ジョン・バリーの映画音楽で良い心地

昨日の午後、村上春樹1949~)のエッセイ集をしばらく読んで過ごしました。

眼が疲れたので、何か音楽を聴いてみよう、と最近また使い出したAppleデジタルオーディオプレーヤー(DAP)iPod classicを手に取り、イヤホンを耳につけました。

そのときまで、どんな曲を聴くかは決めていません。

このiPod Classicには、私が所有するコンパクトディスク(CD)とアナログレコードの曲をデジタルしたものを中心に、2000年に亡くなった姉が所有していたCDとアナログレコードの曲と併せて収録してあります。

現在のところ、iPod classicに収録されているのは【13109曲】です。

私はアルバム単位で聴きたい曲を選ぶことがほとんどです。昨日の午後も、アルバムジャケットをCover Flowで表示させ、適当なものを選び、再生を始めました。

そのアルバムの曲が、昨日の午後の私には、とても心地よく聴けました。それは、ある英国映画のサウンドトラック盤です。

iPod classicのCover Flowで映画『ナック』のサウンドラック版を表示

その映画は、一般的にはあまり知られていないかもしれません。私自身、もしかして、NHK BSプレミアムで放送で放送されていれば、録画して見たかもしれませんが、見たという確かな記憶がありません。

職人的な映画監督だというリチャード・レスター1932~)の『ナック』1965)という作品です。

iPod classicで映画『ナック』のサウンドラック版を表示

レスター監督のことをよく知らなかったので、ネットの事典ウィキペディアで確認すると、ピーター・セラーズ19251980)らと制作した『とんだりはねたりとまったり』1959)という短編があるそうです。

これも、見たことがないのでどんな作品かわかりませんが、邦題を見る限り、しっちゃかめっちゃかな作品(?)かもしれません。

Running & Jumping & Standing / Richard Lester

それを、人気が沸騰していたビートルズのメンバーの誰かが見て気に入り、レスターに自分たちの映画の監督を頼み、『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』1964)という作品になったそうです。

A Hard Day’s Night – All Music Scenes. FULL HD. 1080p

そういえば、今読んでいる村上春樹のエッセイで、ビートルズの音楽について書き、彼らの音楽を絶賛しています。その感覚は、同時代に、出会わなければ決してわからないものでしょう。

この作品の原題は”A Hard Day’s Night”。邦題をつけたのは、日本で買いつけた会社の誰かでしょうけれど、もっとマシな題は思いつかなかったのでしょうか。

ともあれ、そのレスターが監督したのが『ナック』という作品です。

ネットの事典ウィキペディアで確認しましたが、青春コメディらしいことがわかっただけで、内容は今ひとつ掴めませんね。

原題の”The Knack”をそのまま、Google翻訳にかけると、「コツ」と訳されました。

小学校の冴えない男性教師が、田舎から上京してきた女の子に恋心を抱いたりするようですが、教師と小学生の女の子では、恋に発展させるのが難しいような気がしないでもありません。

そのための、何か「コツ」のようなものが描かれている(?)のでしょうか。

一度更新を終えたあとで、自分の早とちりに気がつきました。

田舎から上京した女の子というのは、自分が教える小学校の女生徒であるはずはないですね。田舎からやって来た十代ぐらいの女の子との恋心が描かれているのでしょう。

いくら何でも、小学校の男性教師が、自分の教え子と恋に落ちる話は、描きようがないですし、描いたら問題になってしまいますから。

失礼しました。

NHK BSプレミアムで放送で放送されるようなことがあれば、録画して、内容を確認してみることにします。

私は、映画の内容とは別に、音楽に心地よさを感じたのでした。

作曲はジョン・バリー19332011)ですね。ジョン・バリーといえば、「007/ジェームズ・ボンド」シリーズの作曲が何といっても知られています。

のちに映画の邦題が『007/ロシアより愛をこめて』に変更された『004/危機一髪』1963)のテーマ音楽、『ロシアより愛をこめて』も一度は耳にしたことがあるでしょう。

Matt Monro – ‘From Russia With Love’ (with lyrics)

どんな作曲家であっても、その作曲家が作る曲は、どの曲であっても、似たようなテイストが感じられます。バリーの場合は、どの曲も華やかな印象があります。

そのバリー作曲による『ナック』の曲が詰まったアルバムも、聴いていると良い心持になります。

旋律自体はそういくつもあるわけではなく、少ない旋律が、様々なアレンジで演奏されています。

John Barry – “Ecstasy” (The Knack… And How To Get It, 1965)
The Knack… and How to Get It – Soundtrack – Vocal Version
John Barry – The Knack

バリーが作曲で関った作品の中に『桃色株式会社』(1962)というのがあります。この邦題を見て、もしかしたら、映画館で見たことがるかも、と思いました。

しかし、私の勘違いでした。私が見たのは『桃色画報』という作品で、まったく関係がありませんでした。見たのは、昔に東京の東銀座(東銀座駅)にあった銀座シネパトスという映画館です。

シネパトス ~銀座三原橋地下街~

女優の和泉雅子1947~)が生まれ育ったのは、この映画館がある辺りだったのではないか(?)と思います。育った頃に、この映画館があったかどうかは知りませんが。

和泉は、数寄屋橋の近くにある泰明小学校へ通った、と以前見たテレビの番組で話したのを憶えている。

ちょうどその頃、東京タワーが建設され、学校の屋上から、タワーが日ごとに高くなっていく様子が見えたそうです。

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