前々回の本コーナーで書いた動画編集用キーボードが届き、自分で操作できるようになりました。
そのキーボードは、Blackmagic Designから出ている動画編集ソフト専用のDaVinci Resolve Speed Editorというもので、同社の有償版動画編集ソフトDaVinci Resolve Studio及びほぼ同じ機能を持ちながら無料で使えるDaVinci Resolveを立ち上げなければ使えない構造となっています。
その編集ソフトDaVinci Resolveを私が使い始めたのは今月12日ですから、まだ一週間です。この間にソフトの使い方を最低限覚え、専用の編集キーボードを手に入れてしまったのですから、展開としては速いです。
速くなったのには理由があります。これは、このことについて前回書いた中で書いていますが、有償版のDaVinci Resolve Studioを今購入すれば、編集キーボードのSpeed Editor(定価:35,980円)が無料でついてくる破格のキャンペーンを展開していることです。
このチャンスに自分も乗ろうと考え、素早い行動を採りました。
Blackmagic Designの動画編集ソフトDaVinci Resolve Studioですが、はじめは日本円で十万円以上していたと聞きます。それが今は35,980円です。
ただ、値段が下がったとはいえ、ソフトの値段がこの程度する場合、素人の個人はなかなか手が出しにくいです。買ってはみたものの、自分で使いこなせなかったでは「高い授業料」になってしまいます。
いつからか知りませんが、そんなユーザーの心理に気がついたBlackmagic Designは、無償版のDaVinci Resolveを提供するようになりました。
それであれば、このソフトに興味を持つ人が気軽に手を出すことができます。その結果、動画編集に楽しみを感じ、同社の有償版を使う人が出てくるかもしれません。そのあたりまで見込んでの無償版提供といえましょう。
私は2000年頃から動画編集ソフトを使っており、本ソフトを使い始めるまでは、Vegas Proシリーズの最新版、18を使っていました。
そんな私は、今年に入り、ネットの動画共有サイトのYouTubeで、たまたま編集キーボードのSpeed Editorを紹介する動画を見、そのキーボードから逆に編集ソフトの存在を知り、興味を持つことになりました。
ここまでに書いたように、今、有償版のDaVinci Resolveを購入すれば、魅力的な編集キーボードが無料でついてくるキャンペーンをしており、手に入れるなら今だ、と動いたというわけです。
そうはいっても、肝心の編集ソフトが使いこなせないのでは話になりません。そんなこんなで無償版を早速使いはじめ、「これなら使えそうだ」と確信めいたものを持てた水曜日(17日)の夕方、非常に魅力的なキーボードSpeed EditorがセットでついてくるDaVinci Resolve Studioを注文しました。
有償版のDaVinci Resolve Studioの購入を考え始めた頃、どこで購入するか検討しました。
はじめは、よく利用するネットのショップ、ヨドバシ.comでの購入を考えました。ここで購入すると、ポイントが10%つくことが多く、一割引きで購入できる計算です。
ただ、今回購入を考えた編集キーボード付き動画編集ソフトは、3%のポイントがつくだけとされています。
しかも、値段が39,570円と、定価より1割ほど高く設定されています。もっともこれは消費税込み価格ですので、不当に高いわけではないわけですが。
その上で気になるのが、手元に届くまで相当の日数が予想されることです。注文してすぐに届くわけではなく、現段階では、次回の入荷が4月頃で、しかも、これは予定です。
仮に、入荷が今の予定より遅くなれば、手にするのが2カ月以上先になってしまうかもしれません。
ということで、別のショップを探し、結果的にはパンダスタジオショップで購入しました。私はこのショップを今回知りましたが、同社は撮影用の貸しスタジオを持ち、撮影機材のレンタルもするようです。ですので、映像制作をする人たちにはよく知られた会社でしょう。
Blackmagic Designの公式サイトで、DaVinci Resolve Studioと編集キーボードの「認定オンライン取扱販社」が三つあるうちの一つだったため、初めての利用でしたが、不安はありませんでした。
