ネットの時代になり、音楽を楽しむ環境も様変わりしました。私もそうですが、ネットを介した音楽配信で音楽を楽しむ人が増えました。
その需要に応えるように、さまざまな音楽配信が生まれ、凌ぎを削っています。
本日の日経新聞の「Biz ランキング」は、音楽配信サービス上位に見られたランキングの変化を取り上げ、順位が変動した要因について書いています。
記事がポイントとして挙げているのは、前年同期に首位だったAmazon Musicが3位に後退する一方、YouTube Musicが昨年2位から首位に躍り出たことです。
冒頭で書いたように、私もネット配信で音楽を楽しむユーザーのひとりですが、各サービスの順位には関心がありません。
日経の記事から、上位10位までを紹介しておきます。なお、カッコ内は前年同期の順位です。
順位 | アプリ名 | 利用者数 |
---|---|---|
1(2) | YouTube Music | 2194万人 |
2(4) | Spotify | 1701万人 |
3(1) | Amazon Music | 1272万人 |
4(3) | radiko | 1058万人 |
5(5) | LINE MUSIC | 1009万人 |
6(6) | auうたパス | 394万人 |
7(9) | Pokekara | 377万人 |
8(8) | radiko + FM | 334万人 |
9(12) | Apple Music | 223万人 |
10(10) | Shazam | 201万人 |
このことは、そのサービスを利用し始めたタイミングで本コーナーに書きましたが、私は今、Apple Musicのサービスを有料で利用しています。
Apple Musicの利用料金は1カ月1080円です。私としては利用するつもりはなかったのですが、Spotifyを1か月分の980円で利用できるキャンペーン期間が終了したタイミングで、Apple Musicのサイトを訪問したところ、1カ月無料という謳(うた)い文句に誘われ、その利用を始めました。
ところがこれにはオチのようなものがあり、無料ではなく、有料で利用することになってしまったのです。Apple Musicのサービスは継続利用しないため、今月末で切れます。
そんな時期に日経の記事があり、関心を持ちました。
YouTubeの動画は毎日何かしら見ていますが、YouTube Musicは一度も利用したことがありません。日経の記事によると、広告がつくのを我慢すれば、無料で利用できるようです。
そのことは、Spotifyのサービスに似ています。Spotifyの場合は、30分間隔ぐらいでコマーシャルが入ります。この広告は、音楽を楽しんでいた気分をぶち壊すような作りであることが多く、無料で聴いている人への嫌がらせのように感じなくもありません。それが嫌で、Spotifyの無料版は利用することを控えることが多いです。
また、Spotifyの場合は、無料で聴ける時間が30日間で15時間に制限されているように記憶しています。このような仕様は日本だけという話を聞いたことがあります。
Spotifyの有料版は、大手の中では最も良心的で、1カ月980円に据え置かれたままです。
Amazon Musicは、YouTube MusicやApple Musicと同じ月額1080円ですが、Amazonの有料会員である「プライム会員」は、Amazon Musicの有料版であるAmzon Unlimitedを980円で利用できます。
YouTube Musicは利用したことがないので、サービスの良し悪しは判断できません。
私が利用した大手の配信サービスの中では、私はApple Musicが最もお気に入りです。
音楽配信が始まる前は、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)に自分のお気に入りの音楽を入れて聴くのが音楽の楽しみ方でした。
私はAppleのiPod Classicを使い、所有するCDの曲すべてと、アナログレコードの曲をデジタル化したものをすべて(これにプラスして、2000年に亡くなった姉が所有していたCDとレコードの曲も)をiPod Classicに入れてあり、今もこのDAPで音楽を愉しむ時間があります。
AppleのiPodは使い方が独特で、iPodに入れる音楽を管理するためのiTunesという専用のソフトをPCに入れ、それを介さなければ曲の登録ができない仕組みになっています。
ともあれ、そのようにして、自分が所有する音楽がAppleと連携しているからか、Apple Musicは、私が好む音楽の傾向を熟知してくれている印象です。
ですから、自分のために選局されたプレイリストを再生するだけで、心地よい音楽をエンドレスで愉しむ環境を提供してくれます。
日経の記事には、Amazon Musicの利用が首位から3位に後退した理由が書かれています。
私はAmazonのプライム会員ですが、Amazon Musicがそれほど好きでないこともあり、あまり利用していなかったので、昨年11月にサービスの変更があったことも気がつかずにいました。
Amazon Musicは昨年のその時期、無料サービスで配信する曲数をそれまでの200万曲から1憶曲に拡充しています。それなら、利用者は逆に増えそうなものです。
曲数を一挙に増やしたのと入れ違いに、再生方法が変わり、それがAmazon Music利用者には不評だったそうです。
再生方法の変更は、それまでは、自分が聴きたいアーティストを指定して聴けた「オンデマンド再生」から、再生されるアーティストを指定できない「シャッフル再生」へ変更したことです。
この変更により、ユーザーは「お気に入りのアーティストの歌を続けて聴くことができない」「興味のない曲を聴かされる」と不満を持つ人が多く出たようです。
これについて、私には別の考えがあります。
途中で書いたように、私がお気に入りのApple Musicでも、自分が好きなアーティストの曲ばかりがかかることはまったく望んでいません。シャッフル再生で一向に構いません。
自分が好む傾向の音楽をエンドレスで流してくれれば私は満足なのです。
インターネットがなかった時代、私の部屋にはいつも音楽が流れていました。その音楽を提供してくれたのは、衛星デジタル音楽放送の「St.GIGA(セント・ギガ)」です。
テレビの衛星放送が始まると、それを受診する家庭用のパラボラアンテナで受信できる、セントギガのサービスが始まりました。私はその有料サービスを利用しました。
セントギガの放送は24時間、エンドレスで流れていました。配信される音楽の合間に、波の音など、自然の音が挟まれることがありました。
ラジオの番組とは違い、ニュースなどはなく、人間がしゃべる声は基本的に流れません。自然音と音楽だけです。しかも、そこで流れる音楽には、ロックなどのやかましい音楽はありません。
そのときの体験が自分の好む音楽傾向を作ったともいえましょう。
こんな風に音楽を楽しむため、自分が聴きたいアーティストの曲だけを続けて聴くことはありません。もちろん、アーティスのアルバムを聴きたいときもあります。その場合は、音楽配信でなく、iPod Classicを使って音楽を楽しめばいいだけです。
それまで聴いたことがなかったような音楽を知るきっかけになるのが、音楽配信のシャッフル再生ではないかと思います。そういった意味では、音楽がランダムに流れるシャッフル再生は、それまで聴いたことがない音楽を知るための「水先案内人」といえましょう。
ある音楽を聴いたことで、それまでの自分の音楽観がガラリと変わる瞬間があります。
St.GIGAを聴くことで知ったアーティストが多くいて、今では私のお気に入りのアーティストになっています。
スウェーデンの女性アーティスト、スティーナ(1969~)に出会ったのもSt.GIGAではなかったか、と記憶しています。