料で利用できる権利を得たことによってです。

この話題について前回は、井上ひさし19342010)の講演会について書きました。

それを聴いたあと、私がどのようなものを聴いているか、聴いた順に簡単に書いておきます。

井上の講演を面白く聴けたため、次に松本清張19091992)の講演を聴きました。清張が1987年10月31日、高松市四国新聞社ホールで行った講演の模様を収めたものです。

その日は、「菊池寛生誕百周年記念講演会」で三人の講演者が講演をし、清張がしんがりを務めることを、講演の最初で述べています。

菊池寛を記念する講演のため、演題は「菊池寛の文学」でした。

オーディオブックにはエッセイが好相性

切りのいい今月一日から、Amazonのあるサービスの利用を始めました。それはAudible(オーディブル)というものです。

知っている人や利用している人には説明の必要がないでしょう。

これは、文字で書かれた本を、プロが朗読したオーディオブックで楽しめるサービスです。出版されたすべての本がオーディオブックになっているわけではありませんが、自分が読みたい本がオーディオブックになっていれば、自分の眼で活字を追わずに、作品世界を愉しむことができます。

先月の終わり頃、本サービスを愉しむには月額1500円かかるところ、2カ月無料で利用できる旨の連絡がメールで入りました。

おそらくは本サービスが始まった頃だったと思いますが、利用したことがあり、その後も何度か、無料で聴けるタイミングに利用しています。

はじめに利用した時は、小説家や文化人の講演会を収録した音声ファイルを続けて楽しみました。

今回これを利用しようと思ったのは、小説家の村上春樹1949~)の長編小説を先月までに、最新作以外を読み終えたものの、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』1985)だけは、上下巻の上巻の途中まで読んで、中断した状態にあったことです。