Logでの撮影に再び興味がわく

今は誰もが動画を撮れる時代です。スマートフォン(スマホ)でも綺麗な動画が撮れるといわれています。私はスマホは使わないので、ネットに上がっている情報を信じるだけですが。

PCやスマホ、ネットが使われる以前、個人で動画を撮っている人は今よりもずっと限られたでしょう。民生用のビデオカメラが登場する以前は、ごく一部の人が動画を自分で撮って楽しんでいただろうと思います。

私は昔から映像が好きで、ビデオカメラが登場する以前は、当時に普通の個人が唯一扱えた8ミリ映画用のカメラで撮影し、スクリーンに上映して楽しんでいました。

本日の豆知識
8ミリ映画は、撮影にポジフィルムを使います。撮り終えたフィルムは現像に出され、それがそのまま、映写フィルムになります。

私の場合は道楽でしたことですから、それで作品を作ったことはありません。

冒頭で書きましたように、今は、撮ろうと思えば誰もが動画を撮れる環境です。撮れるだけでなく、昔は素人の動画を他人に見てもらう機会は極めて限られました。

それが今は、YouTubeのようなネットの動画共有サイトを利用することで、理論的には、世界中の人に見てもらうことも可能です。

このように、個人の動画環境が大きく変わりました。しかしそんな環境であっても、Log(ログ)やRAWで撮影する人は、一般的ではない(?)かもしれません。

私は趣味でするスチル写真は、すべてRAWで撮影しています。撮影記録が生データで記録できるのがRAWで撮影する利点です。私の場合、撮ったあとに変更することがあるとすれば、明度を変更(多くの場合アンダー気味にします)するだけで、色相彩度は、どうしても必要の場合(このような場合は、私の場合、ごく稀です)以外は変更しません。

今はレンズの絞りシャッター速度ISO感度色温度をすべて手動で撮影しています。ですので、撮ったままで、何も変更しないことが多くなりました。手動の色温度が多少ずれたときに修正することはあります。

ともあれ、フィルムの時代にネガフィルムで撮影する感覚が、デジタルカメラのRAW撮影といえましょう。

同じようなRAWによる動画の撮影が、個人用のカメラであっても、Blackmagic Designなど一部のカメラでできます。私もBlackmagic RAWには今も興味を持ちますが、カメラを手に入れるまでには至っていません。

似たような規格(?)にLogがあります。詳しい仕組みを私は知りませんが、撮って出しの映像に比べ、撮影のあとにRAWに近いことができると聞きます。

私はミラーレス一眼カメラを使っていましたが、そのカメラでもLogの撮影ができることに気がついたのは昨年の3月です。当時、私はソニーα7 IIを使っていました。

自分のカメラでLogの撮影ができるとわかったことでLogへの関心が強まり、自分で実際に試行錯誤しました。YouTubeには、Logで撮影した動画を、Blackmagic Designの動画編集ソフト、DaVinci Resolveを使い、色味を調整する方法を解説した動画があります。

それらを見て、自分なりにやってみたりしました。しかし、ノードを数多く作るなどして手数ばかりがかかり、結局は、撮って出しの映像に近づけるのであれば、はじめから望ましい色味に近づけて撮影した方が手っ取り早い、と昨年の4月に、Logが撮影できるソニーのα7 IIを手放し、撮って出しの撮影しかできない、キヤノンのEOS RPに乗り換えました。

ソニーに移るまではキヤノンのEOS 5Dを使っていましたので、キヤノンに戻ったといえます。

そして今また、ソニーのα7に戻る予定です。Logで撮影したい気分が急に高まったからです。数日のうちに、α7 IIを手に入れることになると思います。

このカメラは、EOS RPに換えるまで使っていたモデルで、今はもう生産が終了しています。ですので、それを使うのであれば中古カメラを手に入れるしかありません。

SONY α7 IIに富士フイルムのND-0.9を装着したところ

もっと最新式のカメラが使えればいいですが、予算の関係で、このカメラに決めました。

本日の豆好み
今はアングルを広く変えられるバリアングルが一般的ですが、個人的にはあまり好きではないです。視点が左にずれてしまうからです。その点、α7 IIはチルト可動式液晶がついています。これであれば、レンズからの視点そのままに使えるのがいいです。

α7シリーズにこだわったのは、そのシリーズのマウントで使える10倍ズームレンズが手元にあることもあります。

このレンズも、EOS RPに乗り換える時に下取りしてもらうつもりでした。ところが、査定してもらう数日前、レンズに貼られたシリアルナンバーが印刷されたシールの端がはがれかかり、それが指にあたるなどして煩わしいため、はがしてしまいました。

