ロンドン・オリンピックが始まってからというもの、国内の新聞、テレビはオリンピック一色に染まっています。
私はといいますと、本コーナーでも何度か書いていますように、この手の“バカ騒ぎ”には関心がありません。が、本コーナーの“天気コーナー”の更新の参考にするため、午後7時前に気象情報が放送されるNHK総合にチャンネルを合わせる習慣があります。
“みなさまのNHK”は、国民から広く徴収した税金、、、? いや、受信料をこの“バカ騒ぎ”に惜しみなく注ぎ込み、狂ったようにオリンピック中継をしています。そのあおりで、私が見たい気象情報の時間が削られてしまっています。まったく腹立たしい“バカ騒ぎ”です(´・ω・`)
ただ、バカバカしいとはいいながら、今回は、その“天気コーナー”の更新が終えたあとの時間に生中継されている柔道競技を見る習慣がついてしまいました。私はサッカーやバレーボールといった団体競技にはまったく関心がないのに対し、柔道のような個人競技は好きです。とはいえ、私は午後9時前に眠る習慣がありますので、準々決勝のあたりまで見て、その後の結果を一切気にすることなくスヤスヤと眠ってしまいますが(つ∀-)
その女子柔道の57キロ級で日本の選手が金メダルを獲得しました。日本選手団初の金メダリストとなったのは松本薫選手です。翌日に新聞に載っていた松本選手のコメントがなかなか良かったです。
もともとが他人にはあまり関心を持たない性質なのか、対戦の可能性がある選手を調べまくる傾向が強い今の時代にあり、松本選手はといえば我が道を往くで、「他人は他人。自分は自分」と、ライバルの映像を見て研究することもしないようです。
新聞には、「これまでオリンピックはあまり見てこなかった。他人の試合を見てもしょうがないので」というようなコメントが載っていたように記憶しています(←違っていることに気がついたらあとで訂正します)。
松本選手は鮮やかな一本勝ちといった勝ち方ではなかったように思いますが、とにかく自分を信じて相手に突進していくような戦い方が彼女には合っているでしょう。
と、ここまでは予定になかったことを書いてしまいましたf(^_^) 今回私が書きたいのは、大会の幕開けとなった開会式で日本選手団だけを狙い撃ちするように起こった事件あるいは事故についてです。そんな珍事があったことを、私は昨日になってネットで知りました。
“バカ騒ぎ”が苦手な私は開会式にもまったく関心がなく、録画もしませんでしたが、今回ばかりは録画しておくんだった、と事件を知ったあとに思いました。
オリンピックの開会式といいますと、東京オリンピックの開会式を思い出します。その頃の開会式は、大選手団の入場と聖火の点火がメインで、今の開会式には付き物の開催国の“歴史絵巻”のようなデモンストレーションはありませんでした。
時代が変わっても、大会に参加する選手が主役であることは変わらないでしょう。しかし、そのあたりについての考え方が変わったのか、それとも今回の大会だけがそうなのか私は知らないのですが、入場行進をした日本選手団は40人ほどだったそうですね。ちなみに、今回の日本選手団は約500人に達するそうです。全員とはいわないまでも、半分にしても250人ぐらいは入場行進したように勘違いしていました。
開会式を日本で中継したのはNHKです。実況を担当したのはNHKの武田真一アナウンサーと廣瀬智美アナウンサーであったことをあとで確認しました。
NHKのオリンピック中継を見ればわかりますが、もっぱら日本選手の活躍にだけ焦点を合わせています。ならば、開会式の中継でも、テレビを見る国民が注目している日本選手の動向をNHKの両アナウンサーも追うでしょう。
間もなく、甲子園球場で高校野球の全国大会が始まります。必ず大会の開会式が行われますが、入場行進を終えた参加校は、グラウンドに整列します。が、その中で、1校だけ行進の途中で球場の外へ出されるようなことが起こったらどうでしょう。大会を主催する朝日新聞は、選手への負担を軽くするために採られた措置、というように報道するのでしょうか?
