スーツの「私」と見知らぬ女

前回は、Amazonの電子書籍Kindle本ストアの8周年記念で、該当するKindle本に50%のポイントが付与される機会を利用し、村上春樹の最新短編集『一人称単数』から、『謝肉祭(Carnaval)』を主に取り上げて書きました。

今回は、本短編集の表題作『一人称単数』を自分なりの考えで取り上げます。全部で7篇の短編が収められていますが、『一人称単数』だけが書下ろしで、他は文藝春秋の純文学を中心とする月刊誌『文學界』で発表した作品になるそうです。

ネットが普及した現代、何かを表現する人は、何かしらの圧迫を感じているでしょう。創作活動の合間には私人としてネットを利用することもあり、見ようとしないでも、自分に対する評価をネットで見てしまうことがあるだろうからです。