ストロボとマイクの使用方法の共通点

本コーナーは、3回続けてエレクトロニックフラッシュ(ストロボ)の話です。

前回の中で、カメラにストロボをつけているのでは、表現の幅に限界があることを書きました。そしてそれは、動画を撮るときのマイクと共通することであるとも書きました。

日常的に動画を撮影する人は、どこにマイクを取り付けていますか? 多くは、カメラのホットシュー(アクセサリシュー)だろうと思います。

ストロボは、発光する光が強くても弱くても、光が届く距離は決まっています。マイクも、より良い音で収録できる距離が決まっています。

どんなに高価で高性能のマイクであっても、人の話し声を最適な音量で録音したかったら、マイクから50センチ程度の距離で話すと良い、と音声の専門家の桜風涼(はるかぜ・すずし)氏(1965~)のYouTube動画で教わりました。

ちなみに、50センチの距離は、コンデンサーマイクを使う場合です。歌手がステージで歌う時などに使われるダイナミックマイクはそれより口にぐっと近づけて使います。

本日の豆訂正
マイクと口の距離ですが、私の理解が間違っていましたので訂正します。
音の専門家の桜風涼氏の動画を見直して確認しました。
コンデンサーマイクで良い音を拾える最大の50センチです。これ以上離れると、音は悪くなるそうです。
訂正します。
2022年版:ショットガンマイクは買うな! 音質は95%が距離とセッティングで決まる。ショットガンマイクはワンマンオペレートには適さない。

Vloggerが、自撮り動画を撮る場合、マイクをカメラに取り付けてあるのなら、カメラを50センチ程度まで近づけて撮影すると、より良い音を収録できる理屈になります。

自分の声を録るだけならそれでいいでしょうが、どんな被写体にも同じ条件を当てはめられるとは限りません。その場合は、マイクをカメラから離すことで、マイクを被写体に近づけつつ、カメラを被写体から離して撮影することができます。

同じことがストロボを使った撮影でも当てはまります。

私は昔に買い求めたストロボを今も使うため、ワイヤレスで発光させることはできません。カメラとストロボを延長ケーブルで接続すれば、ストロボをカメラから離しても発光させることができます。

そんなことを考え始め、昨日、ナショナル製(パナソニック ライティングデバイス株式会社)ストロボ”PE-320S”のアクセサリを確認しました。

見つかったケーブルは長さが2メートル程度ですから、カメラからそれだけ離して撮影することが可能です。

ストロボを小型三脚に取り付け、自由な角度でストロボ光が被写体に当たるようにセットすることで、カメラと被写体との距離が、この場合は約2メートルの範囲で、自由になります。

ただ、こういった撮影は、被写体が動かないなどの場合に有効でしょう。スナップ撮影するのに、ストロボとつけた三脚を持ち運び、ストロボとカメラがコードで接続されていたのでは、行動が制限されるからです。

そんなことを考えるうち、ナショナルの”PE-320S”より小さなストロボも使うことを思いつきました。

私が引っ張り出したのは、これも、フィルムの一眼レフカメラを使っていた頃に購入したストロボです。

私はヤシカのコンタックスRTSとRTSIIを使っていましたが、このブランドのアクセサリとして、”CONTAX TLA20″という、機能を最小限に抑えたストロボがあり、それを購入して使っていました。

ストロボ「コンタックス TLA20」

TLA20はPE-320Sに比べて、見た目がふた回りか三回りほど(?)小さなものです。ですから、カメラのアクセサリシューにつけても、PE-320Sをつけたときより、仰々しさが軽減されます。

ソニーのミラーレス α7IIに「コンタックス TLA20」ストロボ

商品名からわかるように、この小型ストロボはガイドナンバーが20で、光の届く距離が短くなります。ただ、それを逆手にとり、ストロボ光を、逆光になった被写体の影を弱めることを狙うのであれば、逆に使いやすいのでは、と考えたりしています。

ナショナルのPE-320Sはマニュアルで5段階の調節ができますが、TLA20は、ハイとローの2段階です。

あとはいろいろなものを撮って、使い方を慣れなければなりません。私は暗いところでストロボを使うのではなく、充分光がありながら、光の足りないところをストロボで補うような使い方を想定しています。

光が当たった被写体の露出を考えつつ、ちょうど良いストロボの光を当てることになり、その兼ね合いは、何度も失敗しながら、自分のものにするよりほかりません。

デジタル記録できるカメラは、何度でも撮り直しできるのが強みです。

この小型ストロボとは別に、途中で書いた、カメラとストロボを離した使い方も、おいおい試し、自分の使い方が身についたら、と考えています。

ストロボを使った撮影もなかなか奥が広いです。

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