ネットが普及したことを一番苦々しく思っているのは誰でしょう? おそらくは、今まで情報発信を独占することができたマスメディアではなかろうかと私は考えます。ネットがない時代であれば、テレビや新聞が報じることを大方の人が信じ、それを疑ってかかる人は、「あんたはホントに疑い深い人だねぇ。アナウンサーがああいっているんだから、そうなんだろうよ。そんなに何から何まで疑っていたら、一緒にいるこっちまで疲れちまうよ」なんてことを妻にもいわれたりしたかもしれません。
あとになってみれば、マスメディアが報じることを疑いの目で見ていた人の直感が、何でもマスメディアのいうことを信じていた人より、感覚的には勝っていたことが実証されました。今でもテレビや新聞で報じられることをそのまま信じ続けている人も少なくないかもしれませんが、疑惑の目で画面や紙面を見つめる人は確実に増えています。
そんな疑惑の目で、今月9日夜にNHK総合で放送された番組「NHKスペシャル」を振り返ることにします。
私は、この番組の放送が確認されると、本サイト内で私が気になったテレビ番組を勝手にピックアップする「私のTV指定席」にリストアップします。が、昔ほどは熱心にこの番組を見なくなり、今はリストアップするだけで、実際には見ないことの方が圧倒的に多くなってしまいました。これは、NHKの報道に対する信頼を失ったことに比例しているかもしれません。
そんな「NHKスペシャル」ですが、9日放送分は、ちょっと意地悪な意味で楽しみに放送を待ち、録画をして見ました。その日は、「未解決事件 File.03 尼崎殺人死体遺棄事件」が放送されています。