それはともかく、高校球児の行進をテレビ中継で実況するNHKアナウンサーが、1校だけ場外に出て行くのを見落とすようなことがあるでしょうか? そんなことはあり得ないと思います。しかし、今度のオリンピックの開会式で、他ならぬ日本の選手団がそのような扱いを受けたのに、実況していたNHKのアナウンサーおふたりは特別不思議に感じなかったようです。
その場面の動画がネットの動画共有サイトYouTubeに上がっていて見ましたが、NHKの武田チーフアナウンサーは、事故あるいは事件という認識は持たない風情で、のんびりと「日本選手団は一旦この会場をあとにするんでしょうかねぇ」とコメントしているだけです。
グランドを一周したあとかどうかわかりませんが(ネットの情報によれば、半周ぐらいしか行進できなかったみたいですね)、スタンドを埋めた見客ににこやかに小旗を振りながら行進してきた日本選手団の行く手に、6人ぐらいの係員が手をつないで通せんぼをしています。
行く手を遮られた選手や役員は、誘導されるまま、右手に折れて出口へと向かって歩いていきます。会場を出るまで小旗を振っているのが哀しいです。
日本の前を行進するジャマイカの選手団がどのように誘導されているかは後ろを行進する日本選手団も目で確認できたでしょうから、「あれ? こっちでいいのかな?」といった戸惑いがあったかもしれません。
しかし、世界の多くの国が注目するオリンピックの開会式なので、初歩的なミスはないだろう、と自分にいい聞かせてその指示に従ったかどうか、手や小旗を振りながら日本選手団約40名は会場の外へと誘導されていきました。行進の順番が来るまで、外で4時間ほども待たされたあとの「仕打ち」です。
日本選手団を会場の外へ誘導したあと、会場に残ったその他の参加国は、聖火の入場と点火というメイン・イベントを中心とするセレモニーに参加し、これから始まる競技への闘志を燃やしていたでしょう。
一方、何が何やらわからないうちにスタジムを出てしまった日本選手団は、キツネにつままれたような気分になっていたかもしれません。
今回のオリンピックで日本選手団の旗手を務めた女子レスリングの吉田沙保里選手が、わけがわからないといった表情で日の丸を持っている様子が映っています。吉田選手には、レスリング競技でぜひとも金メダルを奪い取って欲しいと思いました。表彰台へ向かう途中で吉田選手だけが通せんぼをされ、メダルを受け取れないままレスリング会場の外へ誘導されるようなミスだけはまさか起こらないだろう、と願いつつ。
どうしてあのようなことが起こったのかはわかりません。途中でも書きましたように、6人ぐらいの係員が手をつないで日本選手団の行方を遮っていたのですから、そうするように誰かから指示があってのことと思います。好意的に考えれば手違いなのかもしれませんが、あのような手違いは、よほど無理をしない限り起こりようもないと素人目には映りました。
途中で書きましたが、夏の全国高校野球の開会式で、参加校の1校だけ、行進を係員に遮られて甲子園球場の外へ出されるようなことがあったら、それに気がついた見客が大騒ぎするでしょうし、誘導された選手も抗議するかもしれません。どちらにしろ、起こり得ないようなことです。
また、それを中継するNHKのアナウンサーが、「○△高校だけは、このあとの試合に備えて一旦甲子園球場をあとにするんでしょうかねぇ」と呑気にアナウンスすることも想像できません(´・ω・`)
ロンドン・オリンピックの開会式で現実にあり得ないようなことが起きたというのに、NHKの中継は何も問題がないかのように放送が進行したのでしょう。また、どの会場にも日本からたくさんの報道陣がかけつけています。ですから、望遠レンズをつけたカメラで日本選手の一挙手一投足を狙っていたでしょう。
彼らは、行進を終えた選手の表情も当然狙うつもりだったハズです。ですから、グラウンドに一人の日本選手がいないことに気がつかないハズはありません。しかし、滞りなく式は進み、アトラクションに酔うフィールド上の他の国の選手やスタンドの見客を映し続けたのでしょうか。
その同じ時間、除け者扱いされるように会場の外へ出されてしまった日本の選手や役員は、どのような思いで時間を過ごしたでしょう。ちなみに、行進に参加していた日本選手団の副団長は自民党の橋本聖子参議院議員です。
開会式では、インド選手団と一緒に無関係の謎の女性が一緒に行進していたことがわかり、日本のマスメディアも面白おかしく伝えました。インド選手団がこの謎の女性に先導されて場外へ誘導されたのであれば、わからなくもないのですが、普通に行進していた日本選手団だけなぜ誤った誘導によって場外へ出てしまわなければならなかったのでしょうか。
それに加えて不可解なのは、最高に注目していた日本選手団が行進の途中で場外へ出てしまったというのに、これを問題視する新聞やテレビがひとつもないことです。
この事件あるいは事故を今日の産経新聞が3面で小さく報じていますが、行進に参加した日本選手側から不満は出ていないようだと報じ、大会組織委員会などに特別な対応は求めそうにない日本選手団の対応に理解を示すような書き方になっています。
産経新聞といえば、“なんちゃって”はつくものの、一応は“愛国主義”的な報道姿勢を採るつもりでいるんでしょ? だったら、もしかしたら日本はm9(^Д^)プギャー! と小バカにされるようなイタズラや嫌がらせをされたかもしれないのだから、断固として主催者側なりに抗議すべきだ! と主張しないとおかしいでしょう( ・`ω・´)
大会が終わって帰国したら、日本オリンピック委員会(JOC)の責任者に取材し、事の詳細や、誤って(故意に?)場外へ出されてしまったときの気持ちなどを、報道機関として責任をもって報道すべきです。
もしも同じことが日本で開いた大会で起こったなら、全新聞、全テレビが一斉に大会の組織委員会を批判し、事の真相を暴くことに躍起となることでしょう。
他国で起きたことに当事国である日本のマスメディアがまったく取り上げないというのは異常すぎます。
関係者の覚悟ある対応を強く求めます。なお、JOCのパートナー企業が公表されていますので、そちらに迷惑にならない程度に問い合わせることで、真相の一端が明らかになる、かもしれません。