今週の月曜日(8日)から、私が使うメインのカメラをキヤノンのミラーレス一眼カメラ、EOS RPに換えたことを本コーナーで書きました。
というわけで使い始めて今日でまだ4日です。使った感覚はかなりいいです。非常に気に入っています。その気に入っている点を書いておきます。
まず、カメラのグリップを握った感じがいいです。それ以前使っていたソニーのα7 IIも気に入って使っていましたが、グリップを握った感覚はEOS RPのほうが個人的にはいいです。
ソニーのα7シリーズは、さまざまな用途に向け、搭載する機能を換えています。しかし、ボディのデザインは共通し、ダイカストボディによるボディラインはどれも似ています。
キヤノンのカメラデザインも、基本的には統一感を持たせていますが、それでも、機種ごとのデザインには自由度がある印象です。
私が再び使い始めたRPは、35ミリフルサイズの撮像素子を搭載しつつ、ボディの小型化と軽量化を実現しています。ボディの前後の幅は抑えられ、グリップも細身にしつつ、握りやすい形状になっています。
ミラーレスはどうしても電池の保ちが良くありません。それでも、α7 IIに比べ、RPは電池の減り方が押さえられているように感じます。
8日に使い始める前にバッテリーをフル充電しました。今朝の時点で、バッテリーの残量が減ったことを示していますが、まだ使用できる状態です。
一概には比較できませんが、α7 IIであれば、今朝までのどこかの時点でバッテリー容量が底をついていただろうと想像します。
前回RPについて書いた時、露出の設定にフレキシブルAE(Fv)を使いたいというようなことを書き、実際に使ってみました。このAEは、私はRP以外では使ったことがありません。
デジタルカメラの露出の決定では、ISO感度とF値、シャッター速度の組み合わせで適正露出を得ます。RPのFvは、それぞれをマニュアルとオートで使うことができます。
そうすることで、必要に応じて、絞り優先AE(Av)やシャッター速度優先AE(Tv)、マニュアル露出(M)と同じように使えるということです。
私は今のところ、EOS RP用のレンズは持っていないため、フィルムの一眼レフカメラの時代に使ったヤシカ・コンタックス用カール・ツァイス プラナー50ミリ F1.4をマウントアダプタを介して使っています。

ということで、F値は手動で設定する必要があり、必然的にAvにならざるを得ません。そのため、Fvを使うときも、Avと同じになるように、F値以外をオートにして使ってみました。
すると、カメラが設定する露出が思うように働いてくれず、露出補正をゼロにした状態でも、露出オーバーになるようなことがありました。
まだ、扱い方に慣れていないだけかもしれません。そこで、Fvをやめ、Avにして撮影してみると、露出補正をゼロのまま撮っても、ほとんどの場合、思ったような露出結果が得られました。
RPに内蔵されている露出計はかなり優秀なような感覚を持っています。もちろん、被写体全体の明度が低い場合は、露出補正でマイナスにしたり、逆の場合はプラスに補正する必要があるのはいうまでもありませんけれど。
RPのカメラについてではありませんが、昔に使ったレンズのプラナー50ミリは使いやすく感じています。

フォーカスを自分で合わせるマニュアルフォーカスレンズですが、RPにはフォーカスをサポートするピーキングや、フォーカスを合わせたい部分を5倍、10倍に拡大する機能がついているため、困ることはありません。
自分でフォーカスを合わせることで、自分で合わせたいところに合わせられるのは、オートフォーカスよりも適格といえます。
私は、50ミリという焦点距離が好きです。フィルムの一眼レフカメラを使っていたときも、ほぼ50ミリだけで撮影していました。
レンズのことでいえば、今と昔で変わったと感じる点があります。それは、F値の小さなレンズが増えたことです。この値が小さいほど、大口径といわれる「明るい」レンズになります。
具体的には、私が使うプラナー50ミリもF値がf/1.4で、大口径レンズといわれます。F値が小さい状態で撮影すると、フォーカスの合っていない背景などがボケて写る効果を生みます。
