結果的に、私は自分の声を収録して、声の聴こえ方を確認することを集中的にしています。
これをしたことにより、声の扱いを変えることで、音が違って聴こえるのがわかります。これは当たり前といえば当たり前です。そのために、音の処理を変えているのですから。
それとは別に、同じ音源であっても、音を聴くリスニング環境の違いのほうが、音の加工以上に違って聴こえることが確認できました。
音を圧縮する同名のコンプレッサーの実機をプラグインにしたShadow Hills Mastaring compressorがあり、私もわからないながら、素人的に試すことをしています。
このプラグインの使用方法でもいろいろと教えてもらっている人がいます。教えてもらうといっても、その人のYouTubeチャンネルにある動画を勝手に見させてもらっているだけですが。
その人は和田貴史氏という作曲家です。和田氏の動画に次のようなものがあり、本サイトで紹介しています。
本動画は、和田氏がご自分の楽曲に圧縮をかけ、圧縮の強弱で聴こえ方にどのような違いが出るか話されています。
本動画は、聴こえ方の違いと同時に、別の意味合いが含まれています。それは、同じ楽曲であっても、聴く環境が変わると違って聴こえることです。
和田氏は、各パートをミキシングするとき、ラジオカセットレコーダー(ラジカセ)のスピーカーで確認する、と動画で話されています。
基本的には、100Hzから10KHZの範囲で、バランスが良く聴こえるようにされているそうで、それをラジカセのスピーカーでほどよく聴こえるか、確認するためだということです。
今月はじめ、故障したCD&LD(レーザーディスク)プレーヤーの代わりとして、中古のプレーヤーを手に入れて使い始めたことを書きました。
そのプレーヤーでサイモン&ガーファンクル(S&G)のCDアルバムを大きめの音量にして聴いたところ、中高音の音がやかましく聴こえたことを書きました。
もちろん、全部が全部やかましく聴こえるというわけではありません。下に埋め込んだ曲は、全然やかましく聴こえません。
中高音域が強く出るようにミックスされている曲は、大きなスピーカーを使ってボリュームを上げると、強く出る帯域の音が大きくなり、やかましさが増します。
ミキシングするエンジニアがミキシング時に使ったスピーカーでは、その設定で気持ちよく聴こえたのかもしれません。ということは、私のリスニング環境が、それとは違うことになりそうです。
世界中のあらゆるリスナーのリスニング要求を満たすのは不可能です。
S&Gがレコーディングした1960年代は、ラジオで彼らの音楽を楽しむファンも多かったでしょう。ただ、スピーカーが小型になるほど高音が出やすい傾向を持つはずですから、私が今回感じた以上に、ラジオのスピーカーでは、やかましさが増すことが考えられなくもないわけですが。
本コーナー前回の更新で、自分の声にあまり修正を加えずに音声ファイルにしたものを紹介しました。
私が使うPCスピーカーは、10年前から使うEdifier(エディファイア)というメーカーのR1000TCNというモデルです。
このスピーカーと、城下工業のSoundWarrior SW-HP10sというヘッドホンを使って、私は自分が作る音の聴こえ方を確認しています。
スピーカーやヘッドホンは、モデルによって、低音や中音、高音の聴こえ方が異なるでしょう。私が使うヘッドホンは、一応、モニタリングに適したモデルだとされています。
スピーカーに関しては正直わかりません。定価価格だったのが購入理由で、ほかのスピーカーと聴こえ方を比較していません。
この環境での聴こえ方を基準に編集していることで、ほかのリスニング環境で聴く人には、良くない聴こえ方になっている場合が考えられます。
考えられるというように、確実に、悪い音の場合もあることでしょう。
現に、同じ自分の声の音声ファイルを、自分の古いほうのタブレットPCの内蔵スピーカーで聴くと、最新の音声ファイルでも、歯擦音が耳に刺さるような聴こえ方になります。
私は、ネットの音楽配信サービスの音楽を楽しむときは、新しいほうのタブレットPCからBluetoothで連携した外部スピーカーの”Harman Kardon Allere(ハーマン・カードン・アルーア)”を使っています。
モノラル再生のスピーカーですが、重低音も出るため、結構大きな音にして楽しむこともできます。
このALLereで自分の声の音声ファイルをさせると、歯擦音はまったくといっていいほど耳に刺さりません。ちょうど良い音質に聴こえます。
このように、自分のリスニング環境だけであっても、これほどの違いが出ます。
私はスマートフォン(スマホ)は使っていませんが、スマホのスピーカーではどのように聴こえているでしょうか。高価なスマホは、カメラの機能も優秀と聞きます。ということは、音の再生装置も、それなりに優秀なのかもしれません。
私は自分の趣味で音声ファイルを作って公開しているだけですから、聴こえ方に大きなバラツキが生じても、基本的にクレームはありません。
同じことがプロの現場がしたことであれば、様々な環境に応じた音作りをする必要があるのであろうと思われ、その苦労は、想像に余るものとなるのでしょう。
私は、S&Gの楽曲が、今の私のCD再生環境では思わしくないと感じているため、安価であっても、最近のCDプレーヤーに換えたらもっと良い音で聴こえるのか、と考え始めています。
もっとも、それを個人で研究した結果を動画にされている人の動画をYouTubeで見ると、CDプレーヤーというのは、その機能上、それが世に登場した時から今に至るまで、それから出る音に変化はない、というような話です。
そうなのであれば、CDプレーヤーを換えても音質の好転は望めないことになり、新規に購入しても、無駄な出費に終わる可能性が高いことになります。
本更新のあと、私のPCの音を出力するオーディオインターフェースからオーディオのインプットに接続し、PCに搭載しているCDプレーヤーでCDを再生し、オーディオの大きなスピーカーでどのような音が聴こえるか、確かめることにします。