S校とT校のタイブレーク中に起きたこと 動画付き

全国で、夏の高校野球の地方大会がたけなわです。

私は昔から高校野球が好きです。が、そんな私でも、最近は騒ぎすぎなのでは、と思うことが少なくありません。

Yahoo!ニュースのトップにある見出しを見ても、地方大会の話題がよく上がっています。もちろん、それらをいちいち読むことはないですが、それにしても、これだけ話題にすべきことなのか、疑問です。

それは別にして、大会も終盤を迎え、接戦のまま試合の終盤に流れ込むことが増えています。

高校生投手の肩を守るため、全国の多くの大会で取り入れているルールに「タイブレーク」があります。当地でもそれに則って試合をします。

全国で同じ扱いになっていると思われるタイブレークについて簡単に書いておきます。

9回の表裏が終わっても同点の場合、今年からは10回からタイブレークに入ります。延長戦が長く続かないよう、点が入りやすい設定で試合をします。

具体的には、ノーアウトで、2塁と1塁にランナーを置きます。前回の攻撃で3アウト目になったバッターが1塁、2アウト目のバッターが2塁のランナーになります。

そして、前回の3アウト目の次のバッターが打席に入ります。

いきなりノーアウト1、2塁のピンチから始まることになり、マウンドに立つ投手はもとより、ミスが許されないほかのメンバーも、そしてベンチでそれを見守る監督や控えの選手も緊張するでしょう。

当地では、21日と22日、二日に分けて準々決勝4試合があり、いずれも地方局で生放送されました。昨年までは、ふたつの球場を使い、同じ日に4試合を組みました。それがなぜ、2日制にしたのか、真意はわかりません。

高校野球に興味を持つ私ですから、2日ともテレビで見ていました。

2日目の第一試合は、「絶対王者」とかいわれている専大松戸(専松)と拓大紅陵(紅陵)の対戦でした。それにしても、「絶対王者」といういい方、書き方はどうなんでしょう。試合をするのは高校生なのですから、絶対はないでしょう。

この試合はどちらも点が取れないまま9回の表裏を終え、本大会何試合目かのタイブレークに入りました。

10回は両校とも点が入らず、11回にそれぞれ1点ずつ取り、12回までずれ込みました。

先攻めの紅陵が12回表を0点で終え、専松の12回表の攻撃が始まりました。12回裏に専松が1点でも取ればその時点で試合は終了です。

私は、劇的なドラマが待っているかもしれない、とタイブレークに入ってから試合のテレビ放送を録画していました。

専松が攻撃に回った12回裏に、審判の微妙な判定がありました。

その回のトップバッターは専松の4番バッターです。ベンチからの指示はおそらくバントです。タイブレークでは、最初のバッターがほとんどの場合バントをし、1アウト3塁2塁に持っていきます。

ところが2球続けてボールで、バントを見送っています。バッターとしては、2ボールのあとはストライクを取りに来るだろうと想像したのでしょう。

投手の指から球が離れたあと、バントの構えから打つ構えに換え、3球目を振ってバットに当てています。打球は強い勢いで1、2塁間に転がっていきました。

その打球を、前進してきた紅陵の2塁手が捕球し、2塁に転送したのち、2塁から1塁に転送してアウトを取れば、2アウト3塁にできる場面です。

ところが、打球が速く、強かったからか、2塁手は体の左方向へ打球を弾いてしまいます。それは、1塁から2塁へ走者が走る線上で起こったことで、2塁へ向かっていた1塁走者は、2塁手とぶつからないよう、伸びあがるようにして走り抜けています。

それを見た2塁の塁審が試合を止め、1塁走者に向かってはアウト、3塁に達していた2塁走者は2塁へ戻り、そして、打者は1塁に入るようジェスチャーで指示します。

専大松戸×拓大紅陵のタイブレークと守備妨害(2023.7.22)

私は野球のルールをよく理解していません。テレビで実況していたアナウンサーの話などから、1塁走者が2塁手の守備を妨害した守備妨害を採用したということでした。

野球のルールでは、守備を優先するそうです。

専松の監督はこの判定に不服で、チームの主将を球審のところへ送り、抗議をしました。審判が判断を決定するまで15分ほど試合が中断するところとなりました。

クロスプレー拡大

私はタイブレークをたまたま録画してあったため、試合が終わったあと、問題の場面を何度も再生して確認しました。守備と走塁のどちらに問題があるのか、私には判断がつきませんでした。

改めて考えてみると、2塁手と1塁走者が交錯することはあまりないような気がします。

今回のケースはタイブレークで、第一バッターのバントに備え、2塁手が前進守備をしていたことで発生したといえなくもなさそうです。

15分間の中断中、テレビカメラが3塁側の紅陵のベンチを捉える場面がありました。一番手前に映っていた紅陵の監督は、1点も許せない守備についている場面であるにも拘わらず、緊張できりきりしているようには見えませんでした。

むしろ、歯を覗かせ、柔和な表情に見えたのが強く印象に残りました。

そのときの監督の心境はわかりませんが、12回表を終わってもなお決着しない試合をする選手たちに、勝ち負けを超えた感情のようなものを抱いていた(?)のかもしれない、と感じました。

中断を挟んで3時間を超える試合となり、決着しました。

最後は、紅陵の1塁手の2塁への悪送球です。それがいつか「良い思い出」に替わるまで、思い出しては、苦い思いになる(?)かもしれませんね。