2002/10/01 泡沫人?秋山祐徳太子

今日の地方紙・ブックレビューのコーナーに、私の関心を引く書評が載っています。

美術家・秋山祐徳太子19352020)の近著『泡沫傑人列伝 知られざる超前衛』二玄社/1500円)の紹介記事です。

私が秋山の存在を知ったのは、毎週日曜日に放送されています「日曜美術館」にゲストで出演された時です。

忘れもしません。1989年5月21日の放送で、その日は画家・牧野邦夫を紹介しました。私はそれまで聞いたことのない名前の画家でしたので、午前9時からの放送は寝転がって何の気なしに見始めました。

孤高の画家 牧野邦夫

まさかないだろうという気持ちで「まきのくにお」と入力し、「牧野邦夫」と変換してみる。続いて検索のボタンをクリックする。思いがけず、彼牧野邦夫のサイトが見つかった。正直いって驚いた。まさか本当に見つかるとは思っていなかったからだ。ネットを始めて3カ月(1999年11月下旬時点)、これまでこの名前を検索しないでいたことが不思議なほどだ。

私が初めて彼の名前を知ったのは、「日曜美術館」(NHK教育)でだった。今回彼のサイトで確認したら、その放送があったのは1989年であったらしい。ちょうど10年前ということになる。その放送を見て、鳥肌がたったのを今でもよく憶えている。「こんな画家がいたのか」と。その時の放送はビデオに収めてあり、その後何度も繰り返して観ることになる。

その放送があった翌年、彼の作品を実際に観る機会に恵まれた。新宿の小田急百貨店内の「小田急グランド・ギャラリー」で開かれた『牧野邦夫展』でである。

それまで彼の作品を幾度となくビデオで見ていた私は、会場で実物を目にしたとき、何とも不思議な懐かしさを覚えた。また、その会場内で自分ほど彼の作品を識る者は他にいないだろう、というヘンな自負も持った。

その時に会場脇の売店で買った『見る人間・牧野邦夫』(牧野千穂 著)は今も手元にあるが、繰り返し読んだこともありボロボロになってしまった。この本の中に、次のようなことが書かれている。牧野邦夫という人間を端的に表現していると思われるので、引用させていただく。

Nちゃんからおおよそのことは聞いていたので、普通の絵描きさんとは少し違う人だろうとは思っていたが、ドアを開けてくれた牧野の顔を見て、これまでに出会ったことのない、まったく異質の世界の人だと感じた。強く鋭い視線で見られると、そこが痛くなりそうな気がした。澄んだ目と、身体全体から髪の毛が逆立ちそうなピリピリした緊張感が伝わり、ただでさえ固くなっている私は怖いと思った。(『見る人間・牧野邦夫』p.4)

私は、レンブラントよりもスタートが30年遅れている。従って、彼のような絵を描くためには、63歳で死んだレンブラントよりも30年余計に生きなければならない。

これは彼が残した言葉だ。彼はレンブラントを心から尊敬し、少しでも彼に近づこうとしていたのだ。残念ながら牧野は90過ぎまで生きることはできず、61歳でこの世を去っている。先に書いた「日曜美術館」の中でゲストの秋山祐徳太子氏は、「それは、牧野さんが師であるブラントの影を踏まずの精神で、師よりも2年早くこの世を去ったということなんでしょう。この辺りにも牧野さんの優しさを感じます」といい表している。

2011/11/21 建築家・安藤忠雄さんのペインティング動画

いつもは“気まぐれトーク”をして、自分のトークを自分で聴きながら文章に書き起こす形で更新をしますが、今回はトークはナシで、いきなり文章による更新をしています。

昨日、おとといの2日間をかけ、動画を1本作りました。今回はその紹介です。内容は、私が描いた主に有名人を中心とする「ポートレイトの小箱」用のポートレイトを描く過程を撮影した動画です。今回は、建築家の安藤忠雄さんを描かせてもらいました。

2012/05/06 静止画96枚で作った井川遥さんの動画

本日は、新聞に載った有名人の写真を素に、自分の眼と手を訓練する目的で描く「ポートレイトの小箱」用の絵を描く過程を動画にしてみましたので、紹介いたします。

描くのに使っています絵具は、アクリル絵具です。この絵具は水で溶いて描くことができ、しかも、油絵具とまではとてもいかないものの、多少は厚く塗ることもできます。しかも、あっという間に乾いてくれますので、この種の絵を描くのには最適な絵具です。

