月: 2020年10月
スーツの「私」と見知らぬ女
前回は、Amazonの電子書籍Kindle本ストアの8周年記念で、該当するKindle本に50%のポイントが付与される機会を利用し、村上春樹の最新短編集『一人称単数』から、『謝肉祭(Carnaval)』を主に取り上げて書きました。
今回は、本短編集の表題作『一人称単数』を自分なりの考えで取り上げます。全部で7篇の短編が収められていますが、『一人称単数』だけが書下ろしで、他は文藝春秋の純文学を中心とする月刊誌『文學界』で発表した作品になるそうです。
ネットが普及した現代、何かを表現する人は、何かしらの圧迫を感じているでしょう。創作活動の合間には私人としてネットを利用することもあり、見ようとしないでも、自分に対する評価をネットで見てしまうことがあるだろうからです。
醜い女と僕の話
陰翳礼賛の勧め
今を生きるほとんどの人は、陰翳が持つ本当の美しさを知らずにいます。
夜になって暗くなれば、部屋の蛍光灯をつけ、昼と変わらないような明るさを求めます。
私だって暗いのは苦手です。昨秋、台風15号の影響で停電が3日と半日続いたとき、夜の来るのを怖く感じました。
その一方で、いつでも明るくできる環境を確保したうえで、あえて光量を落とし、陰翳の美しさを味わってみたいと思うことがあります。
個人的な話になりますが、私は入浴の時間が一般的な人より早いです。他の用事がない限り、風呂に入るのは夕方です。その時間はまだ外が明るいです。しかし、陽の沈むのがだんだん速くなっており、来月末頃に最も速い日没(東京が午後4時28分)となります。
暗くなってから入浴する多くの人は、電気をつけずに風呂に入ることはないでしょうが、今書いたように、外にまだ光がある時間に入る私は、外光だけで入浴します。自然光を愉しみたい気分があるからです。
強がる(?)兄貴と妹と渡辺昇の話
和田博巳が語る音楽とリスニングルーム
傅 信幸氏(オーディオ評論家 )が目指してきたオーディオ
諦めない!4畳半のハイエンド オーディオ
記者と弁護人の話 清張『疑惑』
Amazonの電子書籍版で、松本清張の中編作品『疑惑』を読みました。久しぶりの清張作品になります。
本作は1982年、月刊の娯楽小説誌『オール讀物』2月号に掲載されています。その時の題は『昇る足音』です。この題は、ある場面を象徴しますが、本作の題にはあまり相応しくないように思わないでもありません。
私が付けるとすれば、『スパナと右足の靴』にしますかね。本作を読んだことがある人は、私が提案する題にも満足しないでしょうけれど。
11月5日まで、Amazonは電子書籍の「Kindle本ストア8周年記念」として、対象の電子書籍に50%のポイントを付与するキャンペーンをしています。私はそれに気がつく前に、清張の書籍に50%のポイントのつくものがあることに気がつき、本書を購入しています。
ほかに、同じ理由で、村上春樹の次の2冊も同時に購入しました。