デジタルの時代になってカメラで写真を撮る人が増えました。それまで写真をあまり撮ってこなかった人は、背景がボケた写真を好む傾向があります。それを意識して、メーカーもF値の小さなレンズをラインナップに揃えているのでしょう。
私が個人的に不思議に感じるのは、広角レンズでもF値が小さい、いわゆる大口径レンズが増えたことです。これは、昔にカメラをやっていた人には違和感があります。
広角のレンズは、同じ場所から撮影しても、標準や望遠のレンズに比べ、広い範囲を撮影することができます。その特性は、風景を撮影するのに適しています。
風景を撮る時は、背景をボカす必要がないため、絞りを開けて撮ることは基本的にありません。そんな広角のレンズにもF値の小さいレンズが登場し、個人的には違和感を持つのです。
そのようなレンズが増えた背景には、私の想像ですが、ミラーレスを使って動画を撮る人が増えたからではと考えています。
中でも、ネットの動画共有サイトYouTubeで、自撮りした動画を上げるような人は、広い画角を得るため、広角のレンズを選ぶことが多くなります。
それでいて、背景をボカして撮りたい欲求をメーカーに伝え、その声を受ける形で、メーカーが広角レンズにもF値の小さなレンズを採用することが増えているのではと私は想像しています。
F値については、私も昔にフィルムの一眼レフカメラで写真を撮っていた頃は、たとえばプラナー50ミリを使うとき、絞り解放のf/1.4で撮ることはごく稀でしたが、f/2.8は好きで、よく使っていました。
その延長で、EOS RPにプラナー50ミリをつけたときも、F/2.8ぐらいで撮影してみました。
私は家で飼っている猫を撮ることが多いです。猫を大きく撮ろうとすると、必然的に猫に近づいて撮らなければなりません。被写体に近づけば近づくほど被写界深度は浅くなり、フォーカスの合ったところ以外のボケが大きくなります。
f/2.8ぐらいで猫を撮った写真を見ると、顔の一部分だけにフォーカスが合い、他の部分がボケて写ります。これは、ボケ過ぎた写真といえましょう。
以前、RPを使って撮影した写真を見直してみました。そのときは、同じキヤノンのEFマウント用ズームレンズを使って撮ったりしていました。
そのズームレンズはAPS-C用レンズで、キヤノンの場合は、写る範囲がフルサイズの1/1.6(ニコンなどは1/1.5)です。
それらの写真のデータを確認し、そのズームレンズでは最もF値の小さいf/5ぐらいで撮影したりしていました。それほど絞りを開けているわけではありませんが、それぐらいのボケ感が悪くありません。
そんなことから、今後は、F値がf/1.4のレンズを使っても、f/4始まりぐらいの感覚で使ってみようと考え、昨日から実際に試しました。その結果がなかなかいいです。
そこで、私はプラナー50ミリで撮る時は、最も絞りを開けてもf/4にし、ちょっと絞ったときはf/5.6、風景を撮る時などはf/8と、三種類の絞りの組み合わせで撮っていこうと考えています。
考えてみれば、f/1.4で撮るシチュエーションはかなり「特殊」です。それが必要な場合もありますが、それは例外的で、それ以外は、ある程度絞った状態で使うのが本来のレンズの使い方であるように考え直しました。
歴史に残る写真家が撮った作品にしても、背景をボケボケにしたような作品は例外中の例外といえましょう。たいていは、背景までシャープに撮っています。
メーカーも、自撮りYouTuberのほうばかり見ず、写真本来の撮り方を考え、必要以上にF値を小さくしないレンズを廉価で作ってくれることを要望しておきます。
今はカメラボディやレンズの価格が、円安ということも加わって暴騰しています。カメラや写真を趣味にする人には困難な状況です。写真メインのユーザーのことも考え、製品づくりをして欲しいです。
それにしても、F値の小さい広角レンズというのが、私には理解できませんね。理解できないのは、私が自撮り動画を撮る需要を持たないせいでしょうか?