私はいろいろなものに、次々、熱中します。今は、ストップモーション・アニメーションに熱中しています。
ストップモーション・アニメーションを日本では「コマ撮り」ともいいます。これは映画をフィルムで作っていた頃の名残でしょう。
映画は人や物、風景が動いて見えます。しかし、1コマ1コマは静止画です。それが、連続して再生されると動いて見えます。それを撮影するのがムービーカメラです。
商業映画は、1秒間に24コマ撮影します。デジタル時代の今は、「コマ」を「フレーム」というようになりました。デジタルのカメラで昔風の24コマ撮影が、今は24フレーム(fps)といったりします。
いい方は変わっても原理は同じです。
1秒間に撮影するフレーム数が多いほど動きが滑らかに見えるという人がいます。24fpsより30fps、いや、60fpsがいい、といった具合に。
ネットの動画共有サイトYouTubeは、30fpsがデフォルトなのでしょうか?
動く物をムービーカメラで撮れば、そのフレーム数がいくつでも、撮った動画に写る物は動いて見えます。
この原理を使って表現するのがストップモーション・アニメーションです。
ムービーカメラで撮影した動画も、1フレームを止めて見れば、ただの静止画です。であれば、静止画を1フレームずつ撮影し、それを連続再生させれば動きを持つ動画になるだろう、といったようにです。
私は今月、ストップモーション・アニメーションを作れるStop Motion Studioというアプリに興味を持ち、早速使い始めました。
これには有料版のProがついたアプリがあります。ストップモーション・アニメーションに惹かれた私は、有料版のStop Motion Studio Proに乗り換えました。
このアプリは、無料版も有料版も、デフォルトの撮影フレームレートは5です。5fpsということです。基準となる30fpsの1/6です。このフレームレートで作ったアニメーションをYouTubeにアップロードすると、普通に再生されます。
YouTubeの標準のフレーム数が30fpsであるのであれば、5fpsで作ったアニメの場合は、作ったときの6倍の速さで再生されるのでは? と疑問を持つ人がいるかもしれません。
考えてみれば不思議です。
Stop Motion StudioおよびStop Motion Studio Proは、1秒間に1フレームから30フレームまで設定できるようになっています。私が昨日作ったアニメは、デフォルトの5fpsにしました。
仮に、1fpsで作り、それをYouTubeにアップロードしても、ちゃんとアニメとして再生されるでしょうか? 再生されるでしょう。ただし、1秒ごとの動きになるため、カクカクしたアニメになるでしょうけれど。
それにしても、どうして、30fpsが基準なのかもしれないYouTubeで1fpsのアニメが再生できるのでしょう?
これは私の考えです。おそらくは、30fps以下のフレームレートで作ったアニメを、Stop Motion Studioは、すべて、30fpsで書き出すのだと思います。
ですから、1fpsのアニメは、30倍「水増し」になります。具体的には、1回シャッターを切ったときに、同じ静止画が30枚できるということです。
同じ考えで、私が昨日作った5fpsアニメの場合は、1回のシャッターにつき、6枚の静止画が作られるということです。それを、使っている人が意識しないで済むように設計されているのでしょう。
同じようなことは、これまでにも、普通に行われてきました。
民生用ビデオカメラでも、フレームレートを自分で選ぶことができます。たとえば、映画のような表現にしたいからと、24fpsを選ぶといったように。
しかし、民生用ビデオカメラを使って撮影する限り、どんなフレームレートを選択しても、実質的には、60i(59.94i)で記録されます。この場合の「i」は「インターレス」です。
そのことは、民生用ビデオカメラで撮影した動画を、動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioに読み込んだときにわかります。
動画ファイルを読み込む前に、フレームレートを設定する項目があります。ビデオカメラの24fpsで撮影したのだから、24fpsとすると、フレームレートを変更するかどうか訊かれます。
そこで、今度は、より正確な23.97fpsにして、これで問題ないだろうと思うと、またしても、変更するかどうか訊かれます。
ビデオカメラの24fpsで撮った動画は、24fpsでも23.97fpsでもないということです。
私もそんな経験をしました。わからなくなり、では、一体、どのfpsに設定すればいいのか、と。
答えは、59.94fpsにし、なおかつ、[インターレス処理を有効化]にチェックを入れることで初めて、正しいフレームレートと認識してくれます。
それでも、ビデオカメラで24fpsを選択できるのは、それを望む人がいるからです。そんな人に合わせ、カメラの内部でその表現に近い処理が行われるのでしょう。
具体的には、1フレームの長さを微調整し、60i(59.94i)に合わせるのだと思います。
同じようにして、Stop Motion Studioは、1fpsで撮ったアニメも、30fps基準のアニメにしてくれ、YouTubeにアップロードしても、正常に再生されるということなのでしょう。
Stop Motion Studioを使い始める前は、30fpsでアニメを作るのなら、1秒あたり30回、スチルを撮影しなければならないと考えていました。
撮影する枚数が多いほど、動きは滑らかになります。しかし、それに比例して、撮影の手間がかかります。ですから、アニメを60fpsで作る人は少ないと思います。
それが、5fpsで作れるのであれば、30fpsに比べても、1/6の手間で済みます。
私が昨日作ったアニメは長さが20秒ほどです。これを30fpsで作ろうと思ったら、スチルを600枚撮影しなければなりません。
Stop Motion Studioは、固定した画面の場合はあらかじめ撮影枚数を指定することができることもあり、28回シャッターを切っただけで作ることができました。
今は、1fpsでアニメを作ったらどのように見えるだろと考えています。ということで、これを投稿したら、実際に試すかもしれません。