2007/06/01 父と子・松岡さんの場合

昨日の続きで、故・松岡利勝前農水相について書いてみることにします。

私は今、松岡さんが自分で命を絶たれる前日、5月27日の産経新聞に載った記事の切り抜きを持ち出してきました。これは、その日の1面と29面に載ったもので、その1面の見出しには「緑機構談合 農水相支援者 調整か」と大きな活字が踊っています。

世事に疎い私は、そもそも前提となる「緑資源機構」という組織はどのような性格を持ち、また、どんな仕事をしているところかもまったく理解できていません。

産経の記事のリード部分は、以下のようになっています。

農林水産相管轄の独立行政法人「緑資源機構」が熊本、島根両県内で発注する中山間地域整備事業をめぐる談合疑惑で、熊本県内では同県阿蘇市内の建設会社幹部が業者側の「談合調整役」を務めていた疑いが強いことが26日、関係者の話で分かった。阿蘇市は松岡利勝農水相の選挙区にあり、幹部は松岡農水相の有力支援者。同社は松岡農水相側に過去10年間で計約1600万円を献金する一方、同事業を億単位で受注している。

こうした事態を受け、29面で伝えられた補足記事の中では、金子一義衆院予算委員長が26日、岐阜市内であった自民党岐阜県連総務会での挨拶が紹介されています。そこで金子予算委員長は、「松岡利勝農水相は国会終了後、自ら辞任するという対応をとるべきだ」と述べ、続けて「調査が松岡農水相の地元に及ぶという状況を受け、自ら身を処するのが政治家として大事」と指摘しています。

この記事が載った翌日に松岡さんが自殺をすることなど思いもしないながらも、私はこの記事がなぜか気になり、ストックしておいたのでした。

私個人が産経記事のリード部分を読んで意外に感じたのは、談合疑惑の発生地点です。

2点の内、熊本はわかりやすいといえばわかりやすいです。熊本といえば松岡さんにとってはお膝元、選挙地盤だったからです。ところが、もう1点の島根というのがどうも合点がいきません。

ここでローカルチックな方向へ話がそれてしまいますが、島根と聞いて私個人にはピンと来るものがありました。これはもう、週刊誌レベルで報じられていることなので、私がここで書いてしまっても差し支えないと思いますが、松岡さんのご次男がこの島根の出身(本籍は熊本のようです)なのでした。

漏れ聞いたところでは(確証が得られているわけではありません)、松岡利勝さんの奥様、要するにご次男のお母様が島根の出身であるやに聞いています。

実は、このご次男である松岡浩昌さんという方は、NHKの現役アナウンサーでして、私自身も常連リスナー&リクエスターであるNHK-FMのリクエスト番組「サンセットパーク」で、月曜と木曜のパーソナリティを務めているのです。彼は2004年4月から担当になりましたので、この4月で3年目に入ったばかりでした。

その2004年4月です。それまでの同番組パーソナリティといえば、一線を退いたようなベテラン男性アナウンサーが務める習わしとなっていたところ、全て若手のパーソナリティに若返る一大手術が行われたのでした。

松岡アナも、はじめは月曜日だけの担当でしたが、木曜を担当していた石井庸子さんが理由がわからないまま突如降板してしまい、空席となった木曜日も兼務することになりました。その形で現在まで続いてきました。

初めて松岡アナの放送を聴いた私の感想は、声質が高かったことと繊細な印象を受けたこととで、同番組を紹介するコーナー(このゴールデン・ウィーク以降、私は番組のリスニングに“連休癖”が残り、同ページの更新は滞っていますm(_ _)m)には、以下のように書きました(→ 松岡アナ記念すべき第1回目の冒頭挨拶音声データ〔2分55秒〕 コレをお聴きいただくには、Real Payerが必要ですm(_ _)m)。

女性陣の中の「紅一点」ならぬ「白一点」となる貴重な男性パーソナリティです。何でも、松岡さんは放送記者からアナウンサーに転身されたのだそうで、その点でも異色の存在といえそうです。ともかくも、アナウンス技術に取材力が加味されているのだとしたら強力ですね? 松岡さんの自己分析によりますと、典型的なインドア・タイプの人間で、「真夏の太陽が似合わない男」だそうです。声だけを聴いていると、中性的な印象を個人的には持ちましたが、上の音声ファイルをお聴きになった皆さんの印象はどうでしょうか。ということで、声だけに限っていえば、紅白の中間で、「サンセのピンク一点」的存在といえそうです。

以上のように、いちリスナーという立場ではありますが、その松岡アナのお父様の突然の訃報ということで、一報をニュースで知ったときは、かなりの衝撃が走りました。

松岡アナの父上が故・松岡利勝農水相であることを知ったのは、大臣就任が決まった直後です。知った場所はネットでして、私も以前はその掲示板のメンバーでありながら、あることでメンバーと喧嘩別れし、今は時々読むだけの掲示板に書き込まれた情報によってです。