そのシリアルナンバーのシールが貼られていない商品は、下取りしてもらえないことをあとになって知りました。それで、半分は仕方なく、手元に残したのです。

このレンズがなければ、8ミリ映画の時代に使っていた富士フイルムに変更したかもしれません。ただ、その場合は、35ミリフルサイズではなく、APS-Cサイズになりますが。

Logに再び関心を持つきっかけは、このところ矢継ぎ早にlogに関する動画を、桜風涼(はるかぜ・すずし)氏(1965~)が上げられていることです。

そのどれもが、Logに否定的なものです。下に埋め込んだ動画もそんな一本です。

【 #FX30 クリエイティブルックが美しい】 Log撮影が生まれるまでの歴史を面白おかしく解説しつつ、憎きLogなど糞食らえ! の解説です。

どこまで本気かわかりませんが、タイトルにある「憎きLogなど糞食らえ!」は、強烈な意思表示ですね。

桜風氏の動画を見て、素人の自分ですが、Logを試してみて、確かに扱いが難しかったことを思い出しました。

桜風氏の動画に刺激を受け、α7 IIで撮ったlog動画をDaVinci Resolve Studioにかけ、色調整をしてみました。Logで撮影したことがない人が、撮影したLogの動画を初めて見ると、通常の動画と見え方が大きく違い、驚かれると思います。

Log画像

全体に、靄(もや)がかかったような色合いで、コントラストが劣ります。これを、DaVinciで調整し、撮って出しよりも美し、と自分で思えるものにできれば、Logの利用価値が自分にはありそうなことが確認できます。

久しぶりにLogの動画に触れた私は、YouTubeなどに上がっているやり方を全部無視し、自己流でやってみました。すると、それほどの苦もなく、結構綺麗な映像(← 自己評価です)にすることができたのです。

Logからカラコレした画像

私は、ルックアップテーブル(LUT〔ラット〕)は使わない主義(?)です。自分で色補正や色作りをしたいのがLogを使いたい理由だからです。LUTに頼ってしまったのでは、撮って出しの映像を補正するのと変わりないように感じます。

LUTを使うのであれば、自分なりのカラーコレクション(カラコレ)が終わったあとに、別のノードを作ってLUTを当てればいいでしょう。

しかし、それであっても、有り合わせの服を着せたようなもので、LUTにはあまり意味を感じません。

カラコレの段階では、私は色味を大きく変えることになる色相、色温度、ティントは、必要がない限り変更しないで、カメラが記録した状態を維持することにしています。

カラコレを済ませたあとは、どれだけ自分の色を出せるかが、DaVinciを使ってカラーグレーディング(カラグレ)する醍醐味といえましょう。私はまだ、カラグレは本格的にしていませんが。

YouTubeでのカラコレやカラグレの解説では、それぞれの段階でノードを追加し、それぞれをそれに当てるように話しています。

私の場合は自己流ですので、ノードを追加することはしません。初めから終わりまで、ひとつのノードで済ませています。カラグレをするのであれば、そのときは新しいノードを追加します。

また、桜風氏はトーンカーブがお好き(?)なようですが、私はトーンカーブでは調整をしません。

調整をするときは、スコープには「パレード」を表示させ、黒潰れと白飛びが起きないようにしつつ、できるだけレンジを広く採るようにしながら作業をします。

DaVinci Resolve Studio スコープ「パレード」の変化
(本ページに埋め込んだ動画で表示される実際の「パレード」変化です。Logとカラコレ後で、「光の三原色(赤・緑・青)」の幅が縦に広がるのが見てわかってもらえると思います)

もちろん、私は趣味でやっていることで、自分の動画をどこかに納品することもないです。ですので、プロの目で見れば足りないところばかりでしょうが、私はLog動画の色編集に面白みと可能性を感じました。

Log動画を自己流カラコレした例

それで、再びLogの撮影がしたくなり、Log撮影ができるカメラとしては、おそらくもっとも安いであろうα7 IIを手にれようと考えたのです。

桜風氏はプロの現場でのLog撮影ということで話されていますが、個人が趣味で愉しむのであれば、Logによる撮影とカラコレやカラグレは、それはそれで、楽しみが広がり、一概に否定はできない、との結論に達しました。

ミラーレス一眼にしろ、ビデオカメラにしろ、撮って出しの映像に魅力を感じたことがありません。

α7 IIが手元に届いたら、Logの撮影と編集で、楽しみながら苦労して見ることにします。

新カラースペースS-Gamut3.Cineおよび、LogカーブS-Log3撮影素材に対するカラリストのインプレッション

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