2011/06/11 手業の世界・美容と絵画の場合

本日も、本コーナーは思いつきの独り語り「気まぐれトーク」の形式にて更新しています。なお、トークは前日の夜に行っています。

本日分の内容につきましては、音声ファイルでご確認下さい。で、そうされない場合は、下にトークを要約して書き起こしていますので、それをお読みになって、トークのだいたいの流れをご想像下さい。

なお、音声ファイルはmp3方式にて紹介しています。再生箇所は前後に自由に移動させることができる、と思いますので、下の書き起こしで見当をつけ、聴いてみたい部分だけを“つまみ聴き”するようなこともできます。ご自由にお楽しみ下さい(^ー^)ノ

インディの鞭の気まぐれトーク〔2011.6.10〕

トークを要約した書き起こし

今回も夜にトークをしている。ただ、前回同様今回も、午後6時半すぎのスタート。この時間までに、私は入浴と夕食を済ませている。会社勤めの人であれば、まだ帰宅していない人が多い時間帯かもしれない。

時間といえば、トークから少し離れるが、トークをした今日6月10日は「時の記念日」。10日ほど先に迫った「夏至」を前に、日の出の時刻は、東京は【午前4時25分】と限界に達したまま同じ時刻の日が続いている。また、日の入りも限界まで残り4分ほどとなっている。

今夏は、東京電力原発事故の影響を受け、節電が求められている。

日本には【54基】の原発(日本の原子力発電所)あるが、そのうち実際に稼働しているのは【19基】で、全体の約3分の1ほどでしかないと聞く。事故が起こるまでは、すべての原発がフル稼働しているものと漠然と考えていたが、想像していたよりもずっと少ない数しか稼働していない現実を知った。であれば、福島原発が使えなくなっても直ちに重大な電力不足が起こるようには思えない。が、これは素人の無責任な楽見にすぎないのだろうか。

それはともかく、組織も節電を求められ、東京都では独自のサマータイムを実施中だそうだ。

今になって振り返れば、高度経済成長期以降の日本人は、今回の事故で白日の下にさらされた原発の“安全神話”と同じように、国家として経済を発展させるため、国民が残業をものともせずに働くことを良しとするように信じ込まされ、こき使われてきたといえるのではないか。一家の大黒柱が毎晩遅い帰宅では、一家団欒もままならないだろう。今度の災難をきっかけにして、日本人の暮らし方が良い方向へ変わっていったらいいと私は思っている。

毎度のことで話し始めから話が脱線しているが、ここで、トークの中でもした質問をひとつ。「今年の3月25日は何曜日だったでしょう?」。一切のカンニングナシで即答できる人は少ないだろうと思う。

その日は、トークをする今日(10日)と同じ「金曜日」で、その日の放送をもってNHK-FMのリクエスト番組「サンセットパーク」が幕を閉じ、平日の午後6時台に“気まぐれトーク”をする時間的余裕が生まれた、というわけだ。

あの日を境に離ればなれになってしまったリスナーや常連リクエスター(←「リクエストする人」ぐらいの意味で遣っています)たちは、今、午後6時台をどのように過ごしているだろうか。

本ページを更新している土曜日は元々番組の放送はないが、私は土曜の午後6時台は、ホキ徳田さんがメイン・パーソナリティを務めるInterFMの「TWILIGHT MEMOIR 北回帰線」を聴くのを愉しみにしている。

ついでのついでまでに、そのあと、午後7時30分からは衛星放送のBSジャパン(2018年10月1日からはBSテレビ東京)で「キヤノン・プレミアム・アーカイブス 写真家たちの日本紀行・未来に残したい情景」を見るのが習慣だ。

このあたりまでは話の枕で、このあとようやく本題に入っていく。時間にして【5分30秒】ぐらい。

今回は、今日(10日)自分がやったことを、多少膨らませながら話すことにする。私は今日(10日)の日中、絵を描くことをして時間を過ごした。使った絵具は油絵具

本サイトには、新聞に載った有名人の写真を参考にしてポートレイトを描く「ポートレイトの小箱」というコーナーがある(現在はただ単に「ポートレイト」)。

そのコーナー用のポートレイトを描くのに使っているのは、油絵具ではなく、アクリル絵具。米国で生まれたこの絵具は、現代のテンペラ絵具といっていいような性質を持つ。

壁に塗った漆喰が乾くまでに仕上げるフレスコやテンペラ、水彩、アクリル、そして油絵具といろいろな種類の絵具があるが、元をたどれば、色の粉である顔料や染料が何によって練り上げられているかで異なる性格を持つ絵具になる。ちなみに、顔料に近い形で固めたものにパステルがある。