それを書き込んだのが、これも因縁といいますか、「泣かないことが男の美学」の立場を採る番組常連リクエスターです。その書き込みには実名はありませんでしたが、苗字からすぐに推測することができました。

こうした事情で、戦後初となる現職閣僚の自殺という意味だけでなく、その息子である松岡アナの動向を知るという意味でも、私はテレビのワイドショーや週刊誌などから発せられる情報を注視してきました。

そこで意外だったのは、松岡アナが杖をついていたことです。電波を通した声だけの付き合いの私は、その事実を、今回初めて知りました。それについては、昨日発売の『週刊新潮』に多少詳しくありました。

松岡アナが放送記者からアナウンサーに転身したことは知っていましたが、それが交通事故が原因だとは知りませんでした。新潮の記事では、「(松岡浩昌さんが)甲府支局員だった頃に交通事故を起こし、足に怪我をしてしまったためなんです」というNHK関係者の証言を伝えています。

松岡前農水相が亡くなられた翌日、ご遺体をのせた車が国会議事堂の前で一旦停車しました。

そして、中からご遺族の方々が降り、議事堂方面に向かって一礼する模様が上空のヘリコプターからの映像で生中継されました。あとでその場面の録画を見返すと、杖をついて深々と頭を下げる松岡アナの姿も確認できます。

松岡農水相ご存命中、一連の騒動で国会やマスメディア、そして一般市民レベルでも批判の矢面に立たされました。その間、松岡アナが番組でそれに触れることは一度もありませんでした。

ただ一度だけ、最小限の形で、本音を吐露されたことがあります(と私が勝手に判断しただけです)。その部分を音声ファイルにしてみましたので、もしよろしかったらお聴きになってみてください(現在、本音声ファイルの公開はしていません)。

→ FM「サンセットパーク」(2007年3月12日)番組冒頭・松岡浩昌アナ挨拶

お聴きになってみての感想はいかがでしょうか?

私はこれを聴いた瞬間、感ずるものがありました。それで、この日の放送はよく憶えていたのです。というのも、本コーナーで渦中にある松岡当時農水相を初めて取り上げたのが、この放送がある2日前だったからです。それで、本サイトの記述を松岡アナが見たかどうかはわかりませんが、刺激してしまったのかな? と考えたわけです。

松岡アナは、短いコメントの中で、「本筋からいって、これほどまで針小棒大に取り上げる必要があるのか」と疑問を呈し、今の世の中を、自分も含め、「何とかならないものか」というように嘆いている、ように私には聞こえます。

この時の松岡アナの感慨が、父上の騒動を念頭に置いてのものかどうかはわかりません。が、いずれにしろ、代議士、それも現職閣僚を父に持つというのは、端から思うよりも大変だったのでしょう。しかも、連日連夜非難の対象になっていたわけで。

ここでスケールがグ、グーン! グググ、グッグーン! と小さくなってしまいますが、私が中学3年生の時、父はPTAの会長をしていました。これが、私には非常に負担でした。何か催しがあるたびに、父は学校へ来、みんなの前で挨拶をしました。これが私は嫌でたまりませんでした。

亡父は面倒見がよいタイプでしたが、挨拶はからきし下手くそでした。必ず吃ります。

忘れもしないのは私が中学を卒業する式の挨拶です。この時も例によって言葉がつかえ、私は「早く挨拶が終わってくれ」とずっと下を向いていました。自分が挨拶して吃るより恥ずかしく、おそらく顔は真っ赤になっていたことでしょう。式のあと、私は逃げるように学校を出ました。

松岡前農水相の場合は、ふてぶてしく見え、挨拶で吃ることなどなく、その点、家族からは頼もしく見えたかもしれませんね。

あと、松岡さんが人生の最期に選択した自殺という行為ですが、私の母方の祖父が自殺したことを母から聞かされました。まだ若いときの自殺で、残された女の子3人、男の子1人を祖母は女手ひとつで育て上げたのでした。それもあって、亡き母は長じて、手に職をつけようと看護職に就いています。

私は私で、遺伝というものは、隔世遺伝で自分の父母よりも祖父母の遺伝を引きやすい、というような話を知り、自殺した母方の祖父の気質を引き継いでいなければいいが、と考えた時期がありました。

以上本日は、故・松岡利勝さんのことを書こうと思いつつ、結局は、その息子さんについて書いてしまったようですねf(^_^) 何でか、松岡さん本人について書くことが、何か大きな力に邪魔されているように思えないでもありません。

いずれにしろ、ここでまた松岡浩昌さんは人生における大きな“転機”を迎えたことになり、それが今後の人生にどのように作用していくのか、私個人には関係ないことではありますが、気になりもします。

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