ネットの動画共有サイトのYouTubeで動画を熱心に配信する人たちがいます。世間ではそんな彼らを”YouTuber”と呼びますが、彼らの中には自分を”Vlogger”と位置付ける人がいます。
文章でブログの更新をする人をBloggerということから、それをビデオで更新する自分はVloggerになるというわけらしいです。
表現の違いはありますが、YouTuberにしろVloggerにしろ、彼らに共通することといえば、自分の姿を収録するカメラに常に関心を持つことです。
カメラを製造するメーカーにしても、そのような人たちの存在は無視できないようで、少しでもその人たちの関心を呼びそうな新製品を開発しては販売することをしています。
鶏が先か卵が先かというように、両方の思惑が交錯し、フィルムのカメラの時代には想像できないほど、新しいカメラがそれぞれのメーカーから矢継ぎ早に発売される状況です。
すると、YouTuberやVloggerはすぐにその話題に飛びつき、予算に余裕のある人であれば、少し前に新しいカメラを買ったはずなのに、すぐたま、新しいカメラに飛びつき、それを自分のレビュー動画にしたりします。
また、そんなYouTuberやVloggerのチャンネルを熱心に見る人は、それぞの動画に群がり、新しく登場したカメラの話題に話の花を咲かせます。
私もかつてはYouTubeに動画を上げることもしましたが、今は自分のチャンネルを維持したまま、動画を引き上げた状態です。その理由については、本コーナーですでに書いた通りです。
映像には昔から人一倍強い関心を持ち、かつて、個人が唯一扱えた映像撮影機材であった8ミリ映画のカメラで、趣味としての映像撮影と映写を楽しみました。
その関心が今も薄れず、今は、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)で、スチルの撮影の合間に、動画を撮ることもしています。しかし、その比率は、私の場合、スチルが八割、九割で、残りが動画といったところです。
撮った動画にしても、それをYouTubeに上げたりするものにはならず、撮れ具合を自分で確認し、これはいい、これはそれほどでもない、と判断する程度です。
このようなカメラとの付き合い方をしているため、今使っているカメラ以上のカメラを必要に感じることはありません。
私が使っているのは、ソニーのミラーレス、α7 IIです。このカメラが発売されたのは2014年ですから、9年前になります。デジタルの世界の9年前は、それ相当の「昔」といえましょうか。
実際、その間に技術的に大きく進歩していますが、私の用途では、α7 IIでも別に不自由しません。
カメラの進歩でいえば、どれだけ速くオートでフォーカスが合うかといったことがあります。しかし、今私が好んで使っているレンズは、フィルムの一眼レフ時代に買い求めたヤシカ製コンタックス(ヤシコン)のカール・ツァイス プラナー50ミリ F1.4です。
当時のレンズですから、オートフォーカスの機能を持ちません。ファインダーを覗いて、自分でフォーカスを合わせるマニュアルフォーカスレンズです。
これだったら、オートフォーカスの機能がどれほど進歩しても、私には恩恵はありません。
このカメラとレンズで動画の撮影もします。動画の撮影では、8bitより10bitがいいといわれます。たった2bitの違いしかないと思われがちですが、この2bitには比較にならないほどの性能差あるといわれます。
ちなみに、bit深度が影響するのは、色数ではなく、色の諧調だそうですね。8bitに比べて10bitは、諧調が遥かに豊かになるとのことらしいです。
ただ、それにしても、個人で愉しむ動画を撮影する上においては、どうしても10bitが必要になるわけではないです。
動画に関しては本コーナーで何度も書いています。α7 IIには一年半ぶりに戻りましたが、本来の購入目的であったS-Log2ガンマではなく、今はCine1ガンマが自分に合っていると考えて使っています。
これであれば、明度を若干調整するだけで、自分好みの動画になってくれます。途中でも書いたように、何か作品を作るわけでもないので、それ以上の望みはありません。
ということで、9年前に発売されたα7 IIと、何十年も前に買い求めたマニュアルフォーカスレンズが、私の用途にはぴったりです。
私がカメラ関連の話題を伝えるYouTuberやVloggerであったら、新しいカメラやレンズに関心を持たないので、見てくれる人の満足を呼びそうにはありませんね。