23年前の織作さんに会えるビデオ

時代の変化を感じないわけにはいきません。

昨日の朝日新聞・読者投稿欄「声」に、ネットの動画投稿サイトYouTubeに熱中するお孫さんについて書いた投稿がありました。

そのお孫さんは、保育園から走るように帰るなり、投稿者の男性のPCの前に座り、1本あたり15分程度に編集されたYouTubeを食い入るように見るのが習慣のようです。

お気に入りは、いわゆる“ゲーム実況”動画です(実況プレイ)。それを披露するYouTuberが神業を次々見せ、そのたびにお孫さんは感嘆の声を上げるのだそうです。

だからといって、投稿の主が、ゲーム実況をするYouTuberを褒めたたえるために投稿したわけではありません。問題視するのは、それらの実況YouTuberにありがちな、語彙の貧困さです。

私はその手の動画は見たことがありませんが、なんとなく想像できなくもありません。

彼らの多くは、実況しながらしゃべり、その口から飛び出すのが「まじで」「やばい」「めっちゃ」「びびった」などばかりだと投稿者は嘆きます。それらに毎日接することで、かわいい我が孫にも悪影響があるのではなかろうか(´・ω・`)? と。

言葉遣いに関しましては、私も投稿者と同じです。ですから、少しは語彙を増やしてもらいたい、と私からもお願いしておきます。

それは別にしまして、それにしても、現代の子供たちは、すでにテレビ番組は眼中になく、ネットの動画に完全に移行しているのを、今更ながらに感じます。

ネットに接続するのがPCだけだった頃は、ネットが普及したといっても、ユーザー層は限られました。それが今は、スマートフォン(スマホ)がいきわたり、これがないと、日常生活も不便になりつつあります。

この方面につきましては、私は完全に遅れているといえましょう。おそらくは少数派になるであろうスマホを持たない人間だからです。

2年前に仮想通貨(暗号資産)を遊び半分で始めたことで、暗号資産交換所のログインに二段階認証をかける必要性が生じ、そのためだけにスマホの契約をしたことがあります。私の場合は、フリーのSIMカードを入れたタブレットPCをスマホ代わりにしました。

ほとんど使わない通信料金を毎月請求されることを不満に感じ、その後、解約し、今はそれも使っていません。二段階認証はタブレットに入れた認証アプリを代わりに使っています。

私のような少数派は別にして、多くの人はスマホを日常的に利用しています。スマホはネットのコンテンツに接続でき、それだから、ネットの利用者があらゆる世代に渡って爆発的に増えました。今年は、通信規格の次世代5Gが登場を控え、通信の高速化が加速します。5Gはやがて6Gになるなどし、それによって得られるネットの情報は、加速度的に増大するでしょう。

このように時代が変わり、若い世代ほど、地上波の放送を家のテレビ受像機の前に座り、番組の放送時間に合わせて見る、という窮屈な放送形態に付き合う不便さに耐えられなくなるのは当然のことといえます。

古い世代に属するであろう私も、テレビを見る時間は極めて少なくなりました。もっとも、私の場合は、ビデオデッキを手に入れた1980年代以降、見たい番組は録画して見る習慣で、なんのあてもなくテレビをつけるような習慣は元々ありませんでしたが。

私は、地上波の放送はほとんど見ることがありません。本サイトの“天気コーナー”「天気の話」を更新する関係上、特別の場合を除きますと、午後6時台にNHK総合の関東ローカルニュース「首都圏ネットワーク」を見るだけです。

本日の豆うっかり
上に挙げたニュースしか見ない、などと書いていますが、将棋番組は見ます。BSですが、映画をよく見ます。バラエティ番組の類いは、昔から見ません。といいながら、昔、コント55号やドリフターズの番組は見ました。こうしてみますと、見ている番組を忘れているものが少なくない、のかもしれません。

そんな私が最近、テレビの受像機をよく利用しています。といっても、今も書きましたように、地上波の番組を見るためではありません。

今、私が楽しみに見ているのは、アナログのビデオテープに録画した昔の番組です。撮り溜めたビデオが、最も多い時で約2000本まで膨らみました。そのあと、テープにカビが生えるなどして、大量に処分し、今は300本程度まで減らし、保存しています。

昨年末に、中古のビデオデッキを手に入れたことは、本コーナーでも取り上げました。

ビデオ鑑賞の環境が改善されたことで、今の私にはちょっとした“ビデオブーム”が起きているのです。空き時間ができると、保存してあるテープから昔の番組を再生させ、楽しんでいます。

