8ミリカメラ「フジカシングル8 Z450」の動画

私はあることに興味を持つと、しばらくはそればかりを集中してする傾向があります。

まだ一年を振り返るのには早いですが、今年の自分の行動を振り返ると、時期によって、自分が関心を持ったもので綺麗に分かれています。

ZOOM社の小型フィールドレコーダーを手に入れたときは、当然のことながら、32bit floatで録音できるレコーダーで、いろいろなものを録っては、確認したりしています。

あ、そうそう。録画したままで見ていなかった米国の古い映画を集中して見ることもしました。どれも素晴らしい作品でした。

そのあと、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)のソニー α7 IIを中古で手に入れた(このカメラは生産を終了しているため、中古で手に入れるよりほかありません)あとは、そのカメラでスチルを撮ることはもちろん、Logで動画を撮る「研究」などに興味が集中しました。

その「研究」は今も続いていますが、それに並行して、今は、撮った動画の編集に興味が広がりました。

といっても、動画を編集するからには、編集するための素材が必要です。

ネットの動画共有サイトのYouTubeで盛んに動画を配信するYouTuberは、次々に素材を見つけ、それを動画にしています。

私の場合はそうもいかず、素材を見つけるのに骨を折ります。

今回は、昔に使った8ミリ映画のカメラを持ち出し、それを手に取って、カメラを紹介するような動画を、キヤノンのビデオカメラ iVIS HF M41で撮ってみました。

今回のような動画を撮るときは、このビデオカメラが重宝です。最広角にしても35ミリフルサイズに換算して焦点距離がほぼ50ミリ(約43.6ミリ|細胞円は436ミリで10倍ズームレンズ)で、レンズに何かを近づけてもピントが合うからです。

キヤノンのビデオカメラ iVIS-HF-M41

外で何かを撮影すると、ミラーレスで撮影した映像に比べて見劣りしますが、今回のような撮影をすると、ミラーレスよりも色味も良く撮れるのも不思議です。

動画は撮りっぱなしで、色の編集は一切していません。

この手の動画は過去に何度か撮っていますが、私の場合はいつもだいたい同じで、三脚に固定したカメラの前で、手にした何かを撮り、それに自分の声で説明を加えるだけです。

昨日、YouTubeで面白い動画を見つけ、本サイトで紹介しました。テレビ朝日の映像撮影部のチャンネルに上がっていた動画です。テレビ局でカメラを担当するプロの話が聴け、参考になることが多いです。

昨日本サイトで紹介した動画を下に埋め込んでおきます。

YouTubeだからって同ポジだらけで良い?プロっぽく見えるカメラワーク講座

この動画も参考になりますね。

素人がたとえばビデオカメラで撮影すると、撮影の段階で撮ってはカメラを止め、次のカットを撮影したりするのが普通(?)でしょう。私もそのような撮り方をすることが多いです。

ところが、上の動画を見ると、撮影を途中で止めず、廻しっぱなしで、必要と思われる映像を次々に撮影しています。あとで編集することを想定し、編集しやすい絵を撮っています。

なるほど、といった感じですね。

私が動画の編集に使うDaVinci Resolve Studioには、通常の編集ページのほかに、カット編集のページがあります。そのページに特化した、Speed Editorというコントローラーも私は持っていますが、上の動画で紹介されたひと続きの動画から、必要なカットを選んでつなぐ編集に、カットページとSpeed Editorがピッタリであるように感じます。

ひと続きで撮影する方法は、ミラーレスで撮影するときにも有効となりそうです。その場合、画角を咄嗟に換えたりするため、ズームレンズがあると便利でしょう。

といいますか、この撮影方法の場合は、ズームレンズであることが前提(?)かもしれません。

ミラーレスで動画を撮る人で、中でも、Logで撮影をするような人は、ズームレンズではなく、単焦点で、レンズのF値が小さい、レンズが好まれる傾向があるように思います。

そのようなレンズを使うことで、背景をぼかして撮影することができ、それが、より、シネマティックに見えたりするからでしょう。

Logの撮影であっても、同じような光の状態が得られるのであれば、ズームレンズでひと続きに撮影し、カット編集で撮影ポジションに変化を持たせることができるでしょう。

本ページで紹介しているテレビ朝日映像撮影部のカメラマンは、YouTubeの動画でありがちな、同ポジの撮影では素人丸出しなので、ワンステップ上の映像作りを目指すことを伝えています。

それでいいますと、今回私が作った動画は、カメラを三脚に固定したまま、はじめから終わりまで撮っているのですから、ポジションは変わりようがありません。

しかし、こんな撮影方法で思い出す有名な映画監督がいます。小津安二郎19031963)です。

小津の作品を特別多く見ているわけではありませんが、見ていて私が気がついたのは、固定された画面の中で、登場人物が動きをすることが多いことです。

たとえば、奥に部屋が続いているようなところにカメラを据えたシーンがあるとします。手前の部屋の畳に人物が座っていて、奥の部屋にいる人と会話をします。

座っている人物は動きませんが、奥の部屋にいる人が、襖の陰に隠れて見えなくなったり、また顔を出し、そのあとまた消えたりしながら会話を続ける、といった感じです。

カメラは同じポジションを採りながら、観客が見る画面の中に動きを持たせることで、退屈させない工夫をしているように私には思えます。

今回の私の動画は、それに近いことを狙っています。といいますか、そのように、自分を納得させています。

同ポジで撮影を続け、その中に映るものが始終動くことで、見ている人は、そんなに退屈しないのでは(?)という願望に似た期待です。

前置きが長くなってしまいました。

今回の動画で私が手にしているのは、私が初めて手に入れた8ミリカメラです。私は富士フイルムのフジカシングル8を選び、そのカメラとして、”Z450″というカメラを購入し、愛用していました。

動画を見てもらえばわかるように、そのカメラが今はボロボロです。

フジカシングル8 Z450

専用のビニールのケースに入れ、机の引き出しに長いこと入れて置いたら、全体にカビが生えてしまいました。それを落としたら、ボディの表面が剥がれてしまったりしました。レンズにもカビが生えています

それでも、私の馴染み深いカメラであることには変わりはなく、それを手に持ち、カメラの構造や使い方について「実況語り」しています。

今回も、自分の声はZOOMのレコーダー、F2と付属のラベリアマイク(ピンマイク)を使っています。

ほとんど、囁くように喋っていますが、それでも、Audio Editorにかければ、聴こえる音量になるのですから、私のようなものには、変えがたいレコーダーです。

Zoom F2 フィールド レコーダー : はじめに

はじめは、ラウドネスをApple Podcastに設定しましたが、それでは声が大きすぎるように感じ、Broadcast Recomendationsにしてみました。

どのくらいの声の大きさにするかは、人それぞれで考えがあるでしょう。私にも悩みどころです。

とくに、私のように、囁くように録った声をあとで調整する者は、必要以上に声を大きくしない方がいいように感じています。

そんなこんなで、作った動画を下に埋め込んでおきますので、よかったら見てやってください。

私のオンボロ8mmカメラ フジカシングル8 Z450
本日の豆訂正
私の動画の中でシャッター開角度について話していますが、間違いに気がつきましたので訂正しておきます。
1/2と1/4は、シャッター開角度の変化でシャッター速度が1/2、1/4になるという意味です。
通常のシャッター開角度のときのシャッター速度は1/40.5秒ですので、1/2は1/81秒、1/4は1/162秒になります。

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