前日に続いて、また、自分の声の録音について取り上げます。
声の録音について前回取り上げたときは、ZOOMのフィールドレコーダーのF2と、それに付属するラベリアマイク(ピンマイク)を使って自分の声を収録し、そのあとは、いつものように、私が使う音声編集ソフトのiZotopeのRX 10 Standardで仕上げています。
その編集作業で、前回はそれまでと違う編集をしています。
それ以前は、少しでも自分の声が良くなるようにと考え、イコライザー(EQ)と音を圧縮するプラグインを適用させていました。
それとは別に、RX10に搭載されているRepair Assistantで、ノイズを減らすことを、自分の声を収録した音声ファイルには適用してきました。
以上の編集工程を前回は止め、素の声に近い状態で保存することを試みました。理由は、声の録音について書いた前回の更新で書きました。
ZOOMのF2を使って録音した場合はいつも書いているように、このレコーダーは32bit floatで録音されます。小さな音から大きな音まで、録音時に録音レベルを合わせることなく録音できる機能です。
小さく録れた音は音の波形も小さいですが、編集時に、適正な音量に復元できるのが32bit float録音の利点です。
音の大きさは、音声編集ソフトでGainを上げるだけで実現できます。私はその作業を、RX 10のRoudness Controlでします。
プリセットでいくつものパターンが用意されていますが、声の大きさを復元するとき、私はAudiobook Deliberyのプリセットを利用しています。
このほかに私が適用するのは、唇や舌から発生するclickを除去することに特化したMouth De-clickです。これは昨日から使い始めました。当面は、これだけの処理に留めるつもりです。
ここまで書いたことは、前日に書いた内容とほぼ同じです。それを少しだけ変えるため、自分の声を収録するマイクをF2に付属するラベリアマイクから、同じZOOMのM3 MicTrakに換えてみました。
これは、M/Sマイクが合体されたレコーダーです。F2と同じように、32bit floatで録音できます。F2と付属のラベリアマイクで録るのと違うのは、モノラル録音のほか、ステレオでも録音できることです。
録音時には、モノラル・90度のステレオ・120度のステレオから選んで録音できます。
このレコーダーは、WAVファイルのほかに、RAWファイルも作られます。RAWファイルに保存された音声ファイルは、専用のアプリを使うことで、録ったあとに、ステレオの幅を変更することができる仕様となっています。
ステレオで録った音をモノラルに変更できま。逆に、モノラルで録った音をステレオにすることもできます。また、ステレオの幅を、録音時より広い150度にすることが可能です。
M3 MicTrakには、振動を軽減するショックマウントが付属で付いており、ショックマウントを使た状態で、カメラのアクセサリーシューへ固定できます。
ミラーレス一眼カメラなどにつけ、動画を撮る時に、音をM3で別録りし、動画の編集時にM3で録ったより良い音声に差し替えることができます。
私もミラーレスで動画を撮ることをしますが、M3を動画撮影で使うことは考えていません。必要があれば、ミラーレスの動画撮影で使うことがあるかもしれませんが。
基本的には、M3は、M/Sマイクがついたフィールドレコーダーとして使います。
そんな考えもあり、昔、8ミリビデオカメラの小型ライトをカメラに取り付けるために買ったアダプターがあります。その一部をブリップに使用することを思いつきました。
そのグリップを片手で握り、口に近づけて何かしゃべって自分の声を収録してみました。マイクと口の距離は10センチ程度です。
前回、声の録音について書いた自分の文章を途中まで読み上げています。
そのようにして録音した音声ファイルに、Loudness ControlとMouth De-clickだけを適用した音声ファイルを下に埋め込みます。
自分が書いた文章を読みながら、自分の意図とは違う読み方をした箇所があるのに気がつきました。「止めて」は「やめて」のつもりで書きましたが、「とめて」と読んでいます。
竹内まりや(1955~)が河合奈保子(1963~)に提供した楽曲『けんかをやめて』(1982)があるのを思い出しました。
曲のタイトルを平仮名にしたのは、結果的には良かったでしょう。もしも『喧嘩を止めて』と漢字で表記したら、「けんかをとめて」と読む人も出てきたでしょうから。
河合奈保子がレコーディングで「けんかをとめて~♪」と歌ったりしたら、竹内に鋭く指摘されるのはもちろんのこと、山下達郎(1953~)にまで睨みつけられたりして。
自分で作った音声ファイルを自分で評価するので、独りよがりの評価になってしまいますが、F2と付属のラベリアマイクで録った声よりも、M3で録った声のほうが、声の質が良いように感じます。
ただ、その差は大きくありませんので、使う用途によって、F2とM3を使い分けるようにします。
これでだいたい、自分の声をどのように録り、処理すれば良いか、今回をもって、自分の中では対応策が定まったように感じています。