今は、ミラーレス一眼カメラなどで動画を撮るのが当たり前になりました。その先鞭をつけたのは、ミラーレスの前の、デジタル一眼カメラ(デジ一)のキヤノン EOS 5D Mark IIではなかったかと記憶します。
当時、私は5Dを中古で手に入れて使っていたので、当時のことは憶えています。
私は、自分が関心を持つテレビ番組しか見ないので確かなことはいえませんが、EOS 5D Mark IIの登場により、それまで考えられなかったことが、テレビ番組制作の現場で起きている話は聞きました。
それ以前、映像をぼかして撮影できるカメラはプロ向けの非常に高価なシネマカメラだけでした。それが、普通の個人にも手が届くデジ一でも実現できるようなったからです。
デジ一にレンズをつけて撮影できるので、持ち運びが楽になり、「世界の車窓から」など、紀行番組にも5D IIで撮った映像が使われるといった話を聞きました。
これを書きながら思い出したBSのテレビ番組があります。久米宏(1944~)と壇蜜(1980~)が司会をした「久米書店 ヨク分かる!話題の一冊」です。
この番組は、毎週発売されて間もない一冊を選び、それを書いた人を招いて、久米と壇蜜が話を訊くというシンプルな作りで、好きな番組でした。
これが撮影されたのはテレビ局のスタジオではありません。たしか一度、それを撮影する様子が番組で紹介されたことがあったと記憶しますが、東京都内におしゃれな書店の一画ではなかったかと思います。
そのような場所で撮影ることもあってか、デジ一の5D IIが番組の収録に使われたのだと思います。
そのような変化が起きても、その時点ではまだ、個人がデジ一を動画撮影に使うことは一般的ではありませんでした。当時は今ほどネットの動画共有サイトYouTubeで動画を配信する個人は限られ、のちになって良くも悪くも話題に上るYouTuberも登場していなかったと思います。
私は昔から動画好きということもあり、当時にはYouTubeに自分のチャンネルを作り、自分で作った動画を細々と公開していました。
5D Mark IIが欲しかったのですが、高価だったため、撮像素子のサイズが小さいマイクロフォーサーズのカメラを手に入れ、動画を撮って遊ぶようなことをしています。
EOS 5Dは、スチルだけの撮影で、動画撮影はできませんでした。
当時のカメラ雑誌もその動きに注目するコーナーを設けたりしましたが、デジ一で動画を撮るのは、一部のマニアに限られ、一時的なブームで終わる可能性があるというようなことが書かれていたように記憶します。
その予想は外れ、今はあらゆるカメラで動画が撮影でき、スマートフォンでも、並みのデジカメ以上の高画質で動画が撮れる時代となりました。
動画を撮ること、そして、撮った動画をネットで公開することが一派的な時代となりました。
ただ動画を撮るだけでなく、より凝った撮り方をする人が現れ、その技術を磨いて、その世界のプロとして活躍する人も現れています。
私は昔から映像好きですが、私の場合は、あくまでも個人の趣味です。それだから気楽で、そのときどきで、好きなように動画を楽しんでいます。
今朝も、私が使うソニーのミラーレス一眼カメラのα7 IIに、唯一持っている純正レンズの10倍ズームをつけ、思いつくままに写真と動画を交互に撮り、ある発見をしました。

前回の本コーナーで、ソニーのS-Log2ガンマではなく、Movieガンマで気楽に動画を撮ったらどうかというようなことを書きました。
今朝はその考え方をもう一歩進めてみました。
私のα7 IIで写真を撮る時、ピクチャープロファイル(PP)に[PP2]を選ぶこともできます。これは、[still]ガンマで、スチルを撮影するときのために用意されたガンマです。
これを選んでスチルの撮影をしてもいいのですが、私は選んでいません。これを設定すると、ISO感度がISO100始まりになってしまうからです。
という理由で私は、スチルの撮影の時、PPは特に設定せずに、カメラが基から持つオーソドックスなガンマでスチルの撮影をしています。
この場合、ISO感度はISO50、ISO64、ISO80をそれぞれ使えます。また、PP2を使うと、PPをオフのときに比べ、コントラストが高くなると説明書には書かれていたと思います。
α7 IIで撮影するとき、私はマニュアル露出を使います。ISO感度、F値、シャッター速度の組み合わせで、自分が望むような露出を得ています。それは、スチルも動画も同じです。
デジ一からミラーレスに替わって私が一番恩恵を受けるのは、露出の決定を自分の眼で確認できるようになったことです。
今は、カメラのファインダーを覗かず、背面のモニタを見て撮影する人もいるでしょう。私は背面モニタが使えても、必ずファインダーを覗きながら撮影します。
ファインダーに映し出される映像は、露出が適用された状態で、それを見ることで、自分が望むような露出になっているか確認できるからです。
ミラーレスのモニタを使うことで、ほぼ間違いなく露出が決定できるのは、デジ一を使った時代には実現できなかったことです。
そのようにして、私はスチルをマニュアル露出で撮影するのですが、その延長で、動画を撮影してみたらどうかと思いつき、今朝、それを実践してみました。
結果は良好です。
すでに書いたように、PPはオフにした状態です。オーソドックスなガンマになっています。
今朝は、スチルを撮影したあと、そのままのマニュアルモードで、スチルを撮ったのと同じISO感度、F値、シャッター速度で、動画録画ボタンを押しました。
マニュアル露出で、自分が望む露出にしてあるので、動画はそのまま撮影をスタートできます。撮った動画は、自分が望むような露出になっています。
これは、動く静止画のようなものですね。
朝の早い時間だったので、日中、陽が射す時間に撮ったらどんな風な動画になるか、日中晴れたら、試してみることにします。
動画の撮影だからといって、シャッター速度をたとえば1/60秒などにこだわらず、スチルの撮影で選んだシャッター速度のまま動画を撮るので、晴れた日中でも、露出は私が望むようなものになるでしょう。
私は、Vloggerなどとは違い、スチルの合間に動画を撮る程度です。今書いたように動画撮影をすれば、動画撮影もはかどるでしょう。