前回の本コーナーで書いたように、今、私は自分の心のあり方に興味を持っています。
きっかけは、朝日新聞土曜版にある「知っ得 なっ得」です。そのコーナーでは、今月8日から四回にわたり、「瞑想」を手軽に実践できる方法が紹介されています。
そのシリーズの監修に当たられた精神科医・心療内科医のかたわら、横浜にある禅寺の住職もされている川野泰周氏が書かれた『ずぼら瞑想』もAmazonの電子書籍版で読み始めました。
瞑想というと何か難しいと思う人が多いでしょう。私もそうでした。しかし、川野氏が提唱される「ずぼら瞑想」であれば、誰でも、日常生活のあらゆる場面に取り入れることができます。
ひと言でいえば、今このときに自分の意識を集中することです。
自分の呼吸や、歩く自分の足の裏に意識を向け、それ以外のことが頭に浮かばなければ、川野氏がおっしゃる瞑想状態に入っているということです。
現代人の多くは、何かをしながら、そのことだけに意識を集中せず、ほかのことを考えてしまいがちです。そのようなとき、脳は処理しなければならないことが増え、それだけ疲れてしまいます。
瞑想は余計な考えをさせず、脳を休ませてくれる効果を持ちます。
川野氏の本を読み始め、それまでの自分の行動で反省することがありました。それは、一度にふたつ以上のことを同時にすることが多かったことです。
例えば、音楽を聴きながら新聞や本を読むというようなことです。そうしたことを私は当たり前に考えて実行していました。
川野氏の本を読み始め、今朝は、音楽を聴かずに新聞を読みました。その効果をすぐに実感できたわけではありませんが、これからは、何かをするときは、ほかのことはしないようにしようと考えています。
新聞や本を読みながら音楽を聴くということは、自分では意識しませんが、視覚で文字を追いつつ、聴覚で音楽を聴くことを同時にしています。
脳はどんなことでも処理しようとします。視覚と聴覚から入ってくる「情報」を処理すれば、それぞれが単体のときより処理しなければことが増えます。それだけ、脳が疲れるかもしれません。自分ではまったく意識せずに。
私はこれまで、食事をしながら、録画してあったテレビ番組やネットの動画共有サイトYouTubeの動画を見るのが半ば習慣となっていました。それも、今日からはやめることにします。
食事のときは食事だけ、動画を見るときは動画を見ることだけをすることにします。
現代人は同時にいろいろなことをするのが「効率的」と考えています。しかし、そのことで、知らず知らずのうちに脳を疲れさせていることに気がつくことができました。
新聞や本を読みながら音楽を聴くのをやめ、音楽を聴きたいときは、音楽以外のことをしないで音楽を楽しむことにします。
それぞれに「単体」で接することで、それぞれが持つ良さに、これまで以上気がつくことができるでしょう。
ご飯を食べることに意識を集中すれば、それまでは感じられなかったほど、ご飯がおいしいことに気がつけます。