小説と映画で楽しむ『砂の器』

今週は、松本清張『砂の器』に接しています。

手始めに、小説の『砂の器』を読みました。過去に読んだような記憶もありますが、細部は憶えていません。そこで、Amazonの電子書籍版で読みました。上・下に2巻で、長編です。

本作は、1960年5月17日から1961年4月20日にかけ、読売新聞の夕刊に連載されたものです。清張が51歳の年に連載を始めたことがわかります。清張はデビューが遅かったため、デビューの10年後ぐらいの作品になります。

これまでに映画やドラマになっていますので、あらすじは知っている人が多いでしょう。ということは、誰が犯人であるかも了解していると思いますので、犯人についても書くことになるかもしれません。

小説は2日ほどで読み終え、昨日は、丹波哲郎が今西刑事を演じた1974年制作の映画『砂の器』を、AmazonのPrime Videoで見ました。私はAmazonの有料会員なので、追加料金なしで対象のビデオを見られます。この作品は、2時間22分の作品でした。

小説と映画の『砂の器』を比較しながら、気がついたことを書いていきましょう。

23年前の織作さんに会えるビデオ

時代の変化を感じないわけにはいきません。

昨日の朝日新聞・読者投稿欄「声」に、ネットの動画投稿サイトYouTubeに熱中するお孫さんについて書いた投稿がありました。

そのお孫さんは、保育園から走るように帰るなり、投稿者の男性のPCの前に座り、1本あたり15分程度に編集されたYouTubeを食い入るように見るのが習慣のようです。

お気に入りは、いわゆる“ゲーム実況”動画です(実況プレイ)。それを披露するYouTuberが神業を次々見せ、そのたびにお孫さんは感嘆の声を上げるのだそうです。

だからといって、投稿の主が、ゲーム実況をするYouTuberを褒めたたえるために投稿したわけではありません。問題視するのは、それらの実況YouTuberにありがちな、語彙の貧困さです。

私はその手の動画は見たことがありませんが、なんとなく想像できなくもありません。

彼らの多くは、実況しながらしゃべり、その口から飛び出すのが「まじで」「やばい」「めっちゃ」「びびった」などばかりだと投稿者は嘆きます。それらに毎日接することで、かわいい我が孫にも悪影響があるのではなかろうか(´・ω・`)? と。

言葉遣いに関しましては、私も投稿者と同じです。ですから、少しは語彙を増やしてもらいたい、と私からもお願いしておきます。

それは別にしまして、それにしても、現代の子供たちは、すでにテレビ番組は眼中になく、ネットの動画に完全に移行しているのを、今更ながらに感じます。

カポーティの『クリスマスの思い出』

昨年の12月、もしかしたらクリスマスの頃、朝日新聞の読者投稿欄「声」に載ったある投稿を思い出します。

保存していませんので、詳しい内容は思い出せません。投稿の主は60歳ぐらいの女性で、地方の町で夫とふたりで暮らしているとあります。子供たちは成長して別のところに住んでいるのでしょう。

夫婦共々家の中で過ごすことが多いらしく、夫は食事が終わると別の部屋へ行き、本を読むなどして過ごすようです。

似たもの夫婦で、妻である女性もひとりでいることが多いようです。いつもと違うことといえば、年に一度行くか行かない旅行ぐらいとありました。

これはこれで、落ち着いた静かな生活といえそうです。女性は年末になり、無性に寂しく感じると書いていました。自分が歳をとってこんな風に感じるようになるとは、若い頃は考えもしなかったと結ばれていました。

ある短編作品に接したことで、こんな投稿があったことを思い出しました。

『ティファニーで朝食を』原作を村上春樹訳で

昨年の大晦日、元日に放送されるオードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』について書きました。

本作は何度も見ていますが、元日にまた付き合いました。それにつけても、ユニオシという日系人の描き方は、何度見ても目について仕方がありません。彼がとにかく醜悪に描かれているからです。

それがため、本作の原作(原題は”Breakfast at Tiffany’s”)(1958)をトルーマン・カポーティがどんな風に書いているか気になり、新年になって初めて読む本として、年初にネット通販最大手のAmazonに注文を入れました。

日本語に翻訳されたAmazonの電子書籍版はまだないようです。

本好きな人ほど紙の本を有り難る傾向があるようです。私にはその手のアレルギーがなく、電子書籍になじんだ今は、本作が電子版になっていないことを残念に思ったほどです。

結果的には、2008年2月25日に新潮社から出た単行本を中古で手に入れました。送料を含めて【300円】ほどで、Amazonポイントが【10】つきますから、290円ほどになります。

ま、こんな細かい話はどうでもいいですねf(^_^)