昨日の夕方は、NHK教育(NHK教育テレビジョン NHK Eテレ)で放送された趣味講座「織作峰子の写真術」を見ました。この番組が放送されたのは、1997年9月から10月です。

30分の番組で、写真家の織作峰子(おりさく・みねこ)氏を講師に招き、写真の撮影術を教えてもらう構成になっています。私はこの趣味講座を1回目から見ましたが、シリーズの残り4回を録画して残してあります。

私はその最終回が好きで、過去に何度も繰り返して見ています。

その回で、織作氏は新潟県の佐渡へ撮影旅行に行っています。その撮影に持っていった撮影機材が、当時私が使っていたカメラと同じメーカーであったため、親近感を持って見たものです。

旅が始まる前、おそらくは佐渡へ渡る船の中で、織作氏が持参した撮影機材の説明をするところから始まります。帰りに土産を買うなどして荷物がかさむため、なるべく少ない機材で行くことを勧めています。

織作氏はその当時、ヤシカ製のコンタックスを使っています。講座にも何度もそのカメラが登場しました。講座の最終回に選んだのもコンタックスです。

私も写真を本格的に始めたときからコンタックスを使っていたため、織作氏と同じカメラであることに喜んだりもしました。

また、織作氏が選んだレンズはいずれも単焦点と呼ばれるもので、ズームレンズが全盛の今とはだいぶ事情が異なります。広角は【28ミリ】、標準の【50ミリ】、そして望遠の【100ミリ】を織作氏はこの旅で使っています。

私がコンタックス用に揃えたレンズは、【35ミリ】【50ミリ】【85ミリ】【200ミリ】の4本だけで、織作氏のラインナップとは違いますが、【50ミリ】の標準レンズだけは一緒でした。

カール・ツァイスプラナー50ミリF1.4レンズは私の大のお気に入りで、いつもこのレンズばかりを使っていました。

今では私もデジタル一眼カメラに替え、フィルムのカメラを使うことはありません。それでも、昔に揃えたレンズのうち、【50ミリ】と【85ミリ】は手元に残し、マウントアダプタを介し、デジタル一眼で未だに楽しむこともしています。

織作氏の写真講座最終回の中で、私が特に好きな部分は、佐渡にある港町の宿根木(しゅくねぎ)地区を訪れるくだりです。

【佐渡島】宿根木の散策 : Walking Around Shukunegi Village on Sado Island(Niigata, Japan)

なぜかといいますと、その撮影のときは、使い方によって広角や望遠のようにも使える私の大好きなプラナーの【50ミリ】だけをつけた撮影をしているからです。

たしかに、この【50ミリ】レンズは非常に魅力的で、今の高性能なレンズには劣る部分もあると思いますが、使い勝手は良く、いくら時代を経ても、手放す気にはなれません。

デジタルのカメラになって向上したもののひとつに、ISO感度が飛躍的に高くなったことがあります。フィルムの時代は、ISO感度が今とは比較にならないほど低感度でした。

私はリバーサルフィルムばかり使い、コダックのコダクローム64を愛用していました。商品名からもわかりますように、このフィルムのISO感度はたったの【64】です。

織作氏が宿根木を訪れたときにカメラに装填したフィルムは富士フイルムのリバーサルフィルム「ベルビア」でした。このフィルムのISO感度は【50】です。

「天気が良いのでISO感度50のフィルムを使います」と織作氏が話していたことで、そのときに使っているフィルムがわかりました。

デジタルカメラであれば、ほとんど無料で何枚でも撮影できます。その点、フィルムのリバーサルフィルムはフィルムも安くなく、現像代も取られ、写真はお金のかかる趣味のひとつでした。

それだから、一枚一枚丁寧に撮影したとフィルム時代を知るカメラ愛好家は口にします。ただ、自分が昔に撮影した写真を見返すと、丁寧に撮影したはずの写真が、今の機材で撮影する写真より劣って見えるのはなぜでしょうf(^_^)

出来不出来は別にして、織作氏の写真講座の番組をビデオで見ることで、フィルムカメラを使って写真撮影していた頃を懐かしく思い出します。

「織作峰子の写真術」録画ビデオからの静止画
□「織作峰子の写真術」の講師・織作峰子氏(録画ビデオからの静止画)□

今から23年前の番組を今も変わらず楽しむことができるビデオに、今更ながらに驚いている私です。

この番組に匹敵するような番組が、今はほとんど見当たりません。それを嘆いても仕方がありませんので、私はこれからも、昔の番組をビデオで楽しみ、それを見ている間は、タイムマシンで昔に戻った気分に浸ることにします。

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