Vloggerの配信スタイルに変更すべき要素はないか?

今回は、前回の更新で書こうと思いつつ、前段のつもりで書いたことが長くなり、結果的に書けずに終わったことを書きます。

ネットの動画共有サイトYouTubeができてどれぐらい経つでしょうか。

私は昔から映像好きということもあり、YouTubeに自分のチャンネルを作ったのは2008年7月21日です。それ以前から、自分のサイトで、自分が気まぐれに作った動画を紹介するようなことをしていました。

私がYouTubeにチャンネルを作ってから今年で16年になります。16年前のYouTubeがどんなだったか記憶がハッキリしませんが、いわゆるVloggerと呼ばれるような配信者はいなかったか、いたとしても少なかったように思います。

私は自分も関心を持つため、カメラ関連の動画を見ることが多いです。それらを扱う動画を配信する人は、配信者がカメラの前に座って、カメラに向かって話をするスタイルを採ることが多いです。

そのスタイルが多く見られるようになったのはいつ頃からでしょうか。

もしかしたら、ミラーレス一眼カメラの動画撮影機能が進化してからかもしれません。

それ以前、普通の個人が動画を撮るのに使ったのはビデオカメラでした。その後、それまではスチルの撮影に使っていたデジタル一眼カメラ(デジ一)で動画が撮影できるようになりました。

その後、デジ一からミラーレスに移行したことで、スチルのカメラで動画を撮ることが一般化しました。メーカーも、新しい需要を感じ取り、動画が撮りやすいミラーレスの新機種を市場に投入するようになりました。

カメラに向かって何かを話すため、話す声を録る録音機器にも関心が向かいました。

Vloggerはさまざまに研究し、よりよい撮影環境を模索しています。

Vloggerが自分の姿を撮りながら、より良い声を録音するには、なるべくレンズに近づくことが良いことに気がつき、それまでは特殊な用途に使われるレンズであった、超広角レンズがVloggerに使われるようになり、メーカーもその焦点距離のレンズをこれまでになく力を入れて扱うようになりました。

こんな経過を経て、Vloggerの多くが、カメラの前で何かをしゃべるスタイルがスタンダードになったわけですが、私はそれを見て、配信者が、どの動画でも登場する必要があるのかと疑問に思っていました。

誰かが始めたスタイルを、後進者は取り入れ、それを自分でもするようになるのでしょう。しかし、先に始めた人のスタイルが、もしかしたら必要ないのかもしれないと考えたら、一度立ち止まって考える必要があります。

顔出しをする動画を配信するスタイルができた人は、操作画面を大きく写すような場面でも、画面の片隅に、自分の顔をワイプで表示することまでします。

私はテレビのバラエティ番組は見ませんが、おそらくは、そうした番組ではワイプが多用されているのかもしれません。それを見た人が影響され、YouTubeの自分の動画にも採用しているのでしょう。

しかし、動画を見る側としては、そこまでして、配信者の顔を見たいわけではありません。それがたとえば何かの操作画面であれば、操作画面をじっくり見せてくれて、説明の音声が聴ければそれで十分です。

仮の話、ナレーションがついたテレビのドキュメンタリー番組で、ナレーションを担当する人が、ナレーションを読む様子をワイプにして見せますか? ということです。

見せませんね。ドキュメンタリー番組でそんなことをしたら、視聴者は疑問を持ちます。それが、YouTube動画ではよくあります。

こうしたことは以前から感じていました。そして、そのことを本コーナーで取り上げようと思ったのは、YouTubeで次の動画を見たことです。

「Blackmagic Cinema Camera 6Kでアフレコ練習してたら今更ながら気づいてしまいました。。。」第2315話

本動画の配信者を知る人には今更説明するまでもありません。本コーナーでも、過去に二、三度、あるいはそれ以上、取り上げさせてもらっていますドリキン氏です。

いつもドリキン氏の動画を見ているわけではないのですが、本動画のタイトルにある「今更ながら気づいてしまいました」が何なのか気になり、見ました。

本動画の冒頭でドリキン氏が、今更ながら気づいたことについて話されています。それは「アフレコ」の有効性です。アフレコというのは、すでに出来上がった動画に、あとから、たとえばドキュメンタリー番組のナレーションのように、音声をつけることです。

本更新でここまで書いてきたように、今はVogglerが増えたと書きました。そして、それらの配信者の多くが、カメラの前で何かを話すスタイルを採っているとも書きました。

これは要するに、映像と音声を同時録音しているということです。ドリキン氏も、ここまで、そのスタイルで撮った動画が主だったように思います。

そのドリキン氏が、何かのきっかけで気づきを得、アフレコをもっと積極的に取り入れてもいいのではないかと考えているということです。

このことが、私がこれまで、Vlogger的な配信者の動画を見ていて考えていたことと合致したため、本コーナーで取り上げようと思った次第です。

本動画の中でドリキン氏が話されているように、それがたとえば、自分の目線で何かを撮るような動画であれば、その動画を撮影するときに、同時録音で自分の声を録らなくてもいいのではないかという気づきです。

屋外で動画を撮る時、自分の声も同時録音しようとすると、いろいろと対策なければならないことがあるでしょう。一番は、自分の声以外の音がなるべくマイクが拾わないようにすることです。

