私が使うメインカメラをソニーのミラーレス一眼カメラのα7 IIから、キヤノンのEOS RPへ変更して二週間目の途中です。

変更した理由については本コーナーで書いています。ミラーレスで「綺麗」な動画を撮ることにそれほどの興味がなくなったことがひとつの理由です。
どんなことでも「ブーム」になると、その「ブーム」に煽られて、本当は「必要」ないかもしれないことに、時間やお金をつぎ込む人が増えます。
ミラーレスで「綺麗」な動画を撮ることが必要な人もいるでしょう。今であれば、ネットの動画共有サイトYouTubeで、毎日のように動画を配信するVloggerをするような人です。
ただ、そんな人であっても、特別「綺麗」な動画である必要を私は感じません。それなのに、4K動画を日々アップロードするような人もいます。
4K動画は動画サイズが大きいので、編集やアップロード、そして、作った動画を保存するための記憶媒体への負担が大きくなるばかりでしょう。
そこまでして、素人が4K動画を撮る必要があるのか、部外者の私は余計な心配をしてしまいます。
私はYouTubeに自分のチャンネルを昔から持っており、数年前に一度停止し、昨年末ぐらいから再開しています。再開した直後は、YouTube用動画作りへの興味が再燃しましたが、今は動画作成意欲がすっかり落ちた状態にあります。
そんなこんなで、Log動画を撮るために再度買い求めたα7 IIを手放し、EOS RPに乗り換えました。
RPでももちろん動画が撮影できます。ただ、α7 IIのようなLog動画は撮影できません。素人が趣味で、写真撮影の合間に、気が向いたら短い動画を撮るぐらいであれば、何もLog動画である必要はありません。
手間と時間だけがかかり、得るものが多いとはいえないからです。
RPで撮れる動画の記録形式は一般的なMP4です。圧縮方式はIPBで、基本の「標準」のほかに、ひとつの設定にだけ「軽量」が選べます。
動画は静止画の集合体で、ムービーの1コマに相当する1フレームの画像サイズは、4Kとフルハイビジョン(FHD)(1080P)、ハイビジョン(HD)(720P)の3種類から選べます。
それぞれのアスペクト比は共通で、横長のテレビ画面に収まる16:9です。
EOS RPには35ミリフルサイズの撮像素子が搭載されています。RPで4K動画を撮る時は、撮像素子の中心部分をAPS-Cサイズ(16:9のアスペクト比)として使います。
キヤノンのAPS-Cはフルサイズの1/1.6、ニコンなどは1/1.5です。
FHDとHDはフルサイズ(16:9のアスペクト比)をそのまま使う撮影です。
あとは、1秒間に何フレーム撮影するか決めるフレームレートです。RPは、日本や米国のテレビ放送が採用しているNTSCと、欧州のテレビ放送などが採用するPALの二種類を用意しています。
ここでは、NTSCのみを扱います。
フレームレートは、少ない順に23.98fps、29.97fps、59.94fpsの三種類です。いずれも、便宜的に、24フレーム、30フレーム、60フレームとしておきます。
RPの4Kは、24フレームのみです。
それぞれのフレームレートにおける1分のファイルサイズは次のようになります。動画記録サイズの数字のあとについている「P」は「プログレッシブ・スキャン」であることを示すものです。
動画記録サイズ | ファイルサイズ |
---|---|
4K(23.98P) | 869MB/分 |
FHD(59.94P) | 440MB/分 |
FHD(29.97P/23.98P) | 225MB/分 |
FHD(29.97P)IPB(軽量) | 87MB/分 |
HD(59.94P) | 196MB/分 |
HD(29.97P) | 103MB/分 |
私は、気が向いた時に趣味で動画を撮る程度ですから、この中で最も小さなファイルサイズになるFHDで、なおかつ、IPB(軽量)が唯一使える30フレームを選びます。
おもしろいのは、IPBの標準は、FHDより小さなHDのほうが、ファイルサイズが大きくなることです。
ということは、RPにAPS-C用レンズをつけてHD動画を撮ると、FHDのIPB軽量で撮る30フレームの動画よりも、1分当たりのファイルサイズが大きくなり、それが60フレームの場合は、ファイルサイズが約2倍になる計算です。
ともあれ、最も軽量のサイズで記録すると、同じ時間動画を撮影しても、4K動画のほぼ1/10のサイズに収まります。
たとえば、カードに動画を記録する場合、32GBの容量のカード一枚に、4Kは35分の記録ができます。一方、私が選んだサイズでは、23時間11分記録できる計算です。
連続して撮影できる時間は29分59秒です。これ以上の長さの撮影はできません。私のような用途で、これほど長い動画をRPで撮ることは考えられないので、問題はありません。
なお、動画撮影時に「動画電子IS」が利用できます。これは電子手振れ補正で、揺れの大きさに比例して、撮影できる範囲が狭まります。
そのために、記録するファイルサイズにも違いが出るそうです。私は手振れ補正して動画を撮るため、動画電子ISを利用します。
露出はオート露出が選べますが、私はマニュアル露出で撮影するつもりです。
フレームレートは29.97fpsにし、あとはそのときの明るさに応じて、ISO感度とF値を選びます。晴れた日の屋外であれば、ISO100にして、あとは、そのときどきで、的確なF値にすればいいでしょう。
シャッター速度は、フレームレートが29.97fpsですから、1/60秒にします。
なお、RPの説明書には、「動きのある被写体には1/25秒から1/125秒がお勧め」とあります。
Log動画でないので、α7 IIでLog撮影する時のように、ISO感度の始まりがISO1600というような、とんでもないISO感度を使わなくてもいいので楽です。
晴れた日の青空を撮る時に用いる「感度分の16」を応用し、ISO100と1/60秒を選んだのち、あとは、そのときの光量に応じて、F値を選ぶだけでマニュアル露出動画が手軽に撮れるでしょう。