昨日(3月31日)閉幕したセンバツ大会(選抜高等学校野球大会)の出場校は、昨夏の大会が終了後、3年生が抜けた新チームによって争われる秋の大会の結果から選抜されます。
関東・東京ブロックには出場枠が6校当てられていますが、毎回、6校目にどこが選抜されるか注目されます。
関東・東京ブロック秋の大会は、春の大会と違い、東京は東京だけで争い、関東大会には出場しません。東京大会で優勝した1校が、センバツ大会出場をほぼ決定します。
関東大会には、関東6県と山梨を加えた7県の各大会で優勝した学校と準優勝の学校2校ずつが参加します。関東大会は各県が持ち回りで会場となり、会場となる県は、県大会3位の学校まで参加できます。
昨秋の大会は栃木県が会場でした。
トーナメントで争われ、準決勝に進出した4校がほぼセンバツ出場を確実にします。
本日の朝日新聞に、昨日行われた決勝戦で勝ち、初優勝した群馬の健大高崎でコーチを務めた人の話が載っています。記事の見出しは「泣き虫コーチと最後で最高の春」です。
同校でコーチをした赤堀氏は、4月から、静岡にある磐田東高校野球部で監督をするため、センバツ大会を最後に、同校を去るということです。
そのことが選手たちに知らされたのは、センバツ大会の出場校が発表された翌日の1月27日だそうです。
赤堀氏は今日4月1日が誕生日だそうで、まだ31歳と若いです。赤堀氏は選手たちと寮で過ごし、選手たちにとっては兄のような存在だったのでしょう。
その赤堀氏がチームから去ることを知らされ、選手たちは大きなショックを受けたようです。
健大高崎は昨秋の群馬県大会で優勝し、関東大会に駒を進めています。すでに書いたように、関東開会でベスト4に残れば、センバツ出場がほぼ決定します。
昨秋の関東大会準々決勝、健大高崎は千葉大会で優勝した中央学院と、ベスト4=センバツ出場をかけて戦いました。結果は、4 -3で健大高崎が勝っています。
その試合のあと、赤堀氏は目を真っ赤にして、選手と抱き合ったそうです。そのときのことを、一塁手の森山選手が語っています。
そういえば、健大高崎が優勝を決めたとき、森山選手が人一倍泣いていたように思います。他の選手も涙を流す選手が多く見られました。あの涙には、チームを去るコーチへの想いもあったのでしょう。
私は同校のチーム事情はわかりませんので、赤堀氏のことも知りません。試合は録画していありますので、あとで再生して見て、優勝が決まった瞬間のベンチの様子をもう一度見てみようと思います。
もしかしたら、どの人が赤堀コーチかわかるかもしれません。
関東・東京ブロックの話に戻します。
同ブロックには6校の出場枠があります。東京の優勝校1校と関東大会ベスト4の4校で、5枠はすんなり埋まります。問題は、6校目にどこが選抜されるかです。
東京大会の準優勝校と関東大会ベスト8の5校の中から、センバツ大会の選考委員が、戦いぶりを評価比較し、1校が選ばれます。
こうした過程を経るため、6校目は、それが発表される日(今年は1月26日)までわからず、該当する学校は、昨秋の大会から3カ月ほど待たされることになります。その分、選ばれた学校の嬉しさは計り知れないでしょう。
事前の予想では、関東大会で準優勝した山梨学院にタイブレークの末敗れた神奈川の桐光学園が有力視されていました。ふたを開けると、センバツ大会で初優勝した健大高崎と最後まで競った千葉の中央学院が関東・東京ブロック最後の出場枠を得ました。
中央学院は2018年の選抜大会と夏の選手権に出場していますが、いずれも初戦で敗退しています。それが今回は、初戦を突破し、その勢いもあって、準決勝まで勝ち進みました。
もしも準決勝を突破出来たら、昨秋の関東大会準々決勝の再現を、甲子園球場でできるところでした。
ある意味で、中央学院は、優勝した健大高崎に引っ張られるようにして選抜に出場し、勝ち進んだといえなくもありません。
センバツ大会の出場校が発表された3日後、「どこよりも早いセンバツ優勝予想 専門家2氏と本紙が占う」という日刊ゲンダイ DIGITALの記事があります。
私は記事が配信されたときに読みましたが、今読み返すと、その予想の精度がかなり高かったことがわかります。その時点で、日刊ゲンダイは、ある球団のスカウトの言を次のように伝えています。
関東大会は4強ながら、U15の元日本代表など戦力的には随一。石垣元気と佐藤龍月の1年生二枚看板は完投能力があって、打線も強力。箱山遥人(2年)は『強肩強打』の高校ナンバーワン捕手。打って守れる貴重な右打者の捕手として、プロの評価も高い。初優勝を狙える戦力です。
ほかにも、対抗できるチームに青森山田、ダークホースとして中央学院を挙げています。
各地ではすでに、春の地方大会が始まっているところもあります。夏の選手権に向け、次こそは自分のチームが優勝すると意気込んでいることでしょう。