自分に適した動画設定が見つかった

このところ、私の関心は音にありました。

自分が使っている機材を使い、より良い音に収録したり、収録が終わった音声データを、より良い音になるような加工について、自分なりに考え、実践しました。

私は専門家ではないため、どこまでいっても、アマチュアの独りよがりにはちがいありません。それでも、個人が趣味で愉しむ分には、それでも良いと考えています。

音の扱い方を自分なりに把握できて来たことで、今度は、動画も、より良い動画が撮れるよう、自分なりに研究してみました。

撮りっぱなしの動画であれば、私が使うソニーのミラーレス一眼カメラのα7 IIの場合は、ピクチャープロファイル(PP)が1(PP1)のMovieガンマを使うのが手っ取り早いです。

ソニーのα7 IIにFE 24-240mm F3.5-6.3

しかし、PP1で撮った動画は、ビデオカメラで撮ったのより少し良い程度で、基本的にはどこまでいってもビデオチックな映像です。

このガンマはダイナミックレンジが狭いので、撮ったあとの色編集はできないと考えた方が良さそうです。

撮影後に色編集を考えれば、PP7のS-Log2ガンマがいいだろうと考えて、試験撮影してみるのですが、このガンマは、撮影そのものが難しくなります。

私が一番難しく感じるのは露出の設定です。

私が使うα7 IIは、LUTを入れて使うことができず、Log特有の、非常に眠い画面を見ながら撮影するのを強いられます。コントラストが極端に低く、被写体の様子は確認しにくいです。

肝心の露出は、ファインダーを観察してもわからず、結局、プラスマイナス0ぐらいの露出にせざるを得ません。

α7 IIを使ってスチルの撮影をするとき、私はマニュアル露出で撮影します。そのときは露出計の表示は無視します。ファインダーを見て、自分が望むような明るさになるよう、露出設定の三要素であるISO感度F値シャッター速度を調節します。

同じことがLog撮影ではできず、プラスマイナス0で撮影した動画は、結果的には、私が望むよりも露出オーバーで撮れることが多いです。

また、α7 IIでS-Log2ガンマの撮影をするときは、ISO感度がISO1600始まりになってしまい、晴れた日の屋外の撮影は条件が非常に厳しくなります。

このところは、フレームレートを60i(インターレース)で撮影するようになりましたが、この場合のシャッター速度は、1/60秒を基本としています。

ISO1600でシャッター速度が1/60秒なのですから、晴れた屋外の作榮が厳しくなるのは避けられません。

それやこれやで、何かいい方法がないかと考え、ほかのPPを確認しました。

そのPPは以前から知っていましたが、それがどのような用途に合っているのかは知りませんでした。私が注目したのはS-Log2ガンマのひとつ手前のPP6です。

カメラの説明書で確認すると、これは”ITU709(800%)”で、「[S-Log2]または[S-Log3]撮影前提のシーン確認用ガンマカーブ」と書かれています。

この説明でわかる人はすぐにわかるのでしょうが、私には今ひとつわかりにくいです。

このPPを選んでファインダーを覗くと、S-Log2ガンマのときに比べて、コントラストと色味が強く出て、とても見やすいです。

問題は、このPPを利用すると、見やすい映像でS-Log2ガンマの撮影ができるのか? と結果的には勘違いしてしまった私です。

PP6で試しに撮影してみました。

使ってみてわかりましたが、このガンマは、ISO感度がISO200から使えます。これは非常に便利で、晴れた日の屋外で動画を撮る時、レンズから入る光量を下げるNDフィルターを使わずに済みそうです。

撮影済みのファイルを編集ソフトで確認すると、S-Log2ガンマでとったのと比べ、全体的にコントラストと色味が強めに出ており、簡単に、望むようなコントラストと色味に戻すことができました。

それで、これは本当にS-Log2ガンマの動画なのか疑問に思い、ネットで検索し、次の解説ページを見つけました。

ページに書かれていることを確認し、私が勘違いしていたことに気がつきました。結論からいいますと、PP6は「Cine2ガンマ」です。

私は以前、S-Log2ガンマ以外を模索した時、PP5のCine1ガンマを試したことがあり、自分なりに扱いやすく感じました。PP6はCine2ガンマだったわけで、同じように扱いやすく感じたということになります。

上にリンクを張ったページの解説によりますと、Cine1ガンマよりもCine2ガンマを選択した方が良さそうです。

S-Log2ガンマに比べるとダイナミックが狭くなりますが、色を載せやすく、何より、すでに書いたような理由で、適切な露出を得られやすいのが何より助かります。

そして、こちらもすでに書きましたが、ISO感度をISO200から使えるため、晴れた屋外での撮影が楽になります。

本ページにリンクを張ったページでも、日中の明るい撮影時に最適なピクチャープロファイルと紹介されています。そして、夜間の撮影にS-Log2ガンマを使うと良い、とも書かれています。

そのように割り切れば、S-Log2ガンマのISO感度がISO1600始まりは、逆に好都合となります。

晴れ日の撮影で、無理してS-Log2ガンマで撮影することがなかったことを今頃になって気がついている私です。

ともあれ、参考になるページを見つけたことで、動画撮影に関するもやもやが晴れました。今後は、外で動画を撮影するときは、PP6のCine2ガンマを迷わず選ぶことにしましょう。

そのガンマで撮影した動画は、ビデオチックな映像ではなく、よりフィルムに近づいた映像で、しかも、扱いが簡単です。いうことありません。

音と映像に一定の理解が進んだことで、気分がよくなってきました。

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