ある人の臨死体験話に寄せて

Yahoo!ニュースで次の記事が目に入りました。

テレビのワイドショーの司会などで知られるアナウンサーでタレントの小倉智昭氏(1947~)が、昨年11月、瀕死の状態になったときに体験(?)した話を伝えるものです。

曰く、小倉氏は、おそらくは夢のようなものを見て、その夢に1982年に亡くなった父が出てきて、その父といろいろな話をしたそうです。

親子で話をする場所の前には川が流れていて、橋が架かっていたそうです。

どのくらいあとか、父が「俺はそろそろ行く」といって立ち上がった(?)のでしょう。小倉氏が父に「俺はまだ行きたくない」というと、父は「そうか」といって、橋の向こうにある花園に消えた、ということです。

意識が戻ったときにその「夢」を憶えていた小倉氏は、三途の川云々というのは、本当にあるのかも、と話しているというわけです。

この手の臨死体験は昔から聴きます。

身近なところでは、私の姪が海へ行き、そこでおぼれかけたときに、自分のそれまでの人生の起きたことが、走馬灯のように見えた、という体験を聴きました。

それが2004年8月のことで、同じ8月の終わり、私は自転車で急な下り坂を走行中、自転車ごと転倒し、頭を道路に強く打ち付け、急性硬膜下血腫を起こしました。

私が道路に倒れているのを通りかかった人が見つけてくれ、駆けつけた救急車で近くの病院へ緊急搬送され、そこで、手術を受けました。

私は倒れた瞬間に意識を失い、一週間から十日間ほど意識が戻らない状態になりました。

死線を彷徨ったことになるわけですが、意識が戻るまで日数がかかったからか、臨死体験のようなものは経験していません。

私は死後の世界があるとは信じていません。それだから、三途の川や川の向こうで亡くなった親兄弟が云々というような話も、生きている人間の想像物のように考えています。

夢のない話で申し訳ありませんが、有名人が亡くなったりすると、今頃天国で云々というような決まり文句を目にします。それを見聞きするたび、死後の世界がなければ、天国も何もないだろう、とつい考えてしまう私がいたりします。

小倉氏が「体験」したような話も、結局のところ、私たちが日常的に見る夢のようなもので、それは、生きている人の脳が作りだした「幻影」でしょう。

というのが私の考えで、私の考えがすべてではありません。死後の世界というものが本当にあり、臨死体験も夢ではない、というのが正しい(?)のかもしれません。

ともあれ、死ぬまではそれが本当かどうか、確かめようがありません。

気になる投稿はありますか?

  • レンブラントの8K『夜警』は克明な動く画集のようレンブラントの8K『夜警』は克明な動く画集のよう NHKで二度、8K(UHDTV)で撮影した絵画作品を紹介する番組が放送されました。 紹介された作品は、17世紀のオランダの画家、といいますか、古今東西の西洋の画家を代表する、レンブラント(1606~1669)が36歳の年に描いた『フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ライテンブルフ副隊長の市民隊』です。 本作が日本では『夜警』として知られています。 […]
  • 親をなんと呼んでいますか?親をなんと呼んでいますか? 井伏鱒二(1898~1993)に変わった題名の作品があります。 https://indy-muti.com/42688/ その題名は『「槌ツァ」と「九郎治ツァ」はけんかして私は用語について煩悶すること』です。お読みになったことはありますか? 私は今、その作品を含む井伏鱒二の『山椒魚・本日休診』を電子書籍版で読んでいます。表題作のほかに、今回取り上げる作 […]
  • 己の立場を優先するジャーナリストは反省すれば許されると思っている?己の立場を優先するジャーナリストは反省すれば許されると思っている? 本日、Yahoo!ニュースで次の記事を見つけました。 池上彰氏 ジャニーズ性加害問題で反省「男性が性被害を受けているという事がピンとこなかった」 本記事は池上彰氏(1950~)を「ジャーナリスト」としていますが、本当にジャーナリストでしょうか。池上氏はNHK出身で、NHK時代に子供向けのニュース番組「週刊こどもニュース」で父親役を担当したことで人気を博し、知 […]
  • 縁と恩を重んじる山下達郎縁と恩を重んじる山下達郎 人はそれぞれに個性を持ちます。そして、それを形作る一部には、性的なものが含まれます。 性的な個性も、おそらく、千差万別といえるでしょう。 それぞれの個性を認めつつ、他者の個性をどうしても受け入れられないことが起こります。 たとえ話をすれば、好きになって結婚した一組の男女があったとします。結婚を実現できた当初は、自分たちほど幸せな人はほかにいないと思ったりす […]
  • KとIの関係から見えることKとIの関係から見えること 新コロ騒動が始まってからというもの、世の中のあちらこちらで亀裂が生じています。その亀裂には、目に見えるものもあれば、見えないもの、見えにくいものがあります。 世間から見えにくい亀裂としては、新コロ騒動のために作られたことにされているワクチン(似非ワクチン)を接種するかしないかを巡り、家族間に亀裂が入ったケースもあったでしょう。 今回は、私が最近ネットで見つけた、 […]