そのあたりのことも考え、動画用カメラを造るメーカーは、声だけをより明瞭に撮れるような録音環境のためのマイクなども開発し、提供しています。

また、動画を編集するソフトで、必要な音だけがより明瞭になるような機能も積極的に搭載しています。

それらを用いることで、以前に比べて、映像と同時に録った声の扱いが楽になりました。

それでも、それを実現するには、それなりの手間が必要です。

それが、アフレコを使えば、より静かな環境で声だけを収録ができます。それに加えて、動画を撮影するときには気がつかなかったようなことが、動画の編集段階で気がつき、より正確な語りをアフレコであれば実現できます。

そのあたりの利便性にドリキン氏は気づいたということでしょう。

私が昔から映像好きで、8ミリ映画を趣味としていたことを本コーナーで何度となく書いています。そのときの録音環境について前回の更新で書き始めました。

それが自分で想定していた以上に長くなってしまい、前回は、本来取り上げるべき話に辿り着けないまま終わる形となりました。

8ミリ映画は、それが終わりに近づいた頃になってようやく、フィルムに音がつけられる環境になりました。それ以前は、個人が撮影したフィルムは音のないサイレント映像でした。

8ミリ映画の歴史の終盤になり、音が入れられるようになったものの、撮影時に何かを説明するような語りを同時に録ることはありませんでした。

ということで、8ミリ映画で何かを語ろうとしたら、アフレコが一般的でした。

こんな経験をしたため、私が今、デジタルで動画を作る時も、基本的にはアフレコで自分の声を入れています。

私は自分の姿を動画に登場させないスタイルですが、その代わりとして、自分の手元を写し、何かを説明するような動画を撮ることはあります。

この場合なら、声も同時に録ってもいいのですが、その場合でも、アフレコで済ましてしまうことがあります。

私のような考えを持つ人であれば、Vloggerとは異なった機材選びになります。

Vloggerのように、自分をカメラで撮ることがないため、近くからより大きく自分を撮るための超広角レンズは必要ありません。今は、Vlogger向けのカメラが多く出回り、その必要を感じない私には、どれも、レンズが広角過ぎます。

自分を写さず、代わりに、自分が撮りたいものを撮るのであれば、少し離れた被写体でもより大きく写せる、より望遠のレンズが必要です。

これはちょうど、Vloggerとは逆の選択です。高倍率のズームレンズがあると便利です。被写体をハッキリ写すのであれば、必要以上に背景がボケてしまうのは困ります。

ということで、自分を写す人が好む焦点距離の小さな、いわゆる明るいレンズは、動画においてはそれほど必要に感じません。

また、動画を撮影するときに自分の声を録ることはないため、カメラに高性能なマイクをつける必要がありません。何なら、カメラに内蔵するマイクで構いません。

撮りたいのは、映像を撮っている時に聴こえる環境音が録れていればいいだけだからです。

したがって、Vloggerがよく使うようなワイヤレスマイクも必要ありません。撮影時に、自分の声を録る用途がないからです。

また、室内をYouTube用スタジオにする人は、自分を明るく照らすため、さまざまな照明器具をとっかえひっかえ試しています。

これも、自分の姿を撮影しなければ、必要ありません。手元を照らすだけであれば、光量の小さな照明器具があれば十分です。

私は昔から、映像とともに録音機器にも興味を持っています。ということもあり、マイクやレコーダーには関心を持っています。

今、私が自分の声を収録するのに使っているのは、二年ほど前から使うZOOMのフィル―ルドレコーダー、F2とそれに付属するラベリアマイク(ピンマイク)です。

ZOOM F2と付属のラベリアマイク

この扱い方を自分なりに習得し、今では、これさえあれば、自分の声を自分が思ったように録れると考えられるまでになりました。

ドリキン氏は、アフレコの可能性に気づいたあとも、これまで通り、現場で自分の声を録ることは続けるでしょう。それぞれのケースで、その状況に合う方を選ぶのだろうと思います。

ともあれ、ドリキン氏のような気づきを得たVloggerが増えれば、動画の収録スタイルに変化が生まれるでしょう。

その変化がさまざまなところで見られるようになれば、Vlogger向けの機材を提供するメーカーから登場する機材にも変化が表れるでしょう。

メーカーの中でも、Vlogger向けのカメラやマイクなどを積極的にそろえるのがソニーです。私にはそれが、少々過剰に感じます。

今後、何かしらの変化が表れたとき、それを敏感に感じ取り、ソニーの品揃えがどのように変わるのか、個人的には興味を持って見守っています。

その前段として、これまでは、どんなときにも自分の姿を動画に晒すVloggerが、自分の動画スタイルを見直すことができるかどうかです。

YouTubeに「宮甚商店」というチャンネルがあります。

宮甚氏も、はじめから終わりまで、しゃべりっぱなしですが、宮甚氏が画面に登場することはありません。電子工作が得意で、安売り店で安い部品を手に入れ、それでステレオのアンプなどを組み立てる様子などを動画にしています。

以前の動画で、宮甚氏が動画の撮影に使う機材の紹介があり、本サイトで紹介したことがあります。下に埋め込んだのがその動画です。

定年過ぎたらジジイユーチューバーやろう

それを見ると、いずれも安い製品ばかりで、カメラは、中古で手に入れたという数千円の中古のビデオカメラが三台でした。

外部マイクは使わず、カメラ内蔵マイクで宮甚氏の独特のおしゃべりを録っているということでした。

照明も、安価なライトがあるだけのようです。

それでも、おもしろい動画を量産しています。

Vloggerと近いものを撮影対象にしながら、動画のスタイルは百八十度違うといえましょう。

配信者が登場しなくても、このような動画が作れるのだと、参考にしてもらえればと思います。

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