注文の段階になって、「ライセンス版」と「USBドングル版」の2種類あることがわかりました。ライセンス版が38,774円で、USBドングル版が36,850円(内 消費税分が3,350円)です。私は少しでも安く済ませようと、USBドングル版を選びました。
購入して、品物が手元に届いてから気がついたことですが、今はライセンス版が一般的のようです。
Blackmagic Designの動画編集ソフトは、はじめは全てUSBドングル版で販売されていたようですが、今はライセンス版に移行中のようです。
ライセンス版は、インストールしたソフトに、専用の25桁のアクティベーションキーと6桁のシリアルキー(ライセンスキー)を入力することで初めて利用できるそうです。
認証できるPCは2台までで、3台目に認証すると、それが1台目のPCになり、前2台は認証が解除される仕組みだそうです。
私が、安さにつられて(?)購入したUSBドングル版には、USBメモリのようなドングルが付属としてついてきます。専用のアクティベーションキーはありません。
使い方は簡単で、使いたいPCのUSBジャックにドングルを挿すだけです。ということは、使うPCの台数に制限がなく、どのPCでもアクティベーション用のUSBドングルを挿すことでソフトが使えます。
もっとも、私はデスクトップPCでだけ使うつもりですので、このメリットを感じることはなさそうです。
万が一、そのドングルを紛失してしまった場合は、ソフトが起動できなくなる懸念があります。
ただ、私は物持ちがいいほうで、身の回りの物をなくしたことはほとんどありません。ですから、認証用のUSBドングルをなくすことはほぼないだろう、と楽観的に考えています。
注文した動画編集ソフトと無料で付属する編集キーボードは、注文した翌々日の金曜日の昼頃に届きました。
画像に編集キーボードのDaVinci Resolve Speed Editorが写っていますが、その下にあるもののうち右側が認証用のUSBドングルです。左はSDカードで、この中に有料編集ソフトDaVinci Resolve Studioのインストールファイルが収められています。
無償版のDaVici Resolveは、昨年の11月頃(?)、バージョンが17になり、そのタイミングで目玉の機能である「カット編集」が追加されています。
そして、その機能に対応するのが編集キーボードのSpeed Editorになります。
早速、有償版をインストールしようすると、すでにインストールしてあった無償版のDaVinci Resolve 17をアンインストールするよう英語で注意書きが現れました。
有料版と無償版を並行して使うことは許されていないようです。
指示されたとおり、無償版をアンインストールし、再度有償版をインストールすることになったわけですが、SDカードに収められた有料版はバージョンが17の前の16です。
ということは、せっかく編集キーボードのSpeed Editorがついてきても、使えるのだろうかといささかの不安を覚えました。
それでも、とインストールを済ませました。そのあと、私がすぐに有償版のDaVinci Resolve Studioを起動させ、専用のキーボードを使い始めるまで、小一日かかってしまいました。
はじめの「ハードル」は、Speed EditorをPCに接続するUSBケーブルを持っていなかったことです。
Blackmagic Designは欧米の企業らしく、日本とは違い、事細かに書かれた説明書は同梱していません。
ついでまでに、私は同社を米国の企業だろうと勝手にイメージしていました。これはわたしの勘違いです。その気になって同社について確認すると、オーストラリアのメルボルンに本社を置く企業なのでした。
それはそれとして、私が手に入れた編集キーボードには、PCドングルと編集ソフトをインストールするためのSDカードが入っているだけで、日本のメーカーであれば必ず付属されている、懇切丁寧な説明書のたぐいはついていません。
ですから、どのように接続するかもわからず、接続するためのケーブルも使いたい人が用意して、というスタンスです。
キーボードのUSB端子は“Type-C”です。
私が自分で使うカメラなどをPCに接続するときに使うのはmicro USBで、片方がType-Cのケーブルは手元にありません。そこで、早速、Type-c-Type -Aケーブルを一本注文することになりました。
それが届いたのが昨日の午前ですが、それを使ってSpeed EditorをPCに繋ぐ前に解決しなければならないことがありました。
それは、動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioがうまくインストールできずにあったことです。
指示に従い、無償版のDaVinci Resolve 17をアンインストールしたのちに有料版のインストールしましたが、ソフトを立ち上げようとすると、最初に表示されるプロジェクトにアクセスするための画面で「データベースに互換性がありません」と注意書きが表示され、デフォルトのLocal Databaseへアクセスできない状態です。
表示される注意書きを見ると、今のままでは、ソフトのアップグレードもできないようです。その解決のため、前日の夕方と、翌日の朝、頭をひねりました。
その末に思いついたのは、無償版のDaVici Resolve 17をインストールした際、ソフトを入れたCドライブの[ユーザー>〇〇○>AppData>Roaming>Blackmagic Design]というフォルダです。
これが残ったままであることが障害となっているのでは? と見当をつけ、試しにそのフォルダを削除してみました。
無償版のソフトをアンインストールしただけでは、このフォルダは残ったままになります。
無償版をアンインストールした上で、Blackmagic Designというフォルダを削除し、改めて有償版のDaVinci Resolve Studio 16のインストールをすると、その前にインストールしたときとは違い、途中で設定画面が表示されるなどしました。
これで、晴れて、有償版を正しくインストールできたことを実感しました。
ここまでで昨日の昼頃となりました。
正式にインストールが終わった直後、有償版16にアップデートがあるということで、続けてインストールをし、16.2か16.3(だったかな?)のバージョンとなりました。
それを済ませたあと、ようやくにして、Speed EditorをPCに接続し、編集ソフトを起動させました。
ところが、ここでまた問題に直面しました。
Speed Editorが無反応のままだったからです。編集キーボードの目玉といえそうなサーチダイヤルを指で回してみますが、空回りするだけで、編集画面には何の影響も見られません。
各種ボタンを押しても、無反応です。
ランプが灯るようになっているボタンがありますが、ランプは消えたままで、灯る気配もありません。
少々焦りだし、ネットでそれらしき症状を経験した人はいないか、検索してみました。
まさか、届いたばかりのSpeed Editorが故障ということもないでしょう。
既に書いたように、詳しい説明書のたぐいはなく、キーボードにはスイッチらしきものもついていません。
その事態を解消し、使い出せるようになるまで、1時間程度時間を要したでしょうか。
解決のヒントを教えてくれたのは次のページです。
すがるような気持ちでこのページに目を通し、下のほうに書かれる「現状での課題点は」に目を通し、その瞬間に、解決できることを確信しました。
そこには、「Speed EditorはDaVinci Resolve17で使える製品なので、以前の16以下では使えません」と書かれています。
そうでした。私がその時点までインストールしてあったのは、有償版のDaVinci Resolve Studio 16.2か16.3で、17ではありません。未だ、有償版は17になっていないのです。それだから、Speed Editorを接続しても、無反応なのでした。
それに気がついてすぐ、私はBlackmagic Designのサイトを訪れ、サポートセンターのページで、DaVinci Resolve Studioのダウンロード情報を確認し、「17.0パブリックベータ9」をダウンロードし、インストールしました。
正式版の17が発表されるまで、Speed Editorを使わずに待っているわけにはいきません。
同社のダウンロード情報で確認すると、Mac OS Xの方がバージョンアップが進んでいるようで、こちらには「17.1パブリックベータ9」が提供されています。
近いうちに、Windows用のベータ版も提供されるようになるでしょう。
バージョンを17にアップデートしたあとにSpeed Editorをつなぐと、キーボードは速やかに反応し、サーチダイヤルを回せば動画ファイルは再生し、各種ボタンを押せば、押したボタンの機能に反応するようになりました。
まさに、DaVinci Resolve Stuio 17以降に対応する編集キーボードで、このソフトを起動している間だけ使える仕組みとなっています。
というわけで、前日の午後にやっと使えるようになったばかりです。
しばらく使ってみて、感想があれば、本コーナーで取り上げることにします。