昨日発売になった週刊誌『週刊文春』の最新号(6月21日号)の目玉記事は、何といっても、民主党の元代表・小沢一郎氏が妻(←元妻?)から三行半(離縁状)を突きつけられたことを報じる記事でしょう。
芸能界でも、表向きはとても仲の良いおしどり夫婦のように見られながら、実際は、家の中ではお互い口もきかない関係であったりするのは珍しい話ではありません。事ほど左様に、夫婦間のことは赤の他人にはわかりません。
小沢氏夫婦は、これまで世間からどのように受け止められていたのか私は知りませんが、妻の方からの三行半に私は驚き、早速目当ての週刊誌を買い求めて、和子夫人がお書きになったという11枚の便せんにしたためられた小沢一郎という夫への恨み辛みに目を通しました。
読み終わっての素直な感想は、文章がお上手ということです。文章を書き慣れない人が、いきなり、「便せん11枚に今の自分の心境を過不足なく書いてごらん」といわれても、困るでしょう。ということは、日頃から文章を書き慣れていた、のでしょうか。便せん数枚が写真で紹介されていますが、文字も整っています。
和子夫人の文章で私が特徴的だと思ったのは、読点と句点をほとんど打たずに文章を書かれていることです。
ただ、読点を打つべきところは、次の文字との間に適度な間隔を開けています。また、句点のあとは、読点のときよりも間隔を開けているため、読みづらくならないよう配慮されています。
この手紙がどのような経緯で週刊誌に載ることになったのかはわかりませんが、小沢氏の選挙区である東北岩手の支援者に出したもののようです。
冒頭でも書きましたが、夫婦といっても、もとは赤の他人です。幼友達同士が結婚したなら、育った環境もよくわかっているでしょうが、大人になってから出会って結婚したなら、相手がどのような環境で育ったかもわからないことがあるでしょう。
それでも、長いこと一緒にいれば、相手のいいところも悪いところもわかるのではないでしょうか。相手の欠点も、自分が我慢すれば済む程度であれば、波風を立てずにやり過ごすこともできるかもしれません。
夫婦間のことで一番波風が立ちやすいのは、相手が自分以外の異性と不倫している場合ではないでしょうか。小沢氏にもそのような女性がいたようで、8年前に気づいたとき、愛人との間に生まれたお嬢さんが20歳を過ぎていたそうですから、今から30年も前から不倫していたことになりそうです。
いや、この場合は不倫にはあたりませんね。愛人でもありません。恋人といっておきましょう。どうやらその女性は水商売の女性だったようです。
小沢氏の経歴を確認しますと、衆院選で初当選したのが27歳ですから、その女性と付き合っていた頃はすでに衆議院議員です。自民党の若手のホープとして期待されていたでしょう。
小沢氏といえば強面の印象が強くあります。が、内面は顔つきに似ず繊細である、といった話も洩れ聞こえてきます。
水商売で働くその女性を一途に愛していたかどうかは知りませんが、国会議員の相手にはふさわしくないと反対され、渋々従ったのでしょうか。その女性との結婚は諦めています。その後、田中角栄氏の紹介で和子氏と出会い、そのまま婚姻関係を結んだようです。
『週刊文春』今週号に小沢さんが妻から三行半突きつけられた記事が載ると、例の小沢氏を絶対的に支持するリチャード・コシミズ(本名・輿水正)氏と、取り巻きの“独立党”(「リチャード・コシミズ後援会 独立党」)およびそれに同調する人たちは、早速過剰に反応し、小沢氏支援の一点張りで盛んな書き込みを展開しています。
私も今回のことがあるまで、和子氏がどのような生まれかは知りませんでした。「日本列島改造論」で知られる田中角栄元総理が薦めた相手らしく、和子氏の実家は新潟県の中堅ゼネコンの「福田組」だそうですね。
コシミズ氏のブログにある書き込みには、和子氏は創価学会の会員に違いない、といったものが見受けられますが、これは確認が採れていませんので私にはわかりません。
