ネットを使う人で、動画に興味がある人であれば、動画共有サイトのYouTubeはお気に入りのサービスになるでしょう。
そういう私自身、映像は昔から好きなため、YouTubeなどない時代から、当時ですからビデオカメラでビデオを撮っては、それを動画にして、自分のサイトのサーバに上げることなどをしていました。
YouTubeにも自分のチャンネルを作り、動画を上げることをしました。今は、YouTubeが偉そうに言論弾圧をするため、私は自分の動画をすべて引き上げた状態にあります。
YouTubeのチャンネルは残していますが、サーバとしては利用していないため、昔のやり方に戻った形です。
それでも、YouTubeの動画を見ることはしています。
私がよく見る動画の配信者に桜風涼(はるかぜ・すずし)氏(H氏|1965~)がいます。
H氏の動画を見るようになったきっかけは、今年の春先に、ZOOM社の32bit floatで録音できるフィールドレコーダーのF2を知ったことです。

最初は、他の人のYouTube動画でそのレコーダーの存在を知りました。興味を持ち、Youtubeでそれ関連の動画を探し、お勧めの動画として桜風氏の動画に出会い、以来、桜風氏の動画を見る習慣ができました。
H氏に出会った頃は、音の専門家という認識で、実名で出版された録音に関する本も読みました。
H氏は30年以上、映像制作の現場に携わっており、専門的な知識が豊富で、勉強になることばかりです。
そのH氏ですが、最近は動画を見ていて、個人的に気になることが増えました。H氏は、ときどきそんなことをご自身で話していますが、H氏と仕事などで付き合いのある人は、親密になる人と、離れていってしまう人の2種類に分かれるそうです。
それは、H氏が子供の頃からの性格にある、ということらしいです。
YouTube動画を見ていても気がつきますが、H氏は、良くも悪くも我(が)が強い人にお見受けします。負けず嫌いで、自分がいいと思うもの、悪いと思うものを分け、いいものは他人に勧め、悪いものは遠ざけようとする傾向を隠しません。
そんなH氏の動画を見ていると、その押し付けを強く感じます。
たとえば、H氏が仕事でも使うカメラとして、スーパー35のサイズと同じAPS-Cサイズの撮像素子が搭載されたカメラを使っています。
H氏は動画の撮影を仕事としてされているのですから、それを選んだのは必然といえましょう。実際問題、プロの映像の現場で使われるプロ用のシネマカメラの撮像素子はAPS-Cが標準となっています。
それはそれでいいのですが、H氏のYouTube動画を見る人すべてが仕事で動画を撮っているわけではないことも理解して欲しいです。
H氏の動画を見る多くの人は、スチル撮影の合間に、気が向いたら動画を撮る程度の人が多い(?)のではないでしょうか。私などは、スチルが8割9割で、残りが動画で、それも、日常的なものを撮って終わりです。
メインがスチルであれば、わざわざAPS-Cを選ぶ理由がありません。
私はフィルムの一眼レフカメラで写真を撮ることを趣味にしていましたが、当時は、今の35ミリフルサイズが当たり前のことでした。デジタルの時代になっても、そのサイズが標準です。
何台もカメラを持つ必要がないと考える私は、スチルのカメラで、気が向いたら動画を撮るわけですから、フルサイズで動画を撮るのは当たり前のことで、ヘンなことではありません。
個人が趣味でスチルを撮ることを考えれば、オーバースペックでも何でもないです。また、フルサイズのレンズは高価だといいますが、昔から、カメラの趣味は金がかかることで知られています。今に始まった話ではありません。
私の場合は、α7 II用レンズは、10倍ズームレンズが1本だけで、今のところ、レンズを追加購入する予定はありません。
昔はフィルム代と現像代がかかりました。それがデジタルの今はほぼタダになり、無駄な撮影が増えました。
仕事で動画を撮るわけでもない人に、スチルも撮れるからと、発売になったばかりのソニーのシネマカメラを売りにするFX30を勧めるのはどうでしょうか。
どう見ても、そのカメラはスチルを撮るのに適していません。どうしてもAPS-Cサイズの撮像素子で撮りたいのならいいかもしれませんが、それでも、操作性が、スチルに向いているようには見えないです。
私がFX30の仕様を見て自分にとって致命的と思えるのは、ビューファインダーがないことです。このことはのちほど書きますが、スチルを撮るにしても、動画にしても、背面液晶だけで正しい露出が得られる自信がわたしにはないです。
本来の動画機能にしても、クリエイティブルックを選んで、あとは、ホワイトバランス(WB)だけに気をつけて、カメラ任せのオートで撮れば、プロ並みの映像が撮れると話していますが、それだったら、ビデオカメラをオートで使うのと同じではないですか?
