先月、私はBlackmagic Designの動画編集ソフトに興味を持ったことで、一週間後には同社の編集ソフトDaVinci Resolve Studioを使うようになりました。
その後、関心は動画の撮影へも向かい、動画をRAWで撮影することに強い関心を持ちつつ、それをすぐに実現できる環境を持たない私は、Logで動画を撮れるように、といろいろ動いています。
その過程で、私の認識が間違っていたことを今朝になってようやく気づきましたので、訂正する意味でこの投稿を書きます。
私は、SONYの一眼カメラα7 IIを5年ほど前から使っています。それ以前の1、2年、α7を使い、これを買い取ってもらってα7 IIに変更しています。
というわけで、6、7年同じシリーズのカメラを使っていますが、そのカメラに搭載されている機能を理解できていなかったことに遅ればせながら気がつきました。
直近の話でいえば、α7 IIに搭載されているXAVC Sを、私はSONYの動画用S-Logだと勘違いしていたのが間違いの素です。XAVC SとS-Logはまったく別のものです。
私はこれまで、α7およびα7 IIで動画を撮るときは、AVCHDを選んでいました。XAVC Sというのがあるのは知っていましたが、私がこれまで使ったSDカードでは、それを撮影できるだけの能力がないため、その撮影モードは選べませんでした。
今年の2月までS-Logのことも知らなかったほどですから、XAVC Sが何かも知らず、それで撮ることも考えなかったのです。
それが、すでに書きましたように、今年の2月になってBlackmagic Designの動画編集ソフトDaVince Resolve Studioを使い始め、そのソフトで色の編集ができることを知り、RAWで動画を撮影することや、Logによる動画の撮影に関心が向かうことになりました。
その過程で、自分独りで誤った認識を持ち、α7 IIでS-Logの撮影をするのなら、今まで使ったことのないXAVC Sとやらを選ぶ必要があるのだろうと考え、それで撮影できるSDカードを一昨日購入し、実際に使い始め、その様子を本コーナーで書きました。
自分の間違いに気づいた今になってみれば、そこで書いていることは間違いの羅列に過ぎません。Logについてよく知る人がそれを読めば、「何を書いているのだ?」となってしまいます。
自分の間違いに気づいたきっかけは、今朝、次の動画をネットの動画共有サイトYouTubeで見たことです。もしもそれを見なかったら、未だに自分の間違いに気づけていないことになります。
「HuckleTV / ハックルテレビ」さんのチャンネルは、私がアナモルフィックレンズに興味を持ったときに知り、おそらくは、3、4年前にはお気に入りのチャンネルとして登録してあるはずです。
私は86のチャンネルを登録していますが、「ハックルテレビ」は最古参のひとつです。
最古参の登録チャンネルは次のチャンネルです。
アナモルフィックレンズに関する動画は次のもので、本サイトでもこの動画は紹介しました。しかし、2016年2月途中から、2019年7月途中までの投稿は、独自ドメイン(indy-muti.com)に変更する過程でしくじり、消してしまいましたので、今は確認することができません。
私はずっと、アナモルフィックレンズを「アナモフィックレンズ」と覚えてしまっていました。私が昔、8ミリ映画を楽しんでいた頃、劇場映画のような横長の映像を撮りたいと思い、どうすればそれが実現できるか調べました。
当時は今のようにネットがありませんので、調べるといっても、専門雑誌の記事や、それに載っている広告を手がかりとしたりしました。
その結果、アナモルフィックレンズというものを使えば実現できそうなことがわかりました。そこで、そのレンズを使い、横長の映像をスクリーンに映し、ひとり、心を楽しませたりしました。
アナモルフィックレンズについて知らない人に簡単な説明をしておきましょう。
このレンズは、撮影と映写の両方で使いますが、使い方は逆になります。
8ミリ映画の画面は、昔のテレビ映像と同じで、縦横のアスペクト比が【4:3(1.33:1)】です。小津安二郎監督(1903~1963)の作品は、おそらくはすべてがこの比率で作られたものだと思います。
