昨日の本コーナーの最後に、iZotopeから登場したばかりの、実に画期的な音声編集プラグインについて書きました。”VEA”です。
私は自分の声を収録し、それをより良い声に聴こえるような自分なりの「研究」をするため、VEAを試してみたくなり、購入しました。
この種のプラグインを使ったことがない人は、インストールされたはずのプラグインがどこにも表示されず、どのように使ったらいいか途方に暮れる人がいるかもしれません。
プラグインというのは、それに対応するソフトがなければ使えません。
私が音声編集に使うiZotopeのRX10 Standardと、動画編集に使うBlackMagic DesignのDaVinci Resolve Studioの両方でVEAをプラグインとして使えます。
昨日も、私は、過去に作った動画をネットの動画共有サイトYouTubeの自分のチャンネルに投稿しました。
10年以上前に作った動画は、音声レベルがYouTubeの基準に合っていないなどするため、調整が必要となります。
それをするため、これまでは、該当する動画を一度RX10 Standardで読み込み、音声の音量や音質の調整をしました。これだけでも、それ相当の時間が必要です。
それが、VEAを導入して、ほとんど手間いらずなのに驚かされました。
することは、動画を編集するため読み込んだ動画で、プラグインとして働くVEAを起動し、音声を自動で調整してくるのを待つだけです。その結果出来上がったのが、昨日、自分のYouTubeチャンネルに投稿した次の動画です。
VEAを通すだけで、音量や音質が最適化されました。
そこで今度は、ZOOMのフィールドレコーダーF2と付属のラベリアマイクを使い、自分の声を収録した音声をVEAで加工することを試しました。
F2にはデュアルADコンバータ―回路を持つ32bit float機能が搭載されています。収録時にGainの調節が必要ありません。どんな小さな音でも構いません。
そのようにして収録した音声をVEAが、音量も含めて、自動で修正してくれるか試しました。その結果わかったのは、32bit float録音した音声ファイルの場合は、音量が小さ過ぎるため、事前にある程度の音量に戻して置く必要があるようです。
もっとも、これは私の声が小さ過ぎることが原因になっていると思われます。
声の大きい人であれば、そのままで、何もしなくても、VEAが音量も含めて適正にしてくれることでしょう。私が10年以上前に作った動画で私が話している声が、音量のレベル調整をせずに最適化してくれたように。
ともあれ、RX10 StandardのLoudness Controlの[Podcast Delivery]で音量を上げました。ちなみに、[Podcast Delivery]の設定は次のようにプリセットされています。
- True Peak[dB]:-1.0
- Integrated[LKFS]:-16.0
- Tolerance[LU]:0.5
音量だけを上げ、VEAを適用する前の音声ファイルを下に埋め込みます。テキストは、昨日の本コーナーの冒頭から途中までです。
次に、同じ音声ファイルにVEAを適用したのが下の音声ファイルです。
どうでしょう? ちょっと聴いただけで、音質が向上しているのがわかるかもしれません。これが、何の手間もかからずに得られることに満足しました。
なんといっても驚いたのが、動画の音声編集です。
VEAをプラグインとして適用するだけで、音声が最適化されてしまいます。
今後、動画の音声で悩むことがなくなりました。