私が愛用するキヤノンのビデオカメラは、2013年9月に中古で手に入れた“iVIS HF M41”(18,000円弱)です。
ビデオチックな映像でいいのであれば、片手で持てるこのビデオカメラを使います。H氏お勧めのオートで、失敗のない映像が撮れ、ほぼ撮って出しで使えます。
先日、本コーナーで紹介した動画もこのビデオカメラで撮影しました。
このビデオカメラの撮像素子は、APS-Cどころか、1インチより遥かに小さな1/3です。それだから、10倍のズームレンズでも、小型に作れます。
このサイズはおそらく、スマートフォンに搭載されている撮像素子と同程度ではなかろうかと思います。スマホで撮る映像がお好きなようですが、それでいいのなら、ビデオカメラが最適なのではありませんか?
スチルでも動画でも、撮影時に私が気をつけているのは露出です。
今年になってから、私はスチルの撮影はフルマニュアルで撮影するようになりました。そうするようになったことで、撮れるスチルの質が向上したことを実感しています。
マニュアル露出をする上で最も気をつけることは、ISO感度をオート任せにはしないことです。逆のいい方をすれば、ISO感度が、全体の露出を決定するといってもいいです。
ISO感度以外をマニュアルでする人もいるかもしれません。しかし、肝心のISO感度をオート任せにしているのでは、半オートで撮るのと変わりません。
その場合は、どうしても露出の補正が必要になるでしょう。
ミラーレスのカメラを使う人であれば、電子ビューファインダーを頼りにして、自分が撮りたい露出を求め、最後にISO感度で露出を厳密に決めるといいです。
逆光の難しい条件でも、撮りたいものを撮りたい露出にすれば、失敗することはありません。
H氏はソニーのオートホワイトバランス(AWB)がお気に入りでなく、日本人の肌が黄色っぽく写るとおっしゃいます。日本人の肌の色が元々黄色の色素を持っているのですから、それは当然のことではありませんか?
ソニーの色味については本コーナーで取り上げましたが、撮ったスチルや動画をよく観察してみてください。AWBで撮ってあっても、私には黄色味が強いようには感じません。
私がソニーの色味に感じるのは、イエローではなく、マゼンタです。これは間違いないです。たとえば、庭に出て周りの木々を撮影すると、それにもマゼンタがのっているのがわかります。
もしも黄色味が強いのであれば、グリーンにイエローが加わるのですから、木々の緑が黄緑っぽくなるはずです。しかし、そんなことはありません。
私が見る限り、グリーンにマゼンタがのり、温かみのあるグリーンに見えます。
私は人物を撮影することが少ないため、日本人の肌色が、ソニーのカメラの色味でどのように写るのかは確認していません。今度、様々な条件で自分の手を撮り、どんな色に見えるか確認してみます。
私は、スチルにしろ動画にしろ、ホワイトバランスこそはオートにしています。ソニーのカメラ(といっても、私が使うα7 IIに限っての話になりますが)が作る色味が気に入り、それを活かすために、AWBを選ぶほどです。
ただ、私の家の蛍光灯(といっても色々な色味がありますが)の光で撮ると、マゼンタが強く出過ぎるように感じます。その場合は、RAWで撮りますので、「現像」段階で色味をグリーンの側に1ステップぐらい調節します。
そもそもの話、光の三原色は赤・青・緑で、黄色は含みません。現像時の色の調節にしても、イエローはありません。三原色になり色味が、撮影時に強くのることもないでしょう。
色味調節のティントでは、マゼンタと組みで変化させるのはグリーンです。グリーンがマゼンタの補色の関係に当たるからです。絵具の混色を思い出せば、赤と緑をどんな風に混ぜても、黄色は作れません。