小沢氏の隠し子が発覚した8年前から、夫婦は冷えた関係にあったようで、自宅内に別棟を建て、別々に暮らしていたそうです。いわゆる家庭内離婚というヤツですか。私は独り者で、一度も結婚したことがなく、従って離婚もできないわけですが(←結婚もしていないのに離婚ができたら天地がひっくり返る?)、同じ敷地内で暮らしながら離婚状態にあるというのは、これはこれで神経がすり減りそうですね。
それがなぜ、今になって離婚を決意したのかですが、昨年の3月11日に起こった東日本大震災とそのあとにその影響で起きてしまった福島第一原子力発電所事故がきっかけだといいます。
3月16日といいますから、原発が炉心溶融を起こすなど、大変な事態になっていた頃です。その日の朝、川辺氏という第一秘書が和子氏のところへやって来て、東京から逃げるよう忠告されたそうです。
その秘書が和子氏に語ったことによれば、内々に放射能の情報を得た小沢氏は、秘書たちに東京から脱出することを命令したそうです。その報告に来た秘書も、すでに家族を大阪へ避難させた、とあります。そして、「先生(小沢一郎)も逃げますので、奥さんも息子さん達もどこか逃げる所を考えてください」といったそうです。
この通りのやり取りが実際にあったのかどうかは確認のしようがありません。が、大地震と、何より原発事故のあと、小沢氏が表舞台から消えてしまったことは私の印象にも強く残っています。そして、こういう国難のときこそ、国会議員は率先して行動すべきではないのか、と大いに不満に思いました。
和子氏も同じような思いであったようで、第一秘書の申し出に仰天し、「国会議員が真っ先に逃げてどうするの!」「(放射能の)情報があるならなぜ国民に知らせないの」と秘書にいい、最後には「私は逃げません。政治家が真っ先に逃げ出すとは何事ですか!」と怒鳴った、とあります。
これはあくまでも和子氏のいい分で、実際はどうだったかは今のところ確認できません。でも、確認するのは難しくもありません。まずは、小沢氏の秘書と家族が、原発事故のあと、どこにいてどのようなことをしていたかを取材すれば明らかにできることが多いでしょう。
秘書の川辺氏から報告を受けた小沢氏は、すぐに東京を脱出することは諦め、家に鍵をかけて閉じこもり、まったく外へ出なかったそうです。その後、国会では復興法案の審議をしていますが、それも欠席しているようです。これは記録が残っているでしょうから、今から確認することで、それが事実かどうかはわかるでしょう。
ちなみに、16日の朝に和子氏のところへ知らせに来た川辺秘書と女性秘書たちは、東京から脱出し、1カ月ほどは戻ってこなかったとあります。
昨年の3月25日、家に籠もっていた小沢氏は、旅行カバンを持って自宅を出て行ったこともあったそうです。素人の私も感じたぐらいですから、マスメディアも小沢氏が表立って何も行動を起こさないことを訝しく思ったのでしょう。「小沢さんはどこへ行った?」と自宅前にテレビカメラが3、4台据えられ、20人ぐらいの記者が押しかけてきたそうです。
その動きを察知した小沢氏は「まずい!」と感じたか、28日に脱出先から岩手県庁へ飛んでいます。ただ、被災地へは行っていないそうです。4月に入ってからも家に閉じこもりっきりだった、と和子氏は手紙の中に記しています。
リチャード・コシミズ氏一派は、地震も原発事故も“敵”が仕掛けたことだ、と主張し、放射能被害を恐れる国民をあざ笑っていました。彼らは、“やらせ事故”の前に原子炉から燃料棒は抜き取ってあった。だから、炉心溶融なんてものがそもそも起こるわけがなく、ない危険を政府が煽り、パニックを起こそうとしているに決まっている、といい張って譲りませんでした。
ということは、放射能被害を恐れて東京を脱出した小沢氏と秘書たちは、彼らのいう典型的な“B層(愚民)”ということになるのでしょうか(´・ω・`)?
そういえば、コシミズさん一派の書き込み情報の中に、放射能なんてちっとも怖がる必要がない証拠に、原発の近くに住んでいた人が事故後も避難せずにいるが、何の問題もない、というような書き込みがあったと記憶していますが、その男性は今も同じ場所で元気に生きている、のでしょうか?
