自分の適性を知るのは乱歩にも難しかった

『屋根裏の散歩者』1925)といえば江戸川乱歩18941965)の代表作の一つになりましょう。

乱歩は今でいう推理作家、乱歩が執筆していた頃は探偵小説作家といわれます。私もぼんやりとそんなイメージを長いこと持っていました。が、実は、乱歩自身は事件の謎を探偵が解いてみせるような作品を得意としていなかったのであろうことを知りました。

そうしたイメージを持つようになったのはつい最近のことです。昔にも乱歩作品は読み、乱歩を研究した類の本も読んでいます。それらを読むことで、変人の部分を持ち、自分にも似たところがあるため、勝手に親近感を持ったりもしましたが、創作にどのような苦しみを持っていたかというようなことは深く考えたことがありませんでした。

それを知るきっかけとなったのは、小学館から出ている『江戸川乱歩 電子全集 随筆・評論集』を読んだことによってです。これはAmazonの電子書籍版で出ていますが、定価に50%のポイントがつくキャンペーンがあったとき、全5集をまとめて購入しています。

清張の冷たい男と女の話

なんの知識も落たず、松本清張19091992)の『波の塔』上下2巻を、Amaonの電子書籍版で読みました。

これも、Amazonの電子書籍を扱うKindle本ストアの8周年記念を祝い、該当する電子書籍に50%のポイントがつくキャンペーン(5日で終了)時に購入したものです。

清張の作品ですからスイスイ読めてしまうわけですが、上巻を読んでも殺人事件は起きません。清張といえばそうした事件が起きるものと思っていたのです。結局、下巻を読んでもそれは起きずに終わりました。

清張としては珍しい、恋愛小説の形を採っています。女性向けの週刊誌『女性自身』に連載(1959年5月29日号~1960年6月15日号)する形を採ったため、女性の読者を意識したのでしょうか。

『キャッチャー』を論じる村上と柴田の翻訳夜話

村上春樹1949~)と翻訳仲間の柴田元幸氏(1954~)が、J・D・サリンジャー19192010)の『ライ麦畑でつかまえて / キャッチャー・イン・ザ・ライ』1951)について語り尽くす『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』2003)を読みましたので、それについて書いておきます。

それに続けて、村上の紀行文『ラオスにいったい何があるというんですか?』2015)も読み終えましたが、一時に2冊を取り上げるわけにもいきませんので、こちらは次回以降ということにしましょう。

いずれも、Amazonで電子書籍を扱うKindle本ストアができて8周年を記念し、対象となる電子書籍を購入すると、ポイントが50%もつくというキャンペーンを利用して購入したものです。

で、サリンジャーについて語り尽くした『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』ですが、本コーナーでも取り上げた同じ村上と柴田氏が中心となる『翻訳夜話』2000)の続編という位置づけでしょう。

村上から清張へひらり

Amazonは、電子書籍を扱うKindle本ストアが8周年を迎えたことで、ポイントを50%も大盤振る舞いするキャンペーンをしました(5日で終了)。このところの本コーナーは、これを利用して購入した村上春樹1949~)作品を続けて紹介してきました。

その続きで今回も村上作品、といきたいところですが、さすがに食傷気味となり、異なる作品に接したくなりました。そこで、Amazonのキャンペーン終了間際に、松本清張19091992)の対象作品を購入しました。

清張の電子書籍版は、時代小説と実録ものを除いてほとんど読んでいまして、まだ読んでいなかった次の2作品を選びました。

翻訳のあれやこれや

このところは、Amazonの電子書籍版で村上春樹の作品に接することをしています。今回は、読み終えた、村上が小説執筆の傍らにする翻訳について思いを語った本『翻訳夜話』2000)を取り上げます。

