2004/03/23 「フォトエキスポ2004」

本日は、本サイト内で動画や音声のファイルをご紹介しています「私の動画アーカイブス」のコーナーに動画をひとつ追加しています(現在、そのコーナーはありません)。

■ 追加した動画→ 「フォトエキスポ2004」(6分48秒)

これは、3月19日から21日までの3日間、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催された「フォトエキスポ2004」の模様をデジタルビデオ(DV)で撮影し、ビデオ編集ソフトで編集を行ったのち、ストリーミング・ファイル化したものです。

私がその催し物に出かけたのは最終日の21日です。当初の予定としては、その前日の土曜日の方が少しは込まなくていいかなと考えていたのですが、土曜日はあいにく一日中雨模様で、自転車利用者の私としては日曜日に延ばさざるを得なかったというわけです。

その催しそのものを書く前に、その日、往きの電車について書こうと思います。直接は関係のない話ですが。

乗客に海外からの旅行者が多いことは特別珍しくもありませんが、それにしても、その日は特別でした。私はたまたま空いていた席に座りました。そして、座ってすぐにあることに気がつきました。

それは、私の両脇も前も、中国(あるいは台湾?)から来たのであろう団体客が座っていたことです。

同じ東洋人ですから、姿形からだけでは判断がつきません。おまけに、彼らは全員、旅行バッグのようなものを持っていないのです。手ぶらです。

私が駅で降りるまで、右から左から、そして前からも中国語が大きな声で飛び交い、私ひとりだけが中国人の中に放り込まれた気分になりました。

中でも、前の席に座る中国人がグループの中心のような人で、途中の駅で乗った日本人に自分の席を譲り、今度は立ったままこちら側に座っている仲間と身振り手振りで盛んに話を続けています。

それを見ていると、同じ東洋人といえども、私たち日本人とは欧米人と同等、あるいはそれ以上のバイタリティ(vitality:活力。生気。活気=広辞苑)のようなものを感ぜずにはいられません。

彼らがどこまで乗って行ったのかは確認できませんでしたが、さすがに、東京ビッグサイトへと向うりんかい線には乗らなかったようです。

東京ビッグサイトの最寄り駅である国際展示場駅に到着すると、そこも結構な人出となっています。私は暢気に「ずいぶん写真好きは多いものだな」と思っていたら、そうではありませんでした。

当日は、同じビッグサイト内の東館で「コミックシティ」という、マンガの同人誌の即売会が開催されていたせいのようです。私はマンガ雑誌にはほとんど関心がないため、知りませんでしたが、同好の士にはよく知られたイベントなのかもしれません。

こちらの場内は同種のイベント特有の熱気のようなものに溢れていますが、いつもならよく目につくイベントコンパニオンの女性がそれほどでなく、すっきりとしているといいますか、ちょっと寂しいといいますか、どっちつかずの気分になりました。

会場は同展示場の西館1・2ホールだけを使ったもので、スペースとしてはべらぼうに広いというわけでもなく、見て回るのに骨が折れるということもありませんでした。

スペースの広さということでは、2002年10月に開かれた「WPC EXPO」は大変な広さでした。ビッグサイトの東西の展示スペースをすべて使っての開催だったすから。あとにも先にも、あのときほど展示スペースの広さを実感させられたことはありません。あのときには2日通いましたね。

今回の動画について触れておきますと、そこに収録されているものだけを見ると女性コンパニオンの方ばかりが映っていますが、ブースによってはプロの写真家の方をお招きして、即席の「写真講座」のようなものが開かれており、それなりにためにもなり、おもしろく聞くことができました。

私自身は、現在のところは写真そのものへの関心は正直いって薄れ気味で、むしろビデオに強い関心があります。ですので、撮影にしろ、デジタル修正にしろ、完璧な一枚に仕上げる意気込みのようなものは持っていません。

ただ、そうしたことに情熱を注ぐ写真家の話には納得させられることが少なくありません。

会場の一角では、写真関係の雑誌や書籍を販売するコーナーが設けられていました。私は内田ユキオ1966~)という写真家の『ライカとモノクロの日々』という本を何の気なしに買い求めました。

ちなみにライカというのは、カメラに関心がある人なら誰もが一度は強い憧れを持つ、男性にとっての超高級ブランドバッグのようなもの(?)です。私もできるものなら、初期の逸品を手に入れたいと思ってはいますが、生涯夢のままで終わる可能性大です。

ともかくも、帰りの電車内で買い求めた本を早速読み始めましたが、その最初の方に次のようなことが書かれています。

映画や写真などでもコンピューターで加工されたものを目にする機会も多く、中には現実を超えた迫力や色調をもった映像もあるのですが、そういうものがいつまでも記憶に残っていくかといえば、そんなことはないようです。

私は写真にしろビデオにしろ全くの趣味でしているので悩みは深くありませんが、それを職業にされている方は今ほど葛藤の多い時代はないのではないでしょうか。それほどに、デジタル化の波には大きいものがあります。

先ほど少し触れた、撮影時の露出の決め方にしても、フィルムカメラ、中でも厳密な露出が求められるポジフィルム(リバーサルフィルム)は、「一発勝負」的な撮影が求められ、プロの写真家の独壇場でした。

しかし、デジタルの技術を利用することで、撮影後に露出や色調の補正をすることが容易になりました。いってみれば、カラー写真を自分で現像できる感覚です。

本日の豆回想
私が写真を好きだったのは、多分に、撮影という行為自体が好きだったからかもしれません。その場合、できあがった写真の出来不出来は大した問題ではなくなります。とにかく、一眼レフのカメラのファインダーを覗き、自分でピントを合わせ、露出を決める一連の行為が好きだったのです。それが、デジタルカメラに代わった途端、その楽しみのほとんどは奪われてしまいました。ファインダーの代わりに液晶モニターで確認し、あとはシャッターを押すだけでは欲求不満になっても仕方がありません。とにかく、あのファインダーの中に映る世界は現実でありながら、特別の夢の世界のように私には映っていました。

そうはいっても、撮影時点で最適な露出を与えることは重要で、全く無駄な技術になってしまったわけではありません。が、そうはいいながらも他方では、デジタル技術が日ごとに職人的な専門技術を侵食していることは事実で、考え方の切り替えを求められることが今後益々強まってくることは確実です。

このように、技術が一大転機にある現在、写真を職業にされている方々は、悩みが尽きないとお察ししてしまうのです。

しかし、結局は内田氏もお書きになっているように、「小手先の技術だけでは人を感動させることはできない」ように思います。これは他の分野のことにも通じる考えかもしれません。

写真の世界の今後をプロの写真家ほど真剣に考えているわけではありませんが、趣味で楽しんでいる私たちにとっても無縁の話ではないだけに、今後の展開が気になるところです。

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