片想いに狂う村上春樹版シェエラザード

前回は、Amazonの電子書籍版で村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録されている6篇のうち、前半の3篇を読み、その感想めいたことを書きました。

その後、村上の短編集はそこで一旦離れ、江戸川乱歩全集の続きである『パノラマ島奇談』『新青年』1926〔大正15、昭和元〕年10月号から1927〔昭和2〕年月号まで、 途中、26年12月号と27年3月号の休載を挟み、5回連載)を読んだりしていました。そしてまた、気分転換を兼ね、昨夜、眠る前に村上の短編集の続きを読みました。

4篇目は『シェエラザード』です。

作品の中途、シェエラザードが何者で、主人公の羽原(はばら)(31)とどんな関係かを次のように書きます。