馬鹿なことは馬鹿なことだと指摘しよう

出版大手のKADOKAWAが被害を被っている同社のサーバを攻撃し、身代金を要求する犯罪と、小林製薬が開発して販売する「紅麹」を使ったサプリメントで「健康被害」が出ているとされている問題は、まったく関連性のない犯罪であり問題です。

しかし、このふたつの事案には、共通する点があるように個人的には感じます。

本日の朝日新聞は、1面と2面を使い、サイバー攻撃を受けているKADOKAWAから盗み取られた情報が、身元の特定が難しいダークウェブで流出が増加していることを伝えています。

犯行グループは「BlackSuit(ブラックスーツ)」と名乗っていますが、実体は不明です。彼らの犯行はランサムウェア(身代金ウイルス)を使う手口です。

その手口について、本日の朝日2面で本事件を扱った記事に次のように書かれています。

(ランサムウェアを使った犯行では、入手した情報の)リークは1回で終わらず、2回、3回と小出しにする傾向がある。その都度、話題として取り上げられることで、被害組織を追い詰めていく狙いがあるとみられる。

本記述を確認したあと、同じ朝日が本日の紙面で伝える小林製薬の紅麹入りサプリが「健康被害」を出したとされている問題の報道を見ると、気がつくことがあるでしょう。

朝日の記事の見出しは「『紅麹』被害疑い 入院492人 200人以上増 腎疾患以外も含め」です。

「健康被害」を出したことを一方的に疑われている小林製薬は、同社に寄せられた訴えをまとめ、公表しました。それを受け、厚生労働省が「健康被害」の実情を調べ、昨日(2日)発表した内容を伝える記事です。

ランサムウェアを使った犯行では、犯行グループが密かに入手したデータの公開をちらつかせ、被害を受けた組織を、小出しに揺するのが手口だとしています。

そのたびにマスメディアが報じることで、人々の話題を集め、被害組織にボディブロー攻撃のように効くことを狙うといいます。

紅麹の問題でも、マスメディアは、厚労省からの新たな発表を伝えるようにして、小出しに報道をします。そのたびに人々の関心を呼び、本問題の本質を理解していない人に対して小林製薬の印象を悪くする効果を持ちます。

紅麹問題の報道は、ランサムウェアを使った犯行の手口と不思議なほど共通する点があることに気づかれたでしょう。

厚労省が新たに発表したことを確認しておきます。

同省のこれまでの対応と大きく違う点があります。それは、同社のサプリによる「健康被害」に、腎疾患以外を含めたことです。

厚労省に「健康被害」を訴えてきた人のうち、6月30日時点で、2221人が医療機関を受診したということです。その結果、同日時点で、492人が入院しているとしています。

ただ、受診した人が紅麹サプリを摂取したかは、これから確認するとしています。

先に小林製薬が独自に発表しましたが、それでは、同社に170人から相談が寄せられたものの、そのうち、91人は紅麹サプリを摂取していないことがわかったとしています。

また、残り79人のうち、3人はサプリ摂取の影響がないことが医師によって確認されました。

また、残る76人も、サプリが本当に影響しているかはまだ不明です。

この問題を扱う厚労省は、本問題が発覚して半年ほどだった今に至っても、原因物質の特定と、そんな物質があるとして、それが本当に「健康被害」を起こしたと断定することができていません。

原因物質とそんな物質があるとして、それが本当に「健康被害」の原因であるとわからなかれば、発症との因果関係がわからないのは当たり前のことです。

2日にあった厚労省の発表で不思議に感じるのは、紅麹サプリを摂取することで生じる症状に、腎疾患以外を加えていることです。加えた理由の説明が記事にはありません。

これまでの厚労省の対応では、同サプリに、製造工程で強い毒性を持つ「プベルル酸」が発生し、それを摂取することで、腎疾患に何らかの症状を起こすとされていました。

それが今回は、それ以外の症状の原因も紅麹サプリにあると考えているとすれば、それらは、同サプリに含まれるどんな成分が起こすのか、分析し、科学的に証明する必要があります。

厚労省の新たな対応は、小林製薬が独自の判断で、腎疾患以外の問い合わせも公表したことを受けてのものでしょう。

同社がそのような対応をしたのは、あとになって、そのような問い合わせがあったのに隠したなど、あとで責められることを嫌ってのことでしょう。

紅麹問題に対する厚労省の対応について書いた時、厚労省のやっていることは、「藪をつついて蛇を出す」ようなものではないかと書きました。

昨日の発表も、その感が強いです。

同サプリで「健康被害」があった人の症状を広げたら、原因究明がさらに難しくなります。本当にそれを突き止めたいのであれば、逆に、受けた「被害」の特定を狭めていかなければなりません。厚労省がやっていることは逆で、対象を広げています。

たとえば、がんや脳梗塞になったという人の訴えも、同サプリ摂取と関連付けて考えるのだとしたら、何をやっているのかわからなくなります。

本コーナーで前回、KADOKAWAのサーバ攻撃について書いた時、犯行グループがサーバから盗み、公開した、ネットの動画共有サイト「ニコニコ動画」で動画を配信した個人クリエーターの個人情報から、それらのクリエーターが作った動画はどんな内容なのか教えて欲しいと書きました。

私がそれを知りたいと思うのには理由があります。そのことも前回の更新で書きました。

端的に申し上げて、新コロ騒動および、存在しない新コロウイルスのために作られたことにされているワクチン(似非ワクチン)の問題点を指摘する動画を封じるのが今回のサーバ攻撃の目的だと私は個人的に推測するのです。

であれば、公開されたクリエーターが作った動画には、その方面の動画が含まれているでしょう。

犯行グループも愚かではないですから、見てすぐに気づかれるような手がかりは残しません。クリエーターの動画の種類を雑多にし、特定の分野の動画とは悟られないように工夫するでしょう。

しかし、見る人見れば、カモフラージュを取り払った、彼らの真の狙いがわかるはずです。

一見、強固に見えるセキュリティであっても、結局は、個人のちょっとした不注意によって、その強固なはずのセキュリティが突破されることがあると聞きます。

犯罪を犯す側にも同じことが指摘できます。完全犯罪というの極めて難しいです。どんな犯罪であっても、必ずぼろがあるものです。そのぼろは、何気ない、ちょっとしたところにあります。

紅麹問題を扱う厚労省がやっていることは、完全犯罪とは程遠く、誰が見てもぼろだらけに見えますけれど。

彼らが問題だとしたサプリの何が問題なのか、未だに明らかにすることができていません。挙句の果てに、腎疾患以外にも「健康被害」の可能性を広げることまでしています。

ランサムウェアを使った犯行では、盗み出した情報の公開をえさに、相手から金を絞りとることを狙います。それを小出しにし、次第に相手を追い詰める手口です。

厚労省のやっていることは、次に次に小出しにするごとにぼろがボロボロ出る、それを重ねれば重ねるほど、厚労省は一体なにを考えているのだ、と気づく人が増え、突っ込まれることばかりが増えます。

ボディブロウ攻撃は、勝手に加害者にされた小林製薬ではなく、厚労省に効いているのだということに、いい加減気づいてくださいよ。

馬鹿な人を馬鹿な人だと指摘できる人に馬鹿な人はいません。

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