日本文学の伝統を避ける(?)村上春樹の短編作品

村上春樹の短編集『女のいない男たち』2014)を、Amazonの電子書籍版で読んでいます。全部で6作品が収録されているうち、前半の3作品を読み終えました。

村上は「まえがき」というものに否定的な考えを持つそうですが、本短編集には、「(本短編集の)成立の過程に関していくらか説明を加えておいた方がいいような気がする」として、「まえがき」を添えています。

村上にとっては、『東京奇譚集』を出した2005年以来9年ぶりの短編集になります。『東京奇譚集』は、「都市生活者を巡る怪奇譚」がモチーフだそうで、興味を持ちましたので、機会があれば読んでみたいです。

本短編集は、最後に収録されています表題の『女のいない男たち』をモチーフとしていますが、1作目の『ドライブ・マイ・カー』を書き終えたとき、モチーフの言葉が頭に引っかかり、“連作”を書けそうに考えたようです。

灰神楽と新コロの悪巧み

江戸川乱歩の短編『灰神楽』を、Amazonの電子書籍で読みました。

題名の灰神楽ですが、今はを入れる火鉢というものも日常で目にすることがなく、熱湯が入った鉄瓶と火鉢といった図柄も縁遠い生活となり、馴染がなくなりました。

それらが日常にあった時代に書かれた作品です。乱歩がこの短編を『大衆文芸』3月号に発表したのは、1926年です。

本作は趣向が変っており、殺人事件が起きた直後から話が始まります。ですから、被害者と犯人が冒頭から登場し、読者が犯人を推理する楽しみは用意されていません。

犯行が行われた場所は、田園地帯に建つ一軒家の二階です。そこは奥村一郎という男の家で、犯人となった庄太郎が、拳銃で一郎の額の真ん中を打ち抜き、命を奪ったのでした。

「4分」は「よんぷん」?「よんふん」?

ほかの人がどの程度気にしているのか、それともまったく気にならないのか知りませんが、私はあることが気になります。これは前からですが、今回初めてここに書きます。

それは時間の数え方です。

この気になることが必ずあるのは、毎週日曜日の午前10時30分から午後0時の間です。この時間帯には、対局がある限り、「NHK杯テレビ将棋トーナメント」が放送され、私は可能な限り見る習慣です。

☆「写真AC」の素材を使用しています

放送時間は1時間30分ですが、始まりの時間には、挨拶やトーナメント、対局者の紹介とインタビュー、解説者の挨拶などがあります。締めくくりの時間には、次回に対局の予定があれば、そのアナウンスがあります。

ですから、対局にあてる時間は1時間25分程度になりましょうか。

自画像に加筆して心楽しい秋

10月になり、関東も秋本来の陽気となりました。秋になれば「〇〇の秋」が何でもござれです。

私には「芸術の秋」「美術の秋」が訪れました。芸術や美術というほど大層な物ではありませんが、ここへ来て、絵画制作が順調すぎるほど順調に感じます。

今日の朝も、自分の顔を描く自画像に加筆しました。描き始めて4回目の筆入れで、加筆としては3回目になります。前回の加筆で、何か“開眼”したように感じ、ハイな気分のまま本コーナーの更新をしています。

ハイな気分はセザンヌ

これを書き始めた今の時刻は午前8時53分。まだ9時前ですが、ひと仕事を終えた気分です。

朝の時間に、1時間ほど絵を描きました。これが予想外にうまくいった感じを持ち、気分がとても良いです。手を加え過ぎると今ある感じが崩れてしまいそうで、今日はこれ以上手を入れないでおきます。

使っている絵具は油絵具で、今回は木枠に張ったカンヴァスではなく、手元にあったボールドキャンバスに絵具をつけています。日本の画材メーカー、ホルベイン工業の製品で、大きさはF3(27.3×22.0センチ)です。

昔のヨーロッパの画家がカンヴァスに描くようになる前は、板に描いています。私が今使っているホルベイン製支持体は、厚紙に目の細かいカンヴァスを張り付けたものです。

木枠に張ったカンヴァスと違い、筆で色をつけていてもカンヴァスがしならず、板にでも描いている気分が味わえます。