私は、あることを始めると、長く続ける傾向があります。
本サイトは、1999年10月17日に始め、今に続いています。この先も、体の自由が利いて頭がボケない限りは続けるつもりです。
2011年3月末に放送を終えたNHK FMのリクエスト番組「サンセットパーク」も、「夕べのひととき」(東京発は「夕べの広場」)時代の1983年4月から聴き始め、番組宛のリクエストをすることを続けました。
番組がまだ続いていたら、同じように番組を聴き、リクエストをしていたでしょう。
最近始めたことでは、早朝に自転車で自宅周辺を30分ほど走ることです。きっかけは、濃い霧が発生したことです。それが幻想的に見えたので、自転車でその中を走ってみたくなったのでした。
自転車の早朝散歩も習慣になり、雨が降ったり、強い風が吹かない限りは日課のひとつとなりました。
ごく最近始まった習慣としては、午後5時半から30分ほど、音楽を聴く習慣です。
私は普通の人より3時間ほど前倒しで生活しています。起きる時刻は午前3時頃、正確には午前2時半頃です。そして、眠るのは午後6時頃です。
ということで、毎日、眠る前の30分ほどに音楽を聴く時間をあてています。
そのときに私が利用する機器は、アップルのデジタルオーディオプレーヤー、iPod classicです。今はネットを介してデジタル配信で音楽を聴く人が多いでしょうから、iPod classicを知らない人もいるかもしれません。

私はこのiPodに、自分が所有するCDや、デジタル化したアナログレコードの曲を13000曲ほど登録してあります。
私はオーディオセットも持っていますが、今はもっぱらiPodにイヤホンをつけて聴くことをしています。イヤホンから聴こえてくる音楽が素晴らしく感じられるからです。
そのイヤホンは今年の1月に偶然手に入れたものです。そのとき、私はストップモーション・アニメーションに興味を持ち、それを撮影する際、イヤホンについているスイッチで、コマ撮りに使おうと考え、安価なイヤホンをそのためだけに買いました。
7百数十円のイヤホンで、それで音楽を聴くことは想定していませんでした。そのイヤホンが、購入目的の役目を果たさず、しばらくは忘れられた存在でした。
そのイヤホンを念のために、本来の目的で使ってみると、非常に良い音に聴こえたため、驚きました。もっとも、より高級なイヤホンやヘッドホンと比較したわけではなく、あくまでも、私が感じたレベルでの「良い音」です。
ここ一週間ほどは、そのiPodとイヤホンで、レス・バクスター(1922~1996)の“The EXotic Moods Of Les Baxter”という二枚組のアルバムを聴くことが習慣になっています。
頭から順に聴き、一枚目が終わると二枚目を頭から聴くといった聴き方です。二枚目が終わると、また一枚目を聴くというように、エンドレスな聴き方をしています。
私は購入したものに日付を記す習慣があります。本アルバムは、1996年12月4日に購入しています。
バクスターについて書かれたネットの事典ウィキペディアを確認すると、「エキゾチカ」という音楽ジャンルを代表する作曲家のひとりのようです。
欧米人がイメージするエキゾチックな雰囲気を持つムード音楽といったところでしょう。
1960年代から1970年代にかけては、いわゆるB級映画の音楽を手掛けたりしたようです。
上に埋め込んだ動画で流れている音楽は、エドガー・アラン・ポー(1809~1849)の『アッシャー家の崩壊』(1839)を脚色した映画『アッシャー家の惨劇』(1960)にバクスターが音楽をつけたものです。
私は初めてこの音楽を聴きましたが、冒頭部分を聴いていて、あるクラシック音楽を思い出しました。
ヤナーチェク(1854~1928)の『シンフォニエッタ』(1926)です。この曲は、村上春樹(1949~)の長編小説、『1Q84』(2009・2010)で象徴的に使われているので、知る人ぞ知る音楽です。
どちらもいい意味で土俗的で、私が好む音楽の傾向です。私は昔から、民族音楽やワールドミュージック、いわゆる第三世界的な響きを持つ音楽が好きで、そのような音楽が収められたCDをそれなりに買い求めてきたつもりです。
ともあれ、理屈抜きで、夕方の時間、イヤホンから流れて来るバクスターのエキゾチカを聴いていると、何ともいえないいい気分になります。南方にある原生林を流れる川を、カヌーで下っているような感覚です。
バクスターが音楽を担当した『アッシャー家の惨劇』の原作であるポーの『アッシャー家の崩壊』はまだ読んだことがないと思います。近いうちに読んでみましょう。
音楽鑑賞と読書は、好きな時間に、自分ひとりで、描かれている世界に浸れる行為です。他者から離れたひとりの時間を大切にしましょう。