2003/09/30 電車通学の小1女児事故

PCの不調によりサイトを更新できずにいましたが、その間にも世の中はめまぐるしく動いており、取り上げたい話題が生まれては消えていっています。そこで取り急ぎ書いていこうと思いますが、本日は、最近最も気になった事故(事件?)について書いてみたいと思います。

この事故は未だに単なる事故なのか、それとも何かしらの事件性があるのかが判然とせず、その点が私の関心を強く引きつけるわけですが、これは今月の18日に東京都内のある駅で発生しています。その都度カッコつきで「事件?」と書くのは煩わしいので、以後は「事故」という表記で統一したいと思います。

今、私の手元には産経と朝日の記事の切抜きがあるのですが、その日付順に、9月21日付けの産経の記事から見ていくことにします。

この事故については記憶に新しい方も大勢いらっしゃると思いますが、今も書きましたように、18日に起こったもので、都内の江東区潮見にあるJR京葉線潮見駅の構内で同日午後4時4分頃、下校途中の小学一年生・■■みなみちゃん(7)が、当駅を通過する快速電車にはねられて死亡しています。

記事には事故で死亡したみなみちゃんの顔写真と事故があった付近の写真が掲載されています。見出しは「東京の小1女児 ホームの“死角”」「急増する電車通学」「危険も隣り合わせ」「安全対策の不備浮上」とあり、下校途中に遭遇した悲劇を伝えています。

見出しにもある通り、みなみちゃんは「電車通学」の小学生で、自宅からの最寄り駅であるJR京葉線潮見駅から東京駅に向かい、そこから徒歩で銀座にある中央区立泰明小学校へ通っていたとのことです。

ちなみにこの小学校は表通りからちょっと入ったところにあり、私も何度となくその脇を歩いて通りましたが、全面が舗装されて土の地面が一切見えない校庭が印象に残る施設です。産経の記事によれば全児童数は378人といいますから、各学年2クラス程度でしょうか。ちなみに、作家の島崎藤村北村透谷も当校の出身だそうです。

何より当校が異色なのは、全児童の9割が学区外から通学していることで、今回事故に遭ったみなみちゃんもそのその内の一人ということになります。

一般的な感覚からいって、小学一年生が電車通学するというのは、それこそ見出しにもあるように「危険も隣り合わせ」なわけで、ましてや東京駅を毎日通過することになり、7歳の子供にはどうだったのでしょうか。

その辺りの当然の疑問について、母親(33)は次のように弁明されています。

最寄りの学校でも小学生が歩くとかなりの距離。できれば、より良い環境で学ばせたかった。(2003年9月21日 産経新聞)

みなみちゃんが住む江東区の地域ではマンション開発が進み、小学校のマンモス化が顕著になっているといいます。いってみれば学ぶ環境としては過渡期にある地域ともいえ、より良い教育環境を求めて電車通学させる例は珍しくはないようです。

ただ、これは私個人の勝手な印象ですが、みなみちゃんを通わせていた泰明小学校は銀座という“リッチ”な立地条件で、それが両親、特に母親による学校選択の一つの大きな理由になっていたのではないか、という疑問が残ります。

つまりは、やれ父兄参見日だといっては母親はおめかしして銀座の小学校へいそいそと出かけ、その帰りに銀座でお買い物をして帰る、といったハイソ(上流階級)な生活です。そこにはわが子のためというよりも親である自分の楽しみが十分すぎるほど盛り込まれており、それが透けて見えるだけに悲惨な事故でありながら、釈然としない思いをどうしても抱いてしまいます。

言葉は悪いですが、自分のブランド嗜好を満たすために子供を犠牲にしてしまった、といえなくもありません。少しいいすぎでしょうか。

ともかくも話がここで終わっていたら、単なる悲惨な事故で片付けられていたのかもしれません。が、今回の事故がここから違った様相を見せるのは、今回の事故が単なる事故ではなく、もしかしたら犯罪性もあるのでは、といった見方ができなくないからです。

その犯罪性について産経新聞の記事では触れていません。ただ一点気になる記述といえば、インターネットの掲示板、おそらく「2ちゃんねる」だと思いますが、そこに次のような目撃者の書き込みがあったことぐらいでしょうか。

  • 女の子が目の前に何かを落として屈んでいたら、ランドセルがガバーと開いた
  • 線路に落ちた物を取りに行ってはいあがろうとした

ネットの掲示板は玉石混交とも魑魅魍魎跋扈するともいえる世界ですからその全てを鵜呑みにするわけには到底いきませんが、事故を捜査する東京・深川署は有力情報と捉え、調べているということです。

いずれにしても、何らかの事情があり、みなみちゃんが自ら線路に降りたか、あるいは、誤って転落したかして、そこからはいあがろうとした時に事故に巻き込まれたという書き方です。