この画面比率が変わらないものを横長の映像に変えるには、撮影時に、アナモルフィックレンズをカメラのレンズの前に固定し、横幅を縦長に圧縮します。
そのように撮影した映像を、アナモルフィックレンズを使わずに映写しますと、写っているものがすべて縦長になります。人間の顔も、縦に細く写ります。
このように映像が定着したフィルムを映写機にかけ、映写レンズの前にまたアナモルフィックレンズを固定します。
今度は、撮影の時とは逆に、映像を横に引き伸ばすように設定します。こうすることで、縦の映像の圧縮が取れ、写っているもが正常の幅に見え、映写される映像そのものの幅がワイドスクリーンになるという仕掛けです。
何かのきっかけで、昔、自分が8ミリ映画でアナモルリックレンズを使ったことを思い出し、YouTubeで関連の動画を見つけ、その過程でハックルテレビというチャンネルを知ることになりました。
同チャンネルは、数年前から更新されておらず、最近は見ることがなくなっていました。それが、今また、動画への関心が強まったことで、ここへ来て、また同チャンネルの動画を見返すことが増えています。
長いですが、ここまでが前置きの話です。ここからが、今回の本題です。
今朝見たハックルテレビチャンネルの動画が、SONYのS-Logについて話しているようなので、私はおそらく初めてこの動画を見ました。
見始めてすぐ、もしかしたら自分の認識に誤りがありそうなことに気がつきました。
私も使うα7 IIに「ピクチャープロファイル」の設定ができる項目がありますが、私はこれまで、その設定を意識したことがなく、自分でその項目を開いて確認したことはありません。
動画でその説明をしていたため、早速、自分のカメラで確認しました。それで、今更ながらに驚きました。
私が使うα7 IIのピクチャープロファイルは、PP1からPP7まであります。私はα7およびα7 IIを使ってきた6、7年、この項目は切ったままの状態でした。
私はPP1から順に、設定項目を見て行きました。注目したのは、「ガンマ」(ガンマ値)の項目です。それぞれのプロファイルのガンマは次のようにあります。
- PP1 Movie
- PP2 Still
- PP3 ITU709
- PP4 ITU709
- PP5 Cine1
- PP6 Cine2
そして問題のPP7には次のようにあったのでした。
S-Log2
知らないというのは恐ろしいものです。この項目の設定で昔から、私のカメラでS-Logの動画撮影ができたのでした。しかも、わざわざSDカードを買い替えてXAVC Sで撮影できるようにしたにも拘らず、S-Logの撮影は、AVCHDでもMP4でもできたのでした。
私は何をやっているのだ? ですね。
S-Log設定にしてカメラのファインダーを覗くと、Blackmagic DesignのPocket Cine Cameraで撮影したRAW動画と同じ、色合いや輝度が極めて少ない、ぼんやりした様子が確認できました。
そうと知らずに、新しいSDカードを手に入れ、XAVC SでS-Logが撮影できると独り合点していた私は、XAVC Sで撮影したものの、撮った動画は、普通の動画とそれほど違わないように見える、と前回の投稿に書く恥を晒しています。
違わないはずです。S-Logで撮影したわけではなかったからです。
それでも、動画編集ソフトを使い、色を操ると、それまでには考えられないほど、色彩や輝度の幅が広く感じた感覚だけは、私の勘違いではなかったことになりそうです。
私がそう感じた部分こそが、SONYのXAVC Sというフォーマットが持つ強みということになりましょう。
以上、長々と書きました。
私が使うつもりなら、α7シリーズのカメラを使い出した6、7年前から、いつでもS-Logで動画の撮影をできたものを、今まで知らずに過ごしてきました。
その分、カメラが持つ威力を引き出せていなかったことになります。
しかし、ま、今朝、自分の間違いに気がつくことができなかったら、誤った認識でS-Logとはまったく違うXAVC SをS-Logと信じ、そのことについて本コーナーで書くことがあれば、誤った認識をそのたびに世間に晒すことにならざるを得ません。
というわけで、遅ればせながらであっても、誤りに気づけたことに感謝しなければなりません。