軍産複合体の正体を知る

ある本を読み始め、今日でかれこれ12日目です。一度読み終え、それでも内容を咀嚼できず、二度目は拾い読みをし、そのあとは、他の本を読みながら、気になることがあるとその本に戻るようなことをしています。

このように、ある意味私にとって手ごわい本は、広瀬隆氏の『億万長者はハリウッドを殺す(上)』です。

11日までの1週間、Amazonの電子書籍で、講談社から出版された中で該当する書籍に、定価の50%のポイントがつくフェアが行われました。

それを知って、何か読みたい本はないかと探し、本書を知り、内容に興味を持って買い求めました。

これは、広瀬氏が講談社から1986年に出版した(※Amazonの電子書籍の概要欄には1989年4月6日出版とあります)ノンフィクションです。上下2冊からなっています(『億万長者はハリウッドを殺す(下)』)。

本フェアでは、ほかに次の2冊も買い求めました。

探偵小説昔話 (新版 横溝正史全集) Kindle版

探偵小説五十年 Kindle版横溝正史

広瀬氏が書かれた本では、おそらく1980年代原発の問題点を突いた本を2冊ほど読んでいます。

本書は初めて読みました。

『億万長者はハリウッドを殺す』というタイトルにまず惹かれました。私は米国の映画が好きで、これまでよく見てきました。その映画と億万長者がどのような関係にあるのか興味を持ち、気楽な気分で読み始めました。

読んでみて、ここには米国が今なお持つ深い闇が書かれていることに今更ながら驚きました。上下2冊には、夥しい数の人間が登場します。それらの人間は互いに絡まり合い、ある目的に動いていたことがわかります。

広瀬氏がこの本を書くにあたり、多くの資料にあたり、格闘したでしょう。何年かけて書かれたものかわりませんが、情報が満載された仕上がりになっているため、読みこなすのに時間がかかるのは当たり前です。

読みながら、本書を本コーナーで紹介することを考えましたが、一度の投稿ではとても紹介しきれるものではありません。そこで、今回を含め、3回から4回ぐらいの投稿になるかもしれません。

まずは、何百、何千の人間たちを巨大なネットワークで管理する者が誰であるかについて書きます。

「軍産複合体」といういい方は聞いたことがあるかもしれません。私もこのいい方を便利に使いますが、自分で使いながら、その正体をこれまでほとんど知らずにいたことを、本書に教えられました。

正体を明かせば、米国を支配する巨大財閥のモルガン家(ジョン・ピアント・モルガン=J・P・モルガン)とロックフェラー家です。この2財閥が米国の実権を握り続ける「軍産複合体」そのものです。

広瀬氏は、軍産複合体といってしまっては本質が見えにくくなるといい、「モルガン=ロックフェラー連合」といった書き方をします。

また、モルガンを百獣の王の「ライオン=獅子」、ロックフェラーを7つの頭を持つ「アナコンダ=大蛇」に例え、「獅子大蛇連合」といった表現も使います。

日本の報道は、米国の共和党をタカ派、民主党をハト派と分けたりして伝えますが、現実に米国の政治を動かすのは政治家ではなく、モルガン=ロックフェラー連合であると理解すべき、と本書は教えてくれます。

その証拠は、20世紀ホワイトハウスでキャビネット(閣僚)になった人に如実に表れています。

広瀬氏は本書で次のように書いています。

ホワイトハウスの人材は、実は政治家でなく、二家族の使用人である。

広瀬隆. 億万長者はハリウッドを殺す(上) (講談社文庫) (Kindle の位置No.841-842). 講談社. Kindle 版.

ウィリアム・マッキンリー大統領から、本書を広瀬氏が書かれた1985年末まで、閣僚ポストの数は【366】になるそうですが、そのうち【290】をモルガン=ロックフェラー連合の部下が占めると書いています。

実に79%です。時間かけて調べれば、ほぼ100%が2家族連合の部下であることを証明できるかもしれない、というようにも書き添えています。

モルガン=ロックフェラー連合が富を独占するため、戦争を起こし、世界恐慌を起こしました。そのたびに民衆は疲弊しますが、2連合は、富を何倍にも増やしたのでした。

本書には、人々によく知られた人物も登場します。それについては、このあとの投稿で取り上げるつもりですが、発明王のトーマス・アルバ・エジソンにしても、大西洋の単独飛行で英雄となったチャールズ・リンドバーグにしても、日本で広く信じられているような好人物の仮面を広瀬氏は剥いでくれます。

モルガン=ロックフェラー連合は、次々に登場するメディアを上手に利用することも忘れません。

テレビやラジオがない時代は、映画が今のマスメディアのような影響力を持ちました。

第二次世界大戦にあとから参戦した米国は、『誰がために鐘が鳴る』1943)を映画会社に作らせ、米国民の国威発揚に使ったのでした。米国兵は、この映画を見て戦地へ向かったそうです。

次回の投稿では、真珠湾攻撃で日本が大戦に加わったことで、その直前まで大きな矛盾を抱えていた米国を救った話を取り上げるつもりです。

その大戦で日本が戦っていた相手が何だったのか、多くの日本人は未だに知らないのかもしれません。

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