内容は、村上と翻訳仲間の柴田元幸氏が中心となり、フォーラムの質疑応答、村上と柴田氏の翻訳実例からなっています。

村上は昔から翻訳を自分の楽しみとしてしていたそうです。きっかけは高校時代の英語で、翻訳のテキストにトルーマン・カポーティの作品の一部があり、それを読んだとき、文章が持つ美しさに痺れたというようなことを、本作の後編のような『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』2003)で述べる個所があります。

色彩を持たない男の話に、やれやれ感

このところは、村上春樹の作品に続けて接しています。今回は、読んだばかりの『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を取り上げます。

本作も、Amazonの電子書籍Kindle本ストアが8周年を記念し、5日まで、該当する電子書籍に50%のポイントを付与するキャンペーンの一環で手に入れました。

ほかにも次の村上本を3冊追加しました。

翻訳夜話2000
翻訳夜話2 サリンジャー戦記2003
ラオスにいったい何があるというんですか?2015

スーツの「私」と見知らぬ女

前回は、Amazonの電子書籍Kindle本ストアの8周年記念で、該当するKindle本に50%のポイントが付与される機会を利用し、村上春樹の最新短編集『一人称単数』から、『謝肉祭(Carnaval)』を主に取り上げて書きました。

今回は、本短編集の表題作『一人称単数』を自分なりの考えで取り上げます。全部で7篇の短編が収められていますが、『一人称単数』だけが書下ろしで、他は文藝春秋の純文学を中心とする月刊誌『文學界』で発表した作品になるそうです。

ネットが普及した現代、何かを表現する人は、何かしらの圧迫を感じているでしょう。創作活動の合間には私人としてネットを利用することもあり、見ようとしないでも、自分に対する評価をネットで見てしまうことがあるだろうからです。

醜い女と僕の話

Amazonの電子書籍版で、村上春樹の短編集『一人称単数』を読みました。

Amazonの電子書籍を扱うKindle本ストアが8周年を記念し、11月5日まで、5000点以上の電子書籍に50%のポイントを還元するキャンペーンをしています。村上の短編集がこのキャンペーンに該当し、購入を決めました。

これまで、村上の作品は何冊か読みました。昔、『ノルウェイの森』1987)は確か出てすぐぐらいに読みましたが、このところ続けて接している村上作品はいずれも昔に出たものです。本短編集は、今年の7月18日発売しています。

短編集には次の8篇が収録されています。

強がる(?)兄貴と妹と渡辺昇の話

村上春樹の短編集『パン屋再襲撃』を読み終えました。

Amazonで電子書籍を扱うKindle本ストアが8周年を迎えたことを記念し、11月5日まで、該当する電子書籍に50%のポイントが付与されるキャンペーンをしています。

私はそれと知らず、村上の作品に50%もポイントが付くことに気がつき、本短編集と最新の短編集『一人称単数』を手に入れました。『パン屋再襲撃』が発刊されたのが1986年ですから、最新作が出るまでに34年の歳月が流れていることになります。

私個人の視点から見れば、それらが発表されてから33、4年経って、ようやく読んだことになります。

それはともかく、本短編集には次の作品が収録されています。

記者と弁護人の話 清張『疑惑』

Amazonの電子書籍版で、松本清張の中編作品『疑惑』を読みました。久しぶりの清張作品になります。

本作は1982年、月刊の娯楽小説誌『オール讀物』2月号に掲載されています。その時の題は『昇る足音』です。この題は、ある場面を象徴しますが、本作の題にはあまり相応しくないように思わないでもありません。

私が付けるとすれば、『スパナと右足の靴』にしますかね。本作を読んだことがある人は、私が提案する題にも満足しないでしょうけれど。

11月5日まで、Amazonは電子書籍の「Kindle本ストア8周年記念」として、対象の電子書籍に50%のポイントを付与するキャンペーンをしています。私はそれに気がつく前に、清張の書籍に50%のポイントのつくものがあることに気がつき、本書を購入しています。

ほかに、同じ理由で、村上春樹の次の2冊も同時に購入しました。