こうした産経の書き方と趣を大きく変えるのが24日付け朝日の記事です。記事には産経と同じように事故に遭ったみなみちゃんの顔写真と現場付近の写真が添えられています。ただ、そこには事件性を強く匂わせる「1分間に何が」という太く大きな見出しが躍っています。あたかも「1分間」に何らかの“事件”が発生したかのような印象を読者に植えつけます。

記事には上記の写真と共に、事故が起こった潮見駅の略図が載っています。それを見ると駅の構造は一目瞭然で、一つのプラットホームの両側に上りと下りの電車が入る最もシンプルな作りになっています。

運命のその日、みなみちゃんは東京駅から海浜幕張駅行きの普通電車に乗り、午後4時2分に潮見駅で下車しています。その電車はその後数十秒当駅に停車したのち、同4時3分に発車していています。

その際、海浜幕張行きの電車の車掌は、走り出した車内から、ランドセルを背負った少女が「けんけん(〔子どもの遊び〕:片足跳び。足けんけん=広辞苑)」する姿を目撃しています。深川署は、背格好や服装などからほぼみなみちゃんと見て間違いないだろう、と判断しているようです。

略図を見ると、みなみちゃんがけんけんをしていた場所はホームの外れで、下車した電車の最後尾付近です。そして、改札に直接向かうのであればホームの中ほどの階段に向かわなければなりません。

ところがなぜか、けんけんしていた辺りからちょうど向かい側の上り線路内で事故に遭っているのです。

みなみちゃんをはねた電車は、府中本町発東京行きの快速電車で、午後4時4分頃、電車は定刻通りホームに滑り込み、時速80キロほどのスピードで無事に通過するはずでした。しかし、ここで事故は起こったのです。

本日の豆知識
私もこの路線は、東京ビッグサイトや幕張メッセへ行く際に利用するのですが、初めて利用する人にはわかりにくい路線の一つではないかと思います。なぜなら、同じ路線を京葉線の電車と武蔵野線の電車が走っているからです。そして、京葉線であれば千葉寄りの始発駅は蘇我駅、あるいは途中駅の海浜幕張駅などのはずですから、みなみちゃんをはねたのは京葉線の電車ではないことになります。府中本町行きの武蔵野線ですね。

以下は産経新聞に載っていた当電車の運転士の話です。

子供が線路からホームにはい上がろうとしているのに気付き、急ブレーキをかけたが間に合わなかった。

線路からホームまでの高さは115センチだそうで、125センチの身長のみなみちゃんとはほぼ同じ高さがあり、さぞやはい上がるのには苦労したことでしょう。悔やむべきは、なぜ、ここでみなみちゃんは自力ではい上がることを諦め、大人たちに助けを求めなかったのでしょう。線路の端に身を避けて通過電車をやり過ごすだってできたはずです。

ともかくも、ホームに両手をかけて懸命にはい上がろうとしていたみなみちゃんは、敢え無く上り快速電車にはねられ、右側頭部を強打し、同日午後10時14分、収容先の病院で息を引き取ったようです。なお、遺体には突き落とされた時にできるような傷はなかったといいます。

当然のことながらこの事故はネットでも大きな話題を呼び、さまざまな書き込みがなされました。それを見ると、この事故の犯罪性はさらに強調され、また、一部マスメディア(TBS)が「当時、ホームにはみなみちゃん以外には一人の男性しかいなかった」かのような報道をしたため、さらに事件説が熱を帯びました。

しかし、朝日新聞の報道によれば、事故直前、上り線側のホームにはそれぞれ4、5人ずつの2グループがいたという目撃証言もあり、みなみちゃんと“不審な男性”二人だけとの報道は一挙にその信憑性を失ってしまいます。

ともかくも真相はどうあれ、一番かわいそうなのは亡くなったみなみちゃんです。彼女は事故直前となる午後3時26分、JR有楽町駅近くの公衆電話から母親に次のような電話をかけてきたそうです。

友達がトイレに行きたがっているから、ビックカメラに寄ってから帰る。(2003年9月24日 朝日新聞)

それからわずか40分足らずあとにみなみちゃんは事故に遭い、帰らぬ人となりました。おそらくは、母親は愛娘からの最期の電話が一生涯耳から離れないに違いありません。

その母親はなおも次のような疑問を呈しています。

(みなみは)臆病なほど慎重な性格。落し物をしたとしても線路に降りるなんて考えられない。

この母親の口ぶりには、暗に「誰かに線路に突き落とされた」というニュアンスが含まれています。果たしてそんなことが実際に起こったのか? 4時2分に電車から降りたみなみちゃんがその後1分ほどの間になぜ線路上にいて事故に巻き込まれたのか。その“真相”を知っているのはみなみちゃんだけなのかもしれません。

ホーム上で無邪気に最後のけんけんをしていたみなみちゃんは、わずか7年の生涯を閉じて天国へ旅立っていきました。ご冥福を祈らずにはいられません。

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