昨日の本コーナーでは、BSプレミアムで放送された昆虫画家の熊田千佳慕(1911~2009)のドキュメンタリー番組について書きました。
それを見ながら感じたことを書いておきます。
今は動画撮影と、YouTubeなどを使った動画投稿が盛んです。それ以前は、普通の人がビデオを撮影するのは、家族や行事の記録など、限られたものしかなかった(?)でしょう。
メーカーとしてもその動向に沿うように、使ってもらえそうなカメラを乱発している印象です。
YouTubeへの投稿が熱心ないわゆるVloggerは、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)の動画撮影機能を使うか、もっと上のレベルを目指す人であれば、プロがシネマの撮影に用いるシネマカメラを使います。
そこまでいかない普通の個人であっても、よりよい画を求め、ミラーレスで撮影する人が多くなっています。
私自身も、昔から映像が好きなこともあり、ミラーレスで動画を撮ることをいろいろと「研究」してきました。
ただ、カメラにしても道具ですが、道具というのは、必要になったときに使うべきものです。そして、それが本当には必要ないのであれば、その「道具」は持ち出すまでもないことになります。
私は趣味で動画を撮っており、シネマのような作品を作りたいわけでもありません。なのであれば、シネマのような表現ができるミラーレスでわざわざ撮影するまでもない人間に該当します。
昆虫画家の熊田さんの番組は、NHKが放送を前提に撮影していますが、使っているカメラはビデオカメラです。といっても、私が使うような民生用ではなく、放送用のカメラでしょう。
番組が作られたのは2004年ですから、今のような、ミラーレスで動画を撮るブームの随分前です。テレビ局で使うビデオカメラであっても、撮像素子は、民生用ビデオカメラとそれほど変わらないか、少し大きいぐらいだったでしょう。
そのようなカメラで撮影された映像を見て、不満に思う人はいないと思います。私もまったく不満は感じませんでした。
テレビの番組を見る人は、画像の美しさよりも、伝えられる内容に心が向かうものです。どんなに美しい映像であっても、内容が薄ければ、見た人は感心しません。
ビデオカメラで制作されているため、ミラーレスの動画で行われるような、カラーコレクションやカラーグレーディングのようなものは施されていないと思われます。
映像はほぼ撮ったままで、あとは、カット編集が念入りにされたはずです。
映像の制作は、本来そうあるべきであるように感じます。
私が日常的に動画に撮るものとしては、家で飼っている猫たちや、庭の草花や、庭から見える風景などの記録です。これらの撮影をする限り、ミラーレスを持ち出すまでもありません。
ということで、記録の動画を撮るのであれば、中古で手に入れた民生用ビデオカメラで十分なのではないか、と改めて考えました。
ミラーレスを使わなければ表現できない映像もあるにはあるでしょう。しかし、私の場合、それがどんなものなのか、すぐには思い浮かびません。
何か思い浮かんだときはミラーレスを使うことにして、日常的には、いろいろなカメラに目移りをせず、手元にあるビデオカメラをメインに使おうと思っています。