写真撮影を趣味でされている方は、カメラに内蔵されている反射光式の露出計を利用して撮影される方が多いでしょう。
私は昨年の途中から、ミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)を使って撮影するときは、ISO感度とシャッター速度、レンズのF値を自分で設定するマニュアル露出になりました。
それ以前は、絞り優先AEや、ほとんどカメラ任せのプログラムモード(Pモード)で撮影することが多かったです。
私が使うソニーのミラーレス、α7 II用に持っているレンズは24~240ミリの10倍ズーム一本だけで、レンズのF値が小さくない(明るいレンズではない)ため、絞り優先AEを使うまでもない、とPモードをよく使っていました。
私は、デジタル一眼レフカメラ(デジ一)を使い出すまでは、フィルムの一眼レフカメラを使っていました。私が使ったカメラは、ヤシカから発売されたコンタックス(ヤシコン)ブランドのRTSとRTS IIです。
おそらく、RTSが日本で初めてぐらいに、絞り優先AEやシャッター速度優先AEの機能を搭載した(?)のではないかと思います。
当時も、適正露出の手がかりにしたのは、カメラに内蔵されている反射光式の露出計です。今のデジタルカメラに搭載されている測光方式と違うのは、「中央部重点平均測光」と「部分測光」「スポット測光」の3種類しかなかったことです。
デジタルカメラには、このほかに「マルチパターン測光」や「評価測光」と呼ばれる測光方式が加わり、この測光方式を利用する人が多い(?)のではないかと思います。
私も、デジ一を使い始めた当初は、フィルム一眼の流れで、中央部重点平均測光を使っていましたが、そのうちに、評価測光を主に使うようになりました。
中央部重点平均測光というのは、読んで字のごとく、画面の中央部分を重点的に測光する方式です。一方、評価測光は、画面をいくつにも分割し、より適切な露出を割り出す方式(?)、と私は理解しています。
逆光などで撮影するケースでは、評価測光の方が、より望むような露出が得られやすくなります。
その一方で、中央部重点平均測光も未だに有効な測光方式です。逆光であっても、画面の中のどこを測光するかがわかりやすく、それを使って、望むような露出が得られます。
部分測光やスポット測光を使えば、より局所的な部分を測光し、露出を決めることができます。
こんなことを書いたのは、最近、また、使い始めたペンタックスのPENTAX Qで、試しに中央部重点平均測光を使い始めたからです。

Qでいろいろ試し撮りしているうち、このカメラで撮影するなら、ほぼカメラ任せのPモードが使いやすく感じました。であれば、被写体にカメラを向け、シャッターを切るだけです。
ただ、それでは、思うような露出を得られないケースがあります。
私は、家で飼っている猫たちを毎日のように撮影します。晴れた日に、窓辺にいる猫をQのPモードで撮ると、陽が当たる部分と陰になる部分ができ、ハイライト部分が白飛びするようなことがまま起こります。
Qでも、評価測光で露出をカメラに決定させていました。
そこで、感覚的に、フィルムの一眼カメラ時代に戻り、中央部重点平均測光を使ってみようと考えました。この測光方式の場合は、「AEロック」とセットで使うとより効果的です。
中央部重点平均測光でも部分測光でもスポット測光でも、必要な測光方式を選び、自分が測光したい部分をカメラで測光したら、その露出を、AEロックでロックしてしまうのです。
評価測光でも同じようなことはできますが、中央部重点平均測光や部分測光、スポット測光の方が、露出計がどこを基準にしているのかわかるので、やりやすいです。
窓辺で眠る猫を撮るのであれば、液晶モニタを観察しながら(Qにもファインダーがあるといいのですが、背面液晶しかありません)、一番適正な露出になるようにカメラを動かし、自分で適正と思える明度になったら、その露出設定をロックしてしまうのです。
PENTAX Qでは、私は、グリーンボタンに、AEロックの機能を登録してあります。どんなカメラであっても、AEロックの機能を登録できるでしょう。
機能の選択によって、次にそのボタンを押すまで、その機能を維持したままにできます。Qの場合も、もう一度グリーンボタンを押すまで、AEロックが効き続けます。
今朝、Qを空に向けて、空と雲を写真に収めました。このときは、AEロックは使っていません。測光方式は、昨日から使い始めた中央部重点平均測光です。
今、使っていないと書きましたが、記憶をたぐり寄せると、あるいは、使っていたかもしれません。
明るい空にレンズを向けて撮影すると、平均測光に比べて、アンダー気味に写ります。私はアンダー気味の画像が好きなので、アンダーに写ることを狙っています。
RAW画像で撮っていますので、PCを使った「現像」の段階で、露出を、少しだけ明度を高く調整します。また、PENTAX Qの「現像」には、”SILKYPIX Deloper Studio for PENTAX”という専用ソフトを使いますが、これには、全体の色合いを様々に変える「フィルター」のようなものが搭載されています。
その中から、空の写真は、「フィルム調K」を選びました。私の想像ですが、これは、ポジフィルム(リバーサルフィルム)のひとつであったコダクロームの”K”ではないか、と想像します。

猫の写真も同じ「フィルター」を適用してみましたが、暗部が、それを適用以前よりも、しまって見えるようになります。
空の写真も、私がかつて愛用したコダクローム64で撮影した、ように見えなくもなく、楽しい気分になります。