アクリル絵具はテンペラ絵具に性質が似ていると述べたが、いずれも水で薄く溶いて塗ることができる。だから速く乾いてくれる。この性質を活かして本サイトの「ポートレイトの小箱」(「ポートレイト」)用のポートレイトを描くのに重宝している。

ただ、速乾は短所にもなる。それだから、テンペラ絵具を改良して油絵具が登場したわけだが、それがなかった昔の画家は、速乾性のテンペラ絵具を工夫して使っていた。たとえば、微妙なグラデーションを表現するため、線状に絵具をつけていくハッチングの技法がある。

その点、油分を含むメディウムで練られた油絵具は、ゆっくり乾いていくれる性質を持つ。だから、カンヴァスに塗った絵具が乾く前に筆や指の腹を使ってのばしたり、ボカしたりすることが可能となる。

レオナルド・ダ・ヴィンチの技法として知られるスフマートは、レオナルドが指の腹を使って薄くのばした技法といわれ、油絵具でなくては用いることができない技法である。

現代の絵具であるアクリル絵具は、水に溶ける性質を持ちながら、透明水彩絵具とは違う。チューブから絞ったままに近い状態で塗れば、油絵具に近い表現もできる。そうはいっても、物質的な魅力でいえば、油絵具には及びもしない。

それだから、油絵具を使って絵を描いていると、別に大した絵を描いているわけでもないのに、充実した気分になる。筆先につけた絵具をカンヴァスに置くたびに伝わる筆触が、気持ちを高揚させていくのが自分でもわかる。これは、子供が、泥んこ遊びをする感覚に近いかもしれない。

どんな世界でも同じだと思うが、深く知れば知るほど、難しく考えすぎてしまいがちになる。油絵に対する私の考えもそうで、好き勝手に描いていた頃は、悩むこともなく楽しく描けた。そのあと、技法書を何冊も買い求め、自分なりに勉強することで、油絵具の扱いに悩むことが長いこと続いた。

今はそうした状態からはほぼ脱したが、昨日(9日)、ネットの動画投稿サイトYouTubeである動画を見つけ、それを本コーナーで紹介した。

私は元々、練達した手業(てわざ)を見せてくれる職人の世界が好き。だから、昔から、テレビで町工場の職人の世界を紹介するドキュメンタリーが放送されたりすると、録画して見るのを楽しみにしている。

昔にNHKで放送された番組を今でも憶えている。それは、歌舞伎役者が出番の前に化粧する場面をずっと撮影した映像だった。それはちょうど、私が好きな人物画を描く過程のように見え、それで興味を引かれたのかもしれない。それで、ネットを始めた頃から、誰か女の人にモデルになってもらい、メイクアップの過程を映像にしてネットで紹介するシリーズを作りたいと思っている。が、実現の予定はまるでなしだ。

昨日(9日)見つけた動画は、ここまでの話に通じる内容で、男性の美容師が自分の頭を実験台にして、様々なヴァリエーションの髪型に仕上げるまでの過程を紹介する動画のひとつ。

その美容師は、若いスタッフを抱える美容室を経営しているようで、夜、仕事を終えたあとなどに動画を撮影しているようである。だから、美容師としての基礎はもちろんきっちり身につけているのだが、その上で、その人なりのやり方で作業していく過程を面白く見ることができた。

それを見ながら、絵を描くにしても、基礎を身につけた上で、もっと自由に画材を扱ってもいいのだ、ということを教えられたように思った。

そもそも、どうしてそのような動画にであったのかといえば、昨日(9日)の空き時間、私はあることをネットで調べていた。

私は、高校卒業後は理髪店へ行っていない。行かなくても自分で髪を整髪できるから、ではなく、面倒くさいから。そんな具合だから、髪型には興味がなく、見苦しくなければいい、ぐらいの感覚でこれまでずっとやって来た。

洋服に関しても同じで、春夏秋冬、4種類ぐらいの衣服があれば、それをシーズン中ずっと着ていても気にならないぐらいズボラだ。

それがどうした風の吹き回しか、ここ1、2年は、毎朝鏡に向かい、整髪料をつけて髪型をセットする習慣がついた。だからといって、今も理髪店へ行くことはないが。しかし、今までに比べれば、身だしなみに対する配慮は向上していることになりそうだ。

私は今、ヘアワックスを使っているが、使い方はまったくの自己流だった。そこで、昨日(9日)、空き時間ができたことをいいことに、正しい使い方を知ろうと、ネットで調べることをした。

それでワックスの正しい使い方というものを知り、今朝(10日)からは、それを参考にしている。そんな過程で、今回の動画に出会い、その翌日の今日(10日)、その動画に刺激され、より自由に油絵具を用い、それについて本トークで話しているというわけになる。

まあ、どんな世界も、職人の手仕事を見るのは楽しいものだ。私が絵を描く過程をほかの人が楽しんで見てもらえる段階まで上達したいものだ。

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