前回の本コーナーでは、昨日の昼前に読み終えた村上春樹(1949~)の長編小説『1Q84』の全体の感想のようなことを書きました。
その中で、本作についてはほとんど書いたつもりです。そう思っていましたが、まだ書き足りないように思いますので、今回もその続きのようなことを書きます。
本作のタイトルは『1Q84』です。日本語読みした「いち・きゅう・はち・よん」をもじっています。村上の作品は海外でも翻訳されて読まれています。日本語だけに通じるタイトルが、海外ではどのように受け止められているでしょうか。
1984年はジョージ・オーウェル(1903~1950)の『1984年』(1972)から引いているようですが、それに連なるようなことが書かれているわけではありません。
村上の作品で特徴的なのは、別々の話が同時進行で描かれるスタイルです。本作でも、主要人物の川奈天吾と青豆雅美をそれぞれ別の章にして描くことをしています。