ルービンシュタインとゼルキンの魅力を村上春樹本に教わる

前回の続きで、村上春樹が季刊誌の『Stereo Sound』(Stereo Sound ONLINE)に連載し、2005年に刊行された音楽評論集『意味がなければスイングはない』について書きます。

前回の投稿で書きましたように、村上の自慢話に付き合わされている気がし、読んでいても良い気分にはなりませんでした。それが、6回目は面白く読めましたので、本コーナーで取り上げることにします。

その回に村上が選んだのはふたりの高名なピアニストです。高名といっても、私は名前を聴いたことがあるかもしれないふたりで、おそらくはその演奏が録音されたレコードやCDは聴いたことがないように思います。

ここで村上が注目したピアニストは、いずれも東欧の恵まれない環境に生まれたユダヤ人で、ピアノの才能を幼い頃に認められ、プロのピアニストとして大成したことが共通します。

音楽通ぶりたがる村上春樹の音楽評論集

このところ、Amazonの電子書籍版で読んでいた江戸川乱歩の全集と村上春樹の短編集『女のいない男たち』を読み終え、今は村上の音楽評論集『意味がなければスイングはない』を読み始めたところです。

本日の豆ノート
乱歩の全集に収録されている作品のうち、子供向けに書かれた作品は、『怪人二十面相』を途中まで読んだだけで、ほかは読まずにとってあります。いつか気が向いたら読むかもしれません。

本作は、春夏秋冬と年4回発行される季刊オーディオ専門誌『Stereo Sound』(Stereo Sound ONLINE)に、2003年春号から2005年夏号まで連載された10の評論をまとめたものです。

全部で10あるうちの今は5番目の途中を読んでいるところです。

各回ひとりの音楽家やミュージシャンを取り上げていますが、2004年夏号だけは、ふたりの作曲家を取り上げていますので、合計では以下の11人になります。

自分に正直な乱歩と覗き眼鏡

Amazonの電子書籍版で、江戸川乱歩村上春樹の短編を交互に読んでいます。

前回の本コーナーでは、村上の短編集から『シェエラザード』を取り上げました。

そのあとまた乱歩に戻り、全集に収められた『湖畔亭事件』を読みました。乱歩が本作を『サンデー毎日』に連載したのは1926(大正15|昭和元)年の1月から5月です。

時代が違っても、発表された作品は作者の気風と共に、同じ遡上に載せることができます。村上の短編のあとに本作を読みますと、今更ながらに、乱歩が自分の偏った性的傾向も隠さずに書いていたことが確認できます。

片想いに狂う村上春樹版シェエラザード

前回は、Amazonの電子書籍版で村上春樹の短編集『女のいない男たち』に収録されている6篇のうち、前半の3篇を読み、その感想めいたことを書きました。

その後、村上の短編集はそこで一旦離れ、江戸川乱歩全集の続きである『パノラマ島奇談』『新青年』1926〔大正15、昭和元〕年10月号から1927〔昭和2〕年月号まで、 途中、26年12月号と27年3月号の休載を挟み、5回連載)を読んだりしていました。そしてまた、気分転換を兼ね、昨夜、眠る前に村上の短編集の続きを読みました。

4篇目は『シェエラザード』です。

作品の中途、シェエラザードが何者で、主人公の羽原(はばら)(31)とどんな関係かを次のように書きます。