今回は、女優の井川遥さんを題材に使わせてもらっています。描く際、私は特別美醜にこだわりません。年輪を感じさせるような顔が描きやすく、描いていても絵になります。逆に困るのは、まだ経験の浅い若い人で、人間的な厚みを持たせるのに苦労します。井川さんは、描いていて顔の造りがとても整っているように感じました。唇が肉感的で魅力があります。

ポートレイトの小箱:井川遥
ポートレイトの小箱:井川遥

2002/09/05 横尾忠則展

関東地方はまだまだ暑い日が続き、昨日も最高気温が30度以上の真夏日となりましたが、その暑い中、思い立って東京都現代美術館へ出かけてきました。

お目当ての展覧会は、「横尾忠則 森羅万象」です。

横尾忠則 森羅万象 』展のチラシ(表)

2014/08/11 ベラスケス作品を画集動画で考える

動画をひとつ作りました。スペインを代表すると同時に、19世紀のフランスの画家、エデュアール・マネにいわせると「画家の中の画家」であるそうな17世紀スペインの画家、ディエゴ・ベラスケスの画集を紹介する動画です。

今回は、その動画を作るきっかけとなった話です。動画の中で 私がしています拙い語りでも触れていますが、7月26日に放送になったテレビ東京の美術番組「美の巨人たち」を見たことがきっかけです。

2014/08/07 ベラスケスの画集を動画に

本日は、私が作った動画をひとつ紹介します。「ベラスケス」というのが何者かわかっている人にとっては、動画のタイトルを見ただけでどんな動画か想像がつくだろうと思います。

ディエゴ・ベラスケスは、スペインを代表する画家で、フェリペ4世がスペインの国王だった時代、国王の肖像画を描くことを唯一許された宮廷画家です。

7月26日、「美の巨人たち」は、ベラスケスがローマで描いた『ヴィラ・メディチの庭園』を取り上げました。

私はいつものように、録画し、あとで再生させて見ました。そして、見ているうちにいろいろと疑問がわきました。そこで、昔に手に入れた画集を何冊か見ました。その1冊が、今回動画で紹介してる画集です。ベラスケスが生まれて生涯を送ったスペインで編集されて発行された画集です。手に入れたのはおよそ20年前の1995年1月4日です。

番組で伝えられたことに関する私の疑問を確認する目的でこの画集を開きましたが、見ているうちに、画集そのものを動画で撮影し、それを紹介してみようという私の無駄なサービス精神も手伝って、今回の動画が生まれました。

2002/04/10 高島野十郎に見るゆとりある生活

この4月から、公立学校の学校完全週5日制(「学校週五日制」)がスタートしました。これまで各月の第2、第4(だったかな?)のみ土日が休みでしたが、今年度からは毎週の土日が休みになります。

この制度の導入を巡っては賛否両論が見られますが、私個人の関心はむしろ、制度実現の真の目的にあったりします。

もちろんその根幹には「ゆとりある教育を実現するため」というもっともらしい理由があるのかもしれませんが、それよりも、教師のゆとりを実現するためというような気がしないでもありません。

公立学校の教師という、公務員の働く環境の改善です。

教師以外の一般的な公務員は週2日休みなのが当たり前で、同じ公務員なのに、どうして教師だけが日曜日しか休めないのかといった不満が出ても不思議ではありません。

姪のフランス帰りの話

本コーナーは毎日午後7時前の気象情報を見てすぐに更新しますが、今日はちょっと遅くなりました。

私事になってしまいますが、2000年に亡くなった私の姉の娘、姪がやってきたからです。フランスへ旅行し、戻ったばかりです。

姪の夫はこぢんまりした建築設計事務所で働いていますが、その事務所では毎年今頃、海外の建築物を見て学ぶ目的で、海外へ旅行に行きます。

事務所で働く人の家族が希望すれば一緒に行くことができ、姪は毎年その旅行に参加しているのです。

2011/09/10 荒木経惟 東京人生 動画

通常、本コーナーは、はじめに“気まぐれトーク”をそれこそまったくの気まぐれにし、それを録音した音声ファイルを聴き返して文章に書き起こす手順で更新を行います。が、今回はトークなしで、文章のみの更新です。トークをするまでもない内容だからです。

私は、昨日一日かけて動画の編集をしました。今回編集しましたのは、2006年に東京・両国にあります江戸東京博物館で催された“アラーキー”こと写真家・荒木経惟さんの写真展「荒木経惟 東京人生」の会場を撮影してきたビデオです。

今から5年も前の催しで、なぜ今頃になって動画を編集したのかといいますと、実は、これを見てきたあとに動画化し、本サイトで紹介してきました。それが今回、ネットの動画投稿サイトYouTubeを通じて紹介する形に改めようと思い、作り替えたのです。