また、「ビデオニュース・ドットコム」の神保哲生氏が、事故直後(だったと思う)の福島原発へ車を運転して向かい、普段の服装で無防備に原発近くを歩いてビデオ撮影した動画を見ましたが、「随分無茶をするなぁ」と感じたのを思い出しました。
それにしても、コシミズ氏や彼の取り巻きは、未だに燃料棒はなかった=放射能汚染は起きていない、と信じているのでしょうか。だとしたら相当おめでたいといわざるを得ません。
しかし、成り行き状そんな話になってしまったものの、コシミズ氏は放射能被害を恐れていたように私は感じました。その証拠になるかどうかわかりませんが、原発事故から少し経った頃、私が知る限り、彼は2度日本から脱出しています。彼を“大将”と慕う一派の人々は、突然、“大将”からの音沙汰がなくなり、とても不安に駆られていました。
理由があって海外へ行ったのならいいのですが、もし海外へ行くことだけが理由であったら、小沢氏が東京から脱出した行為と変わらないことになります。コシミズ氏、本当は放射能被害を恐れたのでしょ? だったら、ブログで展開している“持論”と行動が正反対ではないですか?
彼らは小沢一郎氏を神の如く仰いでいますので、小沢氏に絶対服従で、小沢氏を悪くいう人は“敵”とみなして総攻撃します。今回は、小沢氏の元妻(←といってしまってもいいのでしょうか?)の和子氏を“敵”認定して攻撃状態にあります。
ただ、攻撃を仕掛ける前に、和子氏が手紙の中で小沢氏の隠し子であるお嬢さんの実名をお書きになっています(『週刊文春』誌上では名前の部分は黒く塗り潰されています)。ですので、お嬢さんの周辺を取材し、和子氏がお書きになったことが正しいのか正しくないのか、ぐらいのことは確認し、間違っていたらそれを批判するぐらいのことはして然るべきでしょう。
また、途中でも書きましたが、小沢氏の女性秘書たちは東京から1カ月ほど脱出していたとお書きになっていますので、それも真偽を確認し、間違っていれば指摘すればいいでしょう。
こうしたことを何もせず、条件反射で反小沢的なものを攻撃しても説得力がありません。こういう行為は「盲信」といいます。
ともあれ、こうした手紙が今のタイミングで表沙汰にされたことや、それが載ったのが、田中角栄という力を持った政治家をを政界から葬り去った「ロッキード事件」の火付け役だった文芸春秋社の週刊誌というのがかなり引っかかることも事実です。
ただ、原発事故後の小沢氏の指示や行動が、和子氏が手紙にお書きになった通りであったら、小沢氏絶対支持のコシミズ氏一派は、それでも小沢氏を乗せた神輿を担ぎ続けるのでしょうか。
コシミズ氏一派が産経新聞が大嫌いなことを知っています。私も大嫌いですので、この点では考え方を充分共有できますが、原発については、コシミズ氏一派と産経の考え方が一致しているのが奇妙です。
彼らのいい分では、ロックフェラーやロスチャイルドらが企む“地球征服”の片棒を担ぐのが韓国のカルト宗教団体統一教会で、同教団の政治団体である勝共連合に自民党の国会議員が多数取り込まれている、ということになります。だから、その自民の助っ人新聞である産経は、つまりは、ロスチャイルドや統一、勝共連合の機関誌ということもできるでしょう。この辺りまでは私も理解ができます。
理解不能なのは、そのようにわかっている彼らが、なぜ、原子力事故や政策においては産経と同一歩調を採るのか。ここがどうしても理解できません。
田中角栄は原発推進派でした。その角栄氏を親分とする小沢氏は、放射能を怖がりながらも、原発を推進したいことには変わりないのでしょう。であれば、その小沢氏を絶対視する彼らは、原発を止めようとはいい出せないのでしょう。
しかし、ある政治家を支援するため、望むべき社会を放棄してしまっては、本末転倒にはならないのでしょうか(´・ω・`)?