これは私に限ったことかもしれません。私は、ネットの動画共有サイトYouTubeに上がっている動画が面白くなく感じるようになりました。
それ以前は、それなりに面白く感じ、それなりに見ることをしていました。それが最近は、私にとっての面白い動画が少なくなったように感じています。
YouTubeが注目を集めるようになったことで、動画を配信する人の裾野が広がりました。あとから始める人は、動画を配信することで収入を得ようと考えるため、リサーチをするでしょう。
また、動画を表示するサムネールも、どのように作れば再生してもらえるか、知識を得るでしょう。
その結果、お勧めに並ぶ動画のサムネは、どれも「私のを見て!」「僕のを見て!」といっているようで、にぎやかな商店街に意図せずに迷い込んだような感覚になります。
どの動画も「見て!」「見て!」「見て!」といっているようで、鬱陶しくなり、すぐに閉じてしまうこともあります。
もちろん、中には作り込まれた優れた動画もあります。しかし、多くは、安直に作られている感じです。また、テレビのバラエティ番組を模したような作りの動画も散見されます。
私はテレビのバラエティ番組が嫌いです。それが嫌でネットに避難しているのに、YouTubeでテレビのバラエティ番組もどきの動画を見せられたら堪りません。
一昨日から私は、YouTubeに当てる時間を、AmazonのPrime Videoに切り替えました。
私はAmazonの有料会員であるプライム会員です。会員は、Prime Videoを無料で見ることができます。そうでありながら、これまで、Prime Videoを見ることがあまりありませんでした。
提供されているVideoの多くが映画で、一本の再生時間が2時間ほどと長いことも、気軽に利用しなかった理由です。ある程度まとまった時間がなければ、一本を見ることが難しいからです。
その点、YouTube動画であれば、ちょっとした隙間時間に見ることができます。そんなYouTube動画ですが、最近は動画の再生時間が長くなっています。
動画の再生時間が長くなったことも、私のYouTube離れの要因のひとつです。動画は10分以下が理想です。それが20分を超えるようになると、見るのが億劫になります。
時間の点では、AmazonのPrime Videoのほうが長く、問題点が多くなります。そんなこともあって、私はより短い動画を見つけました。
その結果見つけたのは、私が好きで、NHK BSで見ていた「名探偵ポワロ」のシリーズです。このドラマシリーズも、後半になるほど一本の時間が長くなり、ストーリーもシリアスで、複雑になります。
それが、シリーズが始まった当初は、一回分が50分弱で、単純な作りになっています。これなら、空き時間に楽しむのにはうってつけです。
一昨日に、シリーズ一作めの「コックを捜せ」を見て、昨日は二作目の「ミューズ街の殺人」と「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」を見ました。
「コックを捜せ」は、ある家に長年奉公して家族に料理を作っていた女性が、ある日突然いなくなり、それを捜して欲しいとポワロに依頼することで始まります。
「ミューズ街の殺人」は、ある若い女性が、自分の部屋で、死んでいるのが発見されます。女は左のこめかみを銃で撃って自殺を図ったことを窺わせます。
「ジョニー・ウェイバリー誘拐事件」は、没落した地主の夫婦のもとに、まだ小さい息子を誘拐すると予告する紙片が届きます。誘拐sする時刻まで書かれ、ジャップ警部が部下を引き連れて警戒していたにも拘わらず、予告通りに誘拐事件が起きてしまいます。
私はシリーズをすべて見ていますが、ほとんど内容を忘れていて、見ているうちに思い出します。
今朝は、朝食を食べながら四作目の「24羽の黒つぐみ」を途中まで見ました。続きは、あとで時間が空いたときに見ることにします。
ポワロのシリーズを見て感心するのは、的確な作りになっていることです。カット割りが見事です。車で移動する場面も、必要最小限のカットだけで、あっという間に目的につき、車から降りるカットで終わりです。
今から30年ほど前に作られた作品ですが、日本でドラマは作る人も、本シリーズを見て、勉強するといいでしょう。
AmazonのPrime VideoとNHK BSの放送で違うのは、NHK BSが吹き替えであるのに対し、Prime Videoは字幕であることです。ポワロを吹き替えた熊倉一雄(1927~2015)の声で楽しめないのは残念ですが、字幕であれば台詞がよくわかり、これはこれで便利に感じます。
しばらく、空き時間はポワロのシリーズを見て過ごすことが多くなりそうです。YouTubeからはますます遠ざかります。