大谷選手を巡る問題を時系列で見ると

ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手(1994~)を巡る問題は収まる気配がありません。

本件を解く鍵が大谷選手の通訳を長年に渡って務め、公私とものサポートをした水原一平氏(1984~)にあると考える人が多くいるでしょう。

本件を早くから取材している米国のスポーツ専門局ESPNが、水原氏に電話取材し、水原氏の口から、彼が違法賭博で多額の借金を作り、それを大谷選手に肩代わりしてもらったと一度は述べているからです。

その翌日に水原氏は前日の発言を全面的に撤回しました。それが逆に水原氏への疑惑を強める結果を招いています。

水原氏の発言が真実であれ虚偽であれ、本件のキーマンが水原氏だとする向きが強くあります。

しかし、時系列で見ると、そうともいえなくなります。

米国のスポーツ専門局ESPNは、本件の情報を数カ月前に得、複数の記者が取材していたそうです。ESPNが水原氏に電話取材をしたのは、米国時間の19日午後10時30分、当時、水原氏は、ドジャースがオープン戦と開幕戦をした韓国にいたため、韓国時間では20日の午前11時30分になります。

その電話取材で、水原氏が前述した発言をしています。それが真実であれ虚偽であれ、水原氏の発言が大きな意味を持つように受け取られてきました。

しかし、その一日前に、水原氏の発言と同じ内容を、ドジャースの広報担当がESPNに回答している事実があります。

米国時間の18日午後8時30分、本件に関する質問を大谷選手の代理人に送っています。その質問に対し、大谷選手側に雇用されたばかりという「危機コミュニケーション広報担当」が、質問を受け取ってから数時間後、次のように回答しています。

水原氏の借金の肩代わりとして大谷選手が払った。

本回答には、大谷選手の言葉として、次のことも付け加えています。

数回送った。送金できる最大額だった。

大谷選手の言葉が加えられていることから、球団関係者が大谷に事情を訊き、大谷選手が上のように答えたことが窺われます。

この発言が、水原氏の発言の一日前、ドジャースの広報担当がESPNへの回答にありました。その翌日、水原氏の発言があったのです。このことから、キーマンが水原氏という見方が崩れてきます。

球団の広報担当が述べたことは、同球団の認識と捉えて間違いないと考えます。

回答の中に大谷選手の言葉が入っているため、信用度が増します。

さらには、ESPNへの水原氏の回答があった翌日の米国時間20日の午前10時、韓国時間の20日午後11時、球団幹部が次のような説明をしています。

大谷選手が(水原氏の)借金のカバーを手伝った。

これらの発言のあと、米国時間20日午前11時32分(韓国時間21日午前0時32分)、大谷選手の広報担当が、ESPNに次のように伝えています。

水原氏は嘘をついていた。大谷選手は(水原氏が述べたことを)知らなかった。

ドジャースがESPNに本件を記事にしないよう求めたため、ESPNは正式な回答を求めます。これに対し、球団は米国時間20日午後、球団の弁護士が次のような声明を発表しています。

大谷選手は巨額窃盗の被害者だ。

球団と水原氏の発言を時系列に並べると以上のようになります。このことから、水原氏の発言の前に、球団からほぼ同じ発言があり、その中に、大谷選手の生の言葉があることから、真実味が増しているように感じられます。

しかし、球団からの聞き取りに、元通訳の水原氏と大谷選手が真実でないことを述べているとすれば、球団から当初提出された話も修正する必要が出てきます。

私個人の疑問は、大谷選手が水原氏の違法賭博の借金を肩代わりに応じたとして、それを数カ月に渡って、自分の銀行口座から8回から9回に分けてするだろうかということです。

本件を取り上げた過去の更新でも書きましたが、肩代わりをするなら、一度の送金で済ますのではと私は考えます。それが、数カ月に渡って8回から9回もしています。この部分は謎です。

大谷選手は、水原氏に返済用のお金を渡すと、また違法賭博に使う可能性があるとして、自分の口座から直接胴元へ送金したとしていますが、そうであっても、送金は水原氏の銀行口座なりにすべきであったように思います。これも謎です。

このようなことがあるため、大谷選手の銀行口座から違法賭博の胴元へ8回から9回に分けて送金したお金は、大谷選手自身が違法賭博をするためか、先物取引で損質が膨らんでしまったため、証拠金が必要となり、そのために送金したあとではないのかといった疑いが生じかねません。

数日前、卓球の元選手で、オリンピックにも出場している水谷隼氏(1989~)が、株式投資のデイトレードで自分の見立てとは反対方向に動き、大きな損失を出したことがニュースになりました。

このように、スポーツ一筋と思われているような人でも、そこから離れた一面を持っていたりします。「永遠の野球少年」のように思われている大谷選手にそれがないとはいえません。

米国で大リーグの開幕日が迫っています。大谷選手は、自身の身が潔白なのであれば、記者会見を開き、集まった記者たちに真相を語るべきです。

世界中の大谷選手ファンをそれを待ち望んでいます。

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