ラグビーワールドカップが日本で開催され、日本が予想外の活躍をすることが加わり、大いに盛り上がっているようです。
個人的にはラグビーという競技に関心がありません。また、大手広告会社の電通などが安倍政権(安倍内閣)や大手マスメディアなどとそれこそタックルを組んで煽るこの手の大規模なイベントに、私は拒否反応しか現れません。
願わくは、日本が決勝トーナメントに進めずにブームが沈静化し、世の中が静かになってもらいたいものです。
私個人のような感覚を持つ者はおそらくごくごく少数派で、国民の多くは今回のワールドカップを機に、ラグビーのルールもままならなま、熱狂したりしているのでしょう。
そんなにわかラグビーブームに水を差しかねない問題が発覚しました。高校のラグビー部で起きていたことがわかったいじめ問題です。
問題が起きたのは、千葉県柏市にある日本体育大学柏高校のラグビー部です。それにしても、これを伝える記事を読むと、嫌悪感しか持てません。
同校のラグビー部が夏休み期間中、長野県で行った合宿中に問題行動があったようです。具体的には、宿舎で3年生部員が1人の2年生の部員に無理やりにわいせつな行為をさせたとされています。
さらに酷いことには、部屋には1年から3年の部員が30人ほどおり、その様子を10人の部員がスマートフォン(スマホ)やAppleのタブレットPC( iPad)で撮影していたことです。
新学期が始まってからも2年生部員への迷惑行為は続き、9月はじめ、わいせつ行為をさせた3年生部員が2年生部員に部室で土下座させ、「俺の奴隷になれ」などといいながら柔らかい円柱形のストレッチ器具で頭を叩くなどしたそうです。
この様子は別の3年生部員が撮影しており、SNSに一時投稿したそうです。
同校は授業にタブレットPCを使っているようですが、教師が被害を受けた2年生部員の端末に問題の動画があるのに気がつき、問題が発覚したそうです。それがおそらく2週間ほど前のことで、以来、同校のラグビー部は活動を自粛しているようです。
それにしても、これだけの行為を「いじめ」の一言で済ませてよいものでしょうか。
報道では「わいせつ行為」とだけ書いていて、具体的なことはわかりません。しかしそれがどれほど酷いことか、容易に想像できるでしょう。
おそらくは、30人の部員がいる部屋の中で、1人の2年生部員は、主犯格の3年生部員から、裸になるよう命令されたのでしょう。思春期の生徒ですから、それだけで死にたくなるほど屈辱的なことのはずです。
そのうえで、主犯格がおそらく求めたのは、大勢の前での自慰(オナニー)行為であろうと想像できます。しかも、10人もの部員がその様子をスマホやiPadで撮影したというのですから、狂っているとしかいいようがありません。
ラグビーといえば、数十年前、スポーツ新聞だったと思いますが、そこに載っていた記事を読み、信じられない気分になったのを思い出します。
ラグビーの強豪大学が毎年夏、長野にある菅平高原で行っている合宿について記事は伝えていました。私が驚いたのはその最終日の“儀式”です。
それが今も続いているのか知りませんが、記事が伝えることには、合宿打ち上げの日には、1年生部員にあることをさせるのが習わしのようです。それは、全裸になったうえ、1人ずつボールを抱えて十数メートル(あるいはもっと?)を走り、最後に地面にトライすることだそうです。
1人の部員がトライを決めるごとに、上級生ははやし立てたりするのでしょう。その様子は一般に公開されているのか、それを目当てに、女性ファンが集まるというようにも書かれていたかもしれません。
そうした下地がラグビーをする競技者にあるのだとしたら、今回発覚したような問題行為もさほど驚くにはあたらないことなのかもしれませんが。
体育会系の集団には、得てしてこのような問題行動がつきものです。その一部は報道されますが、自衛官を養成する学校や警察学校、消防署など、男臭い組織はこの手の問題行為の温床場所といえましょう。
昔でいえば軍隊です。人々は戦争を忌み嫌います。戦争を、他国の兵隊同士が殺し合うことばかり想像していたら、戦争の真の怖さを知らないことになります。
別の面の恐ろしさは、味方であるはずの部隊内部で、体育会系的な行為が日夜展開されていることです。それが非日常の戦争中であれば、鬼畜さを最大限に発揮でき、挙句に相手を死に追いやっても、戦士として処理させることができてしまいます。
無事に戻ることを願う出兵兵士の家族は、遺骨で戻った息子に、「お国のために我が子は散った」と信じたりします。しかし時にその死は、戦争中に起きた性欲のはけ口にされただけであったりするというわけです。
災害が起きると被災地を自衛隊の隊員が多数訪れ、救援活動を展開します。それに多くの国民は感謝します。
たしかに、非常時には頼りになる自衛隊員ですが、私はそうした様子をテレビの報道などで見るたび、彼らに無暗に不気味なものを感じ取ってしまうのです。
2011年3月11日に起きた東日本大震災では、壊滅的な被害によって膨大な数の被災者が発生しました。そうした人たちは避難所生活を余儀なくされました。その避難所のトイレに盗撮カメラが取り付け、一部始終を撮影した輩がいたと聞きます。
その輩の一部に、救援活動に駆けつけた自衛隊員やボランティアの人間がいたという報道を私は見た記憶があります。
人間には深い闇の部分があるのであり、それを知れば知るほど、簡単には他人を信用できなくなります。
それにしても、今回の「いじめ」被害を受けた日体大柏高校の2年生部員の今後が心配です。受けた痛手は相当なものであろうと想像できるからです。
大型で非常に強い台風19号が日本列島に接近中です。この台風がどのようなコースを辿り、どこでどれだけの災害が発生するのか、固唾を飲む状況にあります。
まもなく起きるであろう災害により、今は平穏無事の人たちが短時間で被災者になってしまいます。タイミングが悪いことに、台風が接近する12日夕方は満潮時刻にあたり、東京湾の海面が1~2メートル高くなることもあり、水害の発生も懸念されております。
被災者は避難所生活を余儀なくされ、自衛隊は今回も救援活動を展開するでしょう。そこにどんな“二次被害”が待っているのか想像しますが、私の心は暗くなるばかりです。