光の三原色を表す「加法混合」の項目をネットの事典ウィキペディアで見ますと、緑(黄緑)と鮮やかな赤を加法混合させることで鮮やかな黄色を作っています。
訂正してお詫びします。
もっとも、絵具の混色は、光の三原色ではなく、色の三原色なり、この場合は、赤・青のほかは、緑でなく黄色になりますが。
動画編集ソフトのDaVince Resolve Studioは色編集をするのに最適なソフトですが、カラーページの色温度の項目は、アンバーがブルーと対になっています。
アンバー側に振るか、ブルー側に振るか。それをどの程度振るか。それで色味を変化させます。
編集段階でどうしても黄色味を編集したいのであれば、色相を変化させることになります。
私は色相は、撮影のときも編集のときも基本的に変更しません。全体の色合いの仕上がりが崩れてしまう恐れがあるように考えるからです。
前にも書いたように、日本人の黄色味がかった肌色にマゼンタがうっすらのることで、マゼンタは黄色の補色に近いため、黄色がやや濁り、好ましくない黄色味に感じる(?)ということではありませんか?
H氏は、数日前の動画で、レンズメーカーに依頼されたという作例写真と動画を撮る様子を紹介していました。
それを拝見する限り、H氏は、仕事以外ではあまりスチルや動画の撮影をされないのか、と感じました。何をどう撮っていいかわからないとおっしゃり、そのとおりの様子が映されていたからです。
この場合も、WB以外はカメラ任せのオートの設定で撮影されたのだと思いますが、肝心の露出が、私個人の感覚になりますが、全体的にオーバー気味だったように感じます。
この構図は、暗いトンネルから外の景色を撮るシチュエーションに近いように感じます。その場合であれば、特別の意図がない限り、トンネルの中は暗く落とし、外の風景に露出を合わせます。
すでに書いたように、どの撮影であっても、肝心なのは露出で、最後にISO感度を自分で操り、撮りたい被写体にちょうど良い露出を求めるべきでした。
動画のサムネイールを一枚の写真として見れば、何が主要被写体にするかで露出の決定が変わります。
そして、もしも主要被写体が奥に見える神社の建物であれば、私だったら、手前の木々はシルエット気味にして、神社の露出を最適化すると思います。要するに、神社の建物の露出をアンダーにするということです。
露出をもっと下げれば、空の青もが増します。これは、動画の色編集でも同じことがいえます。色を強く出したければ、露出をアンダーにするといいです。
若い女性のポートレートを撮るとき、露出をアンダーにすると、色味が強くですぎ、影も濃くなるなどして、撮られたモデルに嫌われる(?)かもしれませんが。
用途によって、露出の決定は当然変えます。
今回は、H氏の動画と話を題材として書きました。H氏に悪意は持ちませんが、気分を害されたのであれば、謝罪します。
今後とも、配信される動画を見て、参考になるところは参考にさせてもらいます。
私も思ったことはすぐ口に出す方ですから、H氏とは似た者同士かもしれないです。私を嫌う人も多いでしょう。
いいわけを許してもらえるなら、味方だと思っている人より、敵のほうが信じられる気がします。
H氏と違うところがあるとすれば、自分の考えを他人には押し付けないことです。自分が今使う35ミリフルサイズのα7 IIにしても、自分が気に入って使っているだけで、他人には勧めていませんしね。
時々名前が出るYouTuberのドリキン氏にしても、彼が気になったものを次々に購入して、彼自身が「散財」しているだけ(?)で、それを自分が気に入ったからといって、他人に勧めることはしていないように思います。
彼の動画が参考になるのであれば、彼の行動や態